小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

咳にならずにいられない

4年ぶりに大風邪をひいてしまいましたよ。 死にそう。 

コロナがあんなことになって以来、手洗い、うがい、マスク、人混みには極力行かない ・・・ で、本格的な風邪には一度もかかってなかった。それまでの人生、毎年1回や2回は風邪ひいて寝込んでいた。 4年間一度も風邪をひかなかったなんて人生初で、「あぁ、風邪って防げるんだ・・」と感心してたのである。 が、油断してたらついにやられちゃった。 もはや誰もが楽しく飛沫を噴射しまくってるご時世なので、どこで風邪をもらっちゃったかは分からない。 学食か地下鉄かって気はするけど。

発熱外来で 「コロナ・インフルではありませんよ。 よかったですねぇ」 と診断されたが、いや、こっちはそこがポイントじゃないのだ。 

夜、一ミリも眠れない(現在進行形)。 寝ると咳が出るのである。 うとうと・・と安息の睡眠に落ちかけたその瞬間、気道に浸出してるネバネバした少量の黄色い痰が「イガイガ」し始めやがる。 と、即座に身体の忠実な防衛隊(咳中枢)が反応し、すごい勢いで咳が出始める。 

「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ、・・・ 」と数分間苦悶。 すっきり切れる類の痰ではないから、いくら咳をしてもまったく楽にならん。 で、そのうち、喉の奥に貼りついた痰の野郎が嘔吐反射を引き起こし、「・・お、おぇー・・」 とえづいてしまう。 危険すぎてとても横になってられる状況ではない。 涙目になりながら身体を起し、灯りを点け、ティッシュで目、鼻、口から出てるいろいろな汁(笑)をふき取り、ふぅーとため息をつく。 時刻を確認する。 まだまったく睡眠してないぞ、自分。 が、眠ろうとすると咳が出る。

昔の映画「エルム街の悪夢」 で「眠ると怖い怪物(フレディ)が夢の中で出てくるので、決して眠ってはいけない」っていうのがあったが、まぁ、それとほぼ同じ状況ですね。 

横になると咳が出やすいので、座った姿勢のままでの睡眠を何度か試みたが、結果は同じ。 座ったままでも、うとうとしたその瞬間に猛烈な咳が出始める。 自律神経おそるべし。

「ちゃんと薬飲んだら?」 って? はい、私も薬のプロである。 過去40年、「咳」「痰」 の効能・効果を有する医療用・一般用の薬剤(麻薬、漢方薬を含む)ほぼすべて試してきましたよ。 でもダメなのよ。この悲惨な状態にあるときに効く薬はありません(断言)。

 

眠るのが怖い。 マジで怖い。 仕方ないので、夜中ずっと、小説読んだり、マンガ読んだり、ラジオ聴いたりすることになる。 途中でふと 「もう、寝れるんじゃないか?」 などと甘い期待を抱いて横になると ・・・ 数分後にはべっとり痰と咳がフレディみたいに襲い掛かってくる。 うぎゃーー!

 

・・・ というわけで皆さんお元気ですか。 こういう状況が2週間くらい続いているので、サル的なヒトはほぼ死んでいます。 建設的なことや愉快なことは何一つ考えられないので、そもそも僕に話しかけてこないように。 ややこしいメールとかも送ってこないように。

 

そんなときにブログを書くというのも意味不明なのだけど、そうした深夜の格闘の中で戦友になってくれたラジオ番組やお話の中でいいものを見つけたのでいくつかご紹介。 というか、そのくらいのことしか書けん。

 

小難しくない、ワクワクする宇宙モノのSFを読んだのは久しぶり。

映像が思い浮かぶことを念頭においた分かりやすい文体なので、ページをめくる手が進むこと進むこと。 このくらいの速さで位相論のテキストが読めればいいのに、と何度も深いため息をつく。 翻訳がうまいのですね。

ネタばれ厳禁だろうから内容については語りませんが、深夜、咳が止まらず、呼吸困難で死にそうになってるおじさんでもどんどん先が読める素晴らしいSFであることは保証します。 お正月にぜひどうぞ。

あ、ライアン・ゴスリング主演で映画も撮影中みたいよ。 例のあいつがどんな姿でスクリーンに登場するのか、楽しみ。

 

咳が出て、身体を起して、しばらく読書して、ラジオを聴いて、また寝ようとして、咳が出て ・・・ を数十ラウンド繰り返してると朝が来る。 ぼーっとした頭で昨晩聴いた曲の中にいくつか素晴らしいのがあったよなぁ・・・などと思い出してみた。

 

ああ、そういえば昨晩の3時過ぎに、ラジオ深夜便NHK)でこんな懐かしい曲が流れてたっけ。 作詞家 松井五郎さんの特集。 「好きにならずにいられない」。

 


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♪ 好きにならずにいられない

高鳴る胸 忘れられない

好きにならずにいられない

誰のためにする恋じゃないもの ♪

 

歌詞の日本語がすばらしいなぁ。 風邪で死にかけているおじさんも恋をしていいじゃないかとすら思えてくる ・・ いや、そんな恋は誰にとっても迷惑である。

 

で、同じくらいの時間帯のTBSラジオでこんな曲が。 「トランジスタレディオ」by SUKEROQUE。

 


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素晴らしすぎて、しばらく脱力してしまいましたよ。 数十年前の、RCサクセションの「トランジスタ・ラジオ」と、aiko の「ラジオ」 と、加えて崎谷健次郎の「もう一度夜をとめて」 といった曲に対してのすぐれた今風な返歌になってるよなぁ、これ、と思う。  

ほら、ブログ読者の昭和・平成なおじさん・おばさんたち、身構えないでこの曲ちょっと聞いてみて ・・・ ね、いいでしょ。 遠い目になっちゃうでしょ? いろんなことを思い出しちゃうでしょ? しっくりくる心の置き所がなくて悶々としてるのは若者もおっさんも同じである。 そして、それはいつの時代も同じ。

 

*****

 

というわけで、今回はここまで。 というか、年内はこれで終了か。 たぶん。

皆さんは私のような悲惨な目に遭わぬよう、マスク、手洗い、人混みの回避・・がんばってくださいね。 咳止めや痰切りの処方薬の在庫が薬局に不足してるのも、今回身をもって体験しましたよ。 何軒も薬局を渡り歩かされた。 どうにもならんし、早急になんとかしてほしいのだけど、今我々が潜在的に直面している医療の危機の本質はこんなもんじゃないよな。 近い将来、もし仮に皆保険が本格的に壊れるとすれば、そのときの軋み音はこんなものじゃないのだろうなぁ、とも思う。

 

来年もがんばって生き延びていこうね。 じゃまた。