小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

トランプに票を投じるヒト

「ふー、疲れた」 と呟きながらオフィスを出た夜10時。 いつものように医学部前の広場をトボトボと歩いていたら、ベンチの上に何かが置いてある。 ムムっ、何だろうと思って近づいたら ・・・ 黄色い、小さな長靴 が片方。

なんでチビッ子ってこうも懲りずに靴を落とすのだろう (笑)。 新橋とかで飲んだくれてる酔っ払いのオッサンも財布とか鞄とかいろんなモノを落とすけど、靴はなかなか落とさないよね。 フフフ ・・・などと愉快になったりする。 そういえば今朝の NHK のあさいちに、「雨なんか1ミリも降っとりゃせんのに、うちの子は 『長靴履きたい、長靴履きたい』 って騒ぎよる」 と嘆くお母さんが出演してたっけ。 

翌朝、ベンチをのぞいたら黄色い長靴はなかったから、無事誰かが回収した模様。 よかったよかった。 戻って来た長靴を履いて  ♪ あるこう あるこう あたしはげんきぃ ♪ などとご機嫌に歌いながら散歩するチビッ子を想像するだけで、幸せな気分になれる。 ホント安上がりな自分。

 

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と、今日はほのぼのした雰囲気で始まったサル的日記。 皆さんお元気? 「今回はほのぼの回なのね」 と思うかもしれんが、違うのだ。 申し訳ないが殺伐としてるのだ。 正確に言うと、30分前まではほのぼのしてたのに、今は殺伐としているのである。 Amazon のせいで。

Amazonワンクリック詐欺」 って耳にしたことがある人も多かろう。 読者の中にも被害者がおられるだろうと推察する。 Amazon で何かを買うときに、支払い方法とか、送付先の選択とか、何回かクリックを求められますよね。 そのどこかの段階で、いつの間にか「Amazon Prime」に入ったことにされてしまう。 むろん無料サービスなどではない。 顧客の口座から毎月の料金をいきなり引っこ抜きやがるのである。

立派な詐欺 だろ、これ。

届いたメールに運良く気付いたからよかったようなものの、Amazon の野郎、気付かなかったら、この貧乏ザルから毎月数百円をふんだくるつもりだったらしい。 ふざけやがって。

実はこのワンクリック詐欺に引っかかったのは初めてではない。 二度目である。 以前も今回と同様に、まったく覚えがないのに勝手に会員にされてしまった。

怒りの抗議の電話をかけようと思ってもあいつらズルいから電話の窓口がないのな。 だから、激怒しながらも、入った記憶のまったくない Prime の解約という、気が狂ったような作業を強いられるのだが、これがまた面倒くさいのよ クリックごとにいろんな分岐があって、結局5回くらい選択肢を正しくクリックしないと解約できないのである。 心理学的な理論を踏まえての、脱会をとどまらせるための手法なんてものが使われているんだろうな。 「お年寄りだろうとなんだろうと、むしり取れるものはむしり取れ」 なんて教えそうなビジネススクール系の薄っぺらいやつらのやりそうなことである。 くそくらえ。

 

醜いぞ、Amazon

消費者だまして恥ずかしくないのか。

 

最近テレビのコマーシャルで会社のイメージアップを図ろうとしているが、結局おまえらの本質はグローバル規模の詐欺師集団そのものじゃねーか。

国民生活センターに報告はしたものの、Amazon のこのワンクリック詐欺って何年も前から知られていて(ググってみてください。 何件も怒りの告発があります。)、すでに何百件 (何千件?) も報告されているはずだから、お上は本気で対応する気はないのだろうな。 確かにニポンのお役人が Amazon の弁護士連中に勝てるとも思えんが、しかし、経産省消費者庁の皆さん、ちょっとやる気を出してはもらえませんか。 応援します。

 

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アメリカ大統領選挙。 トランプ氏に票を投じた人たちが7000万人もいましたね。 実はサル的なヒトも 「いったいどんなバカがトランプに票を入れたんだよ?」 と半笑いで高みの見物をしていたのである。

が、Amazon の件でイライラしていたときに、ふと気づいた。 気付いたというよりもストンと腑に落ちたのである。

 

あ、オレだ。

オレのようなヤツがトランプに投票するんだ、と。

 

抜け目なく頭のいいヤツらが、貧乏人からむしり取れるだけむしり取る今の巨大・グローバルビジネス。 都会の超高級マンションに住む連中が手を汚さずに大儲けしてやがる。 今のネットビジネスや金融・投資ビジネスって鵺 (ぬえ) のようなものだから、貧乏人がひどい目にあっても、苦情を言うべき窓口がない。 メールなんて平気で無視される(経験ずみ)。 実店舗がないと店員もいないから、泣きついたり、八つ当たりする先もない。 理不尽な目に遭わされて怒りのこぶしを振り上げたとしても、ビジネス界の奴らを (逮捕されること覚悟で) 殴りつけることすらできない。

そんな絶望的な閉塞感を持った人たちが、最後の切り札のような感覚でトランプを支持するのはむしろ当然である。 「ゼニカネや情報を右から左に動かすだけのマネーゲームで大儲けして、貧乏人から手の届かないところですました顔をしているあの金持ち連中に鉄槌を下してはくれまいか。 できれば地獄に叩き落してはくれまいか」 と心の底から願う気持ち。

トランプが救世主などであろうはずがない。 が、しかし、救世主を求める気持ちは腑に落ちた。 今の民主主義の仕組みと、そういう昏 (くら) い激情が結び付くと、アメリカのようなことが起きるに決まってる。 だいぶ前から、当然のように同じことが日本でも起きているよね。 たとえばいわゆるB層がらみの話。 ため息しか出てこない。

 

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ファイザーのワクチンの記事の件。 今の新聞社やメディアには日本語を母国語にするニポン人がいないのだろうか。 医学・薬学の専門知識の問題ではない。 日本語が書けない人たちばかり。

「発症を防ぐ有効性が90%以上であった」

「有効率が90%を超えたワクチン」 

「ワクチンの効果9割超に」

などと記事にしているが、これらの見出しや文の日本語の意味、まったく分からんぞ。 何が言いたいんだ、おまえら? 記者さんたちも、自分の書いていることを理解してないでしょ? こんな日本語を書いて恥ずかしくないの?

もっとも、これってメディア・記者さんだけの問題ではない。 このサル的日記で100回くらい繰り返し指摘しているとおり、 「有効性」 とか 「薬が効く」 とかの (意味論的な) 意味がまったく不明であるという事実を無視しているから、こういう文章が世の中に蔓延することになる。 情けないとしかいいようがない。 

これが今の日本のメディア、そして、れぎゅらとりーさいえんすとやらのレベル。 またもや出るのはため息ばかり。

 

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ため息ついていると悲しくなるから、こういう素晴らしい本でも買ってしまおう。 「猫と東大」。 駒場にたくさん住んでいたぬこたちのことが盛大に書いてあって、2200円。 超お買い得ですよ。 あ、でも Amazon の下のリンクからは買うなよ。 近所の本屋さんで買おう。 

猫と東大。:猫を愛し、猫に学ぶ

猫と東大。:猫を愛し、猫に学ぶ

  • 発売日: 2020/11/10
  • メディア: 単行本
 

 さっそく今日(11月10日)、東大生協に駆け込んで、

「おねいさん、この本なのです! この本、ください!」

と書籍部のおねいさんにおおきな声で言ったら、「ごめんなさい、その本、明日にならないと入荷しないんです」 とのこと。 ちょっと涙目になってトボトボとオフィスに戻ったサル的なヒト。

またため息が ・・・