小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

台風一過とはいかない

今日の台風は結構すごかった。 何がすごいって、通り過ぎた後の、まるで何もなかったような晴天。 実は、今日はサル的なヒトも大変だったのだ。 よりにもよって、今日(月曜日) は講義が2つもあるのだ。 そのうち一つは午後4時から。 もしこれが午前中だったら、当然講義は中止(延期)。 残念だが仕方ないし、分かり易い判断だ。 レギュラーコース(RC)のように夕方遅い時間 (18:00-) 開始なら、これまた問題ない。 それまでには台風が通り過ぎていることが確実だから。 でも開始予定時間は午後4時。 

「天気予報を見ていれば大丈夫なのは明らかじゃないか?」 って思うかもしれないが、台風がもっとも激しく東京を襲っている朝10時の時点で 「講義をやりますよー。 みんな来てね」 というメールを受講生全員に送るのって、それほど気楽なものではありません。 胃が痛くなったよ。 学生さんが無理して事故にあってはいかんからな。 ふぅ。

結果としては、予報どおりに台風は12時前には東京を通過し、午後4時には近辺の方々には講義に無事参加頂くことができた。 しかしやはり、遠隔地からお越しになる社会人の方々の一部は新幹線の混乱等で出席頂けなかったのである。 天候には逆らえないとはいえ、まことに申し訳ありません。

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前にも書いたとおり、先週土曜日は小児臨床薬理学会でちょっと講演。 会長の石崎先生、いろいろご配慮ありがとうございました。 隅々まで心のこもった温かい学会でありました。

私の講演後、例によって 「うーむ。 このサルの言っていること、どうもわからん。 いろいろ問題を指摘して、それで終わりか? 解決策を何も言ってないじゃないか。 俺たちにどうしろってんだ? え?」 と明らかに不愉快な顔をしている聴衆がちらほら。 毎度のことである。 以前、別の学会で、質問と称してくだらない嫌味をタラタラとぶつけてきたオヤジもいたっけ。 よくあることなので、特段私は気にもならないのだが、今回は、昔からお世話になっているN村ヒデ先生が 「小野さんの言っているのは 『結論を教えてもらうんじゃなくて、自分たち自身で考えろ』 ってことだよね」 とフロアから見事な助け船を出してくださった。 ヒデ先生、どうもです。

ちょっと考えればわかるはずだけど、「どういう社会を善しとするか」 という大問題の答えを私(= 他人)なんぞに聞いてどうすんのよ。 皆さんどうかしてますぜ。 あなたが自分で考えるべき問題に決まってるでしょ。 あなたが苦労してください。 悩んでください。 

学会や講演会で思い付きの解決策を並べてみたところで、虚しいだけ。 政府や業界が今やっていることや計画していることを並べるだけなら、単なる業務説明だ。 プレゼン最後のスライドを 「All players in good harmony !」 だの、「さらなる産官学の連携が必要」 だのとゆるーくキレイに締めくくって聴衆に媚びたところで、何の意味もなかろう。

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老眼が進行し、もうどうにもならなくなってきた。 老眼鏡買わなきゃ。 でも老眼鏡って、なんて嬉しくない買い物なんだろう。 心底嬉しくない。 先週買った日立の炊飯器 (特価品1万円なり) ですら、これよりは嬉しい買い物だった気がする。

サル的なヒトは最近白髪も増えた。 もみあげに相当に白いモノが目立つようになり、ちょっと悲しい。 で、若干の抵抗を試みるため、鏡を見ながら、毛抜きを使って自分で白髪を抜こうとするのだが、哀れなことに1本1本の毛が老眼でよく見えないのだ。 うーむ。

これではどうしようもない。 仕方ないから、家人の機嫌の良さそうな時を見計らって 「あのさ、悪いんだけど、もみあげに生えている白髪抜いてくれる?」 と頼んでみたのである。

「ん? あぁ、いいわよ」 と無造作に毛抜きをつかんだ家人。 「ちょっとそこにしゃがんで。 あ、動かないで。 じっとしててよ ・・・」 と明らかに面倒くさそうだが、しかし、まぁ一応は協力してくれるわけだ。

家人 「あぁ、これね。 抜けばいいのね」 ・・・ ブチ ブチッ
サル 「ひーっ! 痛い、痛いよっ」 
家人 「ほら、抜けた」
サル 「・・・ ひ、ひどいよ。 ブチッじゃなくて、ブチブチッて音がしたぢゃあないか。 黒い毛が一緒に抜けてるよ、もうっ。 今度はちゃんと白髪だけ抜いてよ」
家人 「はいはい、わかったわかった。 うるさいサルだね、あんた」 ・・・ ブチ ブチ ブチッ
サル 「うぎゃー!! 今度はもっと何本も黒いのが抜けてる! お前、オレになんか恨みでもあんのか!?」
家人 「だって、仕方ないでしょ。 老眼のせいで白髪なんか全然見えてないんだから
サル 「 ・・・ ・・・ orz 」

・・・ 絶望的なまでに脱力感あふれる老老介護の将来像を予感させる秋の日々である。 本当のじいさん・ばあさんになった時が恐ろしい。

理屈っぽいことを書くのが面倒だから、今日のブログはこんなもんで良かろう。 皆さんもしっかり勉強して、しっかり遊んで、しっかり食べて、楽しい秋の日をお過ごしください。