小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

英語ではお漏らしもできない


ちっきしょーっ! \(*`∧´)/ ムッキー!!

わっかんねえんだよ! 
アデルの言ってることが、何一つ、分かんねぇんだよ!

何回聞いても 「マジ、ちびっちゃったわ ( I shit myself )」 が聞き取れねーんだよ!

ばっかやろー!

・・・ となぜか激怒しているサル的なヒト。 そうなのである。 私は、留学経験者であるにもかかわらず、英語が聞き取れない。 最近、頭と耳が悪くなってきて、ますますそのことを明確に自覚するようになった。

読者の中には英語が得意な人も苦手な人もおられようが、ある程度のレベルに達したヒトでも、どこかに弱点があるでしょ? 「こういう外人は苦手なんだよなぁ」 といったタイプがあるでしょ? 私の場合は、次のような状況での英語がまったくダメである。 たぶん、私に同意してくれる日本人が 680万人くらいはいるはずだ。

(1) 若いにーちゃん・ねーちゃんの早口英語
(2) イギリス人の英語
(3) テレカン・スカイプの英語
(4) インド人の話す英語

十代前半から二十代くらいの若い native のにーちゃん・ねーちゃんの早口英語は、もう絶望的なくらい聞き取れない。 あいつらには惻隠の情とかが無いから、英語が聞き取れないかわいそうなアジア人のおじさんに配慮なんかまったくしないからな。 like, .., like, ... と文をズタズタにするのも許せん。 

ちなみに、それよりもずっと若いチビッ子の英語は聞き取れるのである。 昔ボストンに住んでいたころ、娘のお誕生日パーティに来た Anne (ぇぁん と発音する)が、' You forgot something really important ! ' とケーキの登場が遅いことを早口で抗議しに来たのだが、そういう英語は分かるのである。 Nursery School での子供の会話、お母さんたちの会話はたいてい分かったぞ、どうだっ ・・・ って、あんた、大学の先生がそんなレベルで威張ってどうすんだ。

もう一つ、私が決定的にダメなのがイギリス英語。 なんか音がプスプスと漏れているというか、炸裂音だらけというか、母音が短いというか。 これも昔、ハーバードの女性教授の講義が聞き取れず (最初は、彼女の話しているのが英語とすら認識できなかった)、「このヒト、きっと英語の苦手なフランス人なんだろうな」 と思ったら、その先生は大英帝国のご出身であると講義の後で教えられて、ショックを受けたことがあったっけ。

(1)と(2)が合わさると、それはもう地獄の沙汰である。 そして、それがアデルなのだ。 皆さん、アデルさんは知ってるよね?

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先月号の English Journal にアデルのインタビューの音声があったので、久しぶりに英語を refurbish してやろうと思って聞いてみたら ・・・ まったく聞き取れない。 冗談抜きで一言も聞き取れない。 英語であることすら分からない。 「アタシさ、もう漏らしそうになったのよ、アハハ」 なんてことを楽しそうにベラベラしゃべっているのだが、文中に shit myself が存在していることが 100回くらい聞いても (ホントに聞いたのよ) まったく分からない。 この絶望感。 お、オラ、イギリスに行ったら、うんち漏らす資格すらないサルなのか ・・・

(3)のテレカン、スカイプの苦手な人はたくさんいるはず。 音が悪いととたんにダメになる。 テレカンの何時間か、各国からの参加者が何を話しているのかほぼまったく分からないままに参加を強いられ、最初と最後だけ挨拶をさせられるのって、相当に屈辱的ですよね。 死にたくなるよね。 製薬業界にいる米国人や英国人は、この屈辱感を味わうことなく一生を終えるのだから、これを特権と呼ばずしてなんと呼ぶ。 あんたら外人さんも夏目漱石センセイくらいは読んで、日本語が分からない屈辱感を味わってみろってーの。 小野センセのサル的日記でもいいぞ。

(4)のインド人の英語も音の区切りがつかないし、早いし、大変である。 でも、むろんこうした印象をあまりに一般化してはいけないこともよく分かっている。 かつての友人にインド人の医師がいたのだが、彼の話す英語は、日本人英語よりも私の耳にやさしかったし、また、忍耐強くこっちの話も聞いてくれるので、会話が弾んだものである。

CNN英語、ABCやNBCのニュース英語は完璧に聞けるのに、日常会話がまったく聞き取れない僕のようなサル的なニポン人って、実は相当に多いらしい。 TOEFLTOEIC といったお行儀のよい英語テストではほぼ満点をたたき出せるのに、アデルの英語は一言も聞き取れない。

いや、だからどうにかしてくれ、と泣き言を言っても仕方がないのだが、まぁ同病相憐れむってことで。

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いやはや、今月は忙しかった。 大学の講義、企業の無料出張講義、大学の用務、学生の論文直し、投稿、飲み会、歯医者、月刊薬事の新連載の原稿書き、そして来るべき新年度のレギュラーコースの企画と準備。

無料出張講義を受けていただいた代々木あたりのG社の皆さん、品川あたりのDS社の皆さん、10回の講義お疲れ様でした。 どうですか、面白かったですか? 私の講義の質が高いか低いかは皆さんに判断してもらうしかないのだが、「医薬品を軸に据えて、倫理、経済学、ゲーム理論、論理学、数学、歴史、哲学、言語学統計学といった 『リベラルアーツ (教養)』 の入口を、いい塩梅のレベルできちんと紹介できる」 講師は、日本にはそう多くはいないと思います。 自画自賛(笑)

業界系のシンポやれぎゅら○りーさいえんす関係の学会で繰り広げられる、製薬業界やお上のスタンスについての押しつけがましい講演に飽きてしまったり、嫌気がさしている方々。 私の講義は、業界の常識やお上の政策を学ぶことなんぞ前提にも目的にもしていないから、面白いよ。 にもかかわらず、薬の研究開発、承認審査、市販後の安全性、(いわゆる)リスクベネフィット評価の例示が豊富だから、仕事の役に立ちますよ。 たぶん。

あとね、いまどき珍しく、完全無料だよ。 謝金、礼金、寄付金の類は一切いただきません。 あ、でも、私にも養うべき家族がいるので、行き帰りの地下鉄の料金だけはよろしくね。 出張講義だから、私が皆さんのオフィスまで直接行きますよ。 大阪、地方でもOKですよ。

れぎゅらと○ーさいえんすなどといった浮ついた流行 fad ではなく、ちゃんとした正統的学問の価値を一人でも多くのヒトに分かって頂くための、いわば知の伝道師になりたいのです。 伝道師が謝金取ったらいかんよな。 だから当然、無料。

興味のある方は、お気軽に大学の私の研究室 (ホームページにアドレスあります) に直接コンタクトしてくださいね。 お待ちしてますよ。