小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

変な足し算をしない

少しずつ暖かくなってきたね。 皆さんお元気?

 

私の方は、学食にカツカレーを食べる気満々で行ったのに、カツカレーが無くて、代わりにから揚げカレーなるものがあって、仕方なしにから揚げカレーを食べたのだけど、なんか謀(はか)られた気分になったりする日々を送っています。 久しぶりにブログ書くので、文章長すぎ(笑)。 これではまるで小学生の夏休みの日記だ。

いや、ややこしいことを言いたいわけではない。 

カツカレー: 1+1=3

から揚げカレー: 1+1=1.8

というよく知られた公式を紹介したいだけである。 ・・・ え、何のことか分からない? じゃあ仕方ない。 説明するか。

カツカレーは相乗効果を生むよね。 サクサクに揚がったトンカツにカレー汁がかかると両者が化学反応を起こして、より旨くなる(1+1=3)。 一方、から揚げカレーはそうはいかないのである。 もともとから揚げは単独で芳ばしく美味しいのだが、それがカレー汁に浸ると単なるカレー味の鶏肉の塊になってしまうのよ。 カレーもから揚げもどちらもサイコーに旨いのに、一緒にすると良さを打ち消し合ってしまう(1+1=1.8)。

たとえるなら、長澤まさみ綾瀬はるかが同じ映画でダブル主役を演じてるようなものである。 分かってもらえるだろうか。 

でも今日は、から揚げカレーしか売ってないのだから仕方ない。 カレーの上に鎮座してるから揚げを白ご飯の方に移動して、から揚げ単体のおかずとして食べる。 そりゃフツーにうまいのである。

から揚げカレー(改): 1+1=2

の公式までは盛り返しましたね、自分。 むふっ (フリーレンが自慢するときのように)。

 

・・・というような日々である。

 

*****

 

最近、買った本を紹介していないので、いくつか挙げておきます。 うちの学生に向けての業務連絡でもある。 きちんと本を買いなさい。

 

「論文の書き方」本、「研究の仕方」本は世の中に結構たくさん出ているのだが、小熊先生のこの本はとても良いです。 もっと早く学生に勧めておけばよかった。 実際の講義をまとめた本らしいので、読んでいて楽しいっす。 

医薬品の開発・規制・産業論の研究って、いわゆる理科系の研究ではありません。 社会科学です。 薬学部や医学部や工学部や農学部や理学部の皆さんの中には、結構自信満々に 「私は理系で、かつ、製薬企業・規制当局で社会経験を積んでます。 だから私は研究できますっ!」 などと言いながら、いわゆる「れぎゅらとりーさいえんす」関連の研究室にやってくる人たちがいるのだが、その手の人たちって単純に我々のやっていることを知らないのである。 そういう人たちに 「まぁ餅つけ。 まずはこれを読んでみて」 と手渡すのにちょうど良い本である。

 

因果推論の本も最近たくさん出ているのだけど、この本は読みやすさ(読ませるための工夫)がダントツです。 「ですます」だし。 初学者にイメージを掴ませるための図が秀逸。 あと、いちいち(シンプルな)回帰分析の文脈に戻って、そこからの違いを解説してくれているのも良いです。 伝統的な統計学で知識が終わっている方々(製薬企業のおじさん・おばさんたち)に「最近の学生はこういう感じの統計学を学んでいるのよ」 ということを知ってもらうためにも、お勧めです。

ただ、ある程度の知識がある学生(たとえば一応は何冊か因果推論の入門的教科書を読んだことのある学生)は、説明がちょっとくどいと感じるかも。

 

医薬品開発の倫理の講義をたまにするので、この手の新書が出たら必ず買うのだけど、森村先生の解説はいつも率直なので楽しい。 ところどころに「私はその部分は知りません」「そこは別の本を読んでください」 といった記載があって、なおさらに信頼がおけるというか。 最近の倫理本の流行(ロールズやサンデルの政治哲学寄りの内容)に対する批判的なコメントもはっきりしていて(僕のような素人にもよく分かる書き方で)、とても読みやすかったです。

 

最近よく知られるようになった 「福田村事件」のノンフィクション。 関東大震災の時のデマ(外国人が暴動を起こしている)を信じて、興奮した野田・柏あたりの住民が香川の薬売り行商人を集団虐殺してしまった事件の詳細である。

読んでいてとてもしんどい。 しんどいが、しかし、読まねばならぬ。 少し前に映画にもなりました。 「私たちはこの事実から目をそむけてはいけない。 もし記憶しなければ、僕たちはまた同じ過ちをくりかえす by 森達也監督」 の帯が重い。 実際、世界中で同じ過ちが繰り返されてる。 私たちはとても愚かで、要はバカなのだ。

 

ギャラリーフェイク最新巻、発売中。 お買い忘れなく。

 

*****

 

というわけで今日はここまで。

最近ものぐさになってしまい、つい 「twitter にごにょごにょ書いてしまえば、ブログに長い文を書かなくてもいいじゃないか」 などと思うようになってしまった。 かつては 「わしゃ、twitter は嫌いじゃ! あんなに短文じゃ何も伝わらん」 と力んでいた自分なのに。 文明は人をダメにする。

しかし、そんなふうにダメになったサル的なヒトでよければ、twitter の方もご覧ください。 最近はイライラしてるので、結構理屈っぽいこともそっちで書いてしまっている。 twitter では、僕が読んでほしいと思うような読み方をしてくれる人はほとんどいないだろうし、伝えたい理屈やメッセージもろくに伝わらんだろうなぁと分かってはいるんだけど。

じゃ、またね。

 

もうすぐ桜の季節。 今年も「桜らららら」の情景を思い浮かべる。

 

♪ 風に呼ばれて 振り向く君を

僕は少し妬ましく 見守り続ける

この手に摘んだら 融けてしまうね

魔法使いの夢のように 君はあどけなくて

さくら さくら ららららら さくら

さくら さくら ららららら さくら

早く僕にきづいておくれ さくら さくら

らららら