小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

少数派で何が悪い?と開き直ってみる

昔から、何かにつけ少数派の側にまわる・まわされることが多いと自覚している。 少数派は分布の両側、両端にいる。 言うまでもなく、カッコイイ人、人類の宝、優れた才能を持ったヒト、マスメディアがチヤホヤ・・・といった世の羨望を集める方の少数派には私は属さない。 そうではない方の少数派、つまり、異分子、いじめられっ子、シカトされっ子、顔がサル的、憎まれ口たたき屋・・・といった側にいる少数派だ。 

とある大学の友人と話をしたときに「俺たちは気がつくといつも野党の側にいるよなぁ。 ハハハ・・・」と笑ったことがあったが、それを人間として誇らしく思う。 学者としては、野党精神は、むしろ当然の姿勢ともいえる。 主流の学説、多数派の見解を「学説のとおりでございました」「皆さまの言うとおりでございました」と支持するだけの研究者なんて、かなり淋しい。

で、今日は、私の感覚(というかサル的な野性の本能)が正しかったことが過去の統計データで明らかになった話。

このブログでしつこく書いている「あんたら、ホームレスやら、大変な思いをしている貧乏人やらに冷たいぞ! 冷たすぎるぞ!」の件。 裏付けとなるかもしれないデータをハケーーン。 いろいろなサイトでもう何度も紹介されているから、新しいネタではありません。

2007年に米国のシンクタンク (Pew Research Center | Nonpartisan, non-advocacy public opinion polling and demographic research) が47カ国の人たちを対象に実施した調査がある。
World Publics Welcome Global Trade — But Not Immigration | Pew Research Center

「あなたは、自分では生活ができないとても貧しい人たちを、政府が面倒をみる責任があると思いますか?」という質問に対する回答が下の図。 他の国々の人たちと比べて、日本人は、政府が貧乏人を救うべきと答えたヒトの割合が明らかに少ない。 47カ国中の最下位である。

もちろん、この質問は貧困者対策における政府の役割を問うもので、私の問題意識(貧乏人に対する「情」、ね。)に対応したものではない。 でも、こうした貧困の問題に対する民間(企業、NPO、等々)の役割が、他の(先進)国に比べて日本で大きいという話を聴いたことがないので(間違っていたらご指摘ください)、「政府以外のやさしい組織や人々が、貧乏人を救ってくれるはず」という期待からこうした回答状況になっているわけではあるまい。

とすると、日本人の「貧乏? そんなのね、自業自得。 自助努力しろよ」的なマインドが見え隠れした結果のように思うのです。 違うかな?

私は、言うまでもなく、「とても貧しい人の面倒をみるのは政府の責任」に全く同意する少数派の15%の日本人だ。 「大体同意」まで入れると、少数派ではないことにやや安心するが。

ところで、この手のアンケートをとると、ニッポン(人)って、集計結果の端っこの方にくる変わった国(人々)であることが強調されることが多い。 先日紹介したNewsweek誌(日本版. 2012.4.18号)でも、先進国を中心に59カ国に国際競争力に関する調査(スイスのビジネススクールIMDが実施)をした結果が載っていた。 次のとおり。

  • 上級管理職の国際経験  日本は54位
  • 企業のニーズに見合った語学力  日本は58位
  • 管理職の企業家精神  日本は59位 (最下位ね)
  • 仕事への意欲の高さ  日本は15位 (微妙なところである(笑))
  • 優秀な外国人労働者にとっての魅力度  日本は44位

ニッポンが世界の少数派、端っこにあるのならば、そのニッポンの端っこの少数派である僕は、むしろ世界ではど真ん中にいる主流派なのだ、とも推察される。 ワッハッハッハッ、どんなもんだい。

・・・
・・・ いや、いいんすよ。 推論の欠陥くらいわかってますって。 少数派には両側あるって話でしょ?  端っこの端っこで、ワールドチャンピオンクラスのどうにもならない端っこのヒトである可能性の方が高いことくらい・・・