小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

人生をより低迷させる

暑い ・・・ と書いても書かなくても、暑いのだから、これ以上書くまい。 「書」という字と「暑」という字、じっと見ていると、なんか似ている。

文字って、じーーっと見てると、「ん? これってなんていう文字だっけ? ・・いや、そもそもこれはなんの記号だったっけ?」と、まるで急性の認知症のような状態になったり、小学生でも書ける漢字が急に書けなくなったりする。 ゲシュタルト崩壊といわれる現象ですね。 「傷」とか「借」とか「粉」とかがゲシュタルト崩壊しやすい漢字らしい。 実験するとすぐに体験できるけど、実験中にめまいがしたり、気分が悪くなったりすることがあるから、気をつけてね。 

しかし、そもそも、新薬の研究開発に携わっている優秀な方々が、勤務時間中に、例えば

「傷」

という字をじーーっと見つめて、ゲシュタルト崩壊の実験をしたりしていては、いけないような気がする。 なぜだかはわからないんだけど。 管理職の皆さん、あなたの部下が、パソコン画面上にある 「傷」 という字をじーーっと見つめて、「うへへへ、うへへへ」とか呟いているようなら、その方の私生活上のトラブルをちょっと気にかけてあげた方がよいかもしれません。

THE BIG ISSUEという雑誌がある。 300円なり。 都会の交差点で、ホームレスのおにいさん・おじさんが販売している雑誌である。 毎月1日、15日の2回発売。 BIGISSUE日本版

都会人はだいたいこの雑誌のことは知っていますよね。 でも、ホームレスのおじさんに声をかけて最初の1冊目を買う勇気があるヒトは、実はそれほど多くはないのです。 まぁ四の五の言わずに、最初の一冊目を買ってみましょう。 結構面白いんですよ、これが。

おすすめ記事は、ホームレス人生相談。 人生経験豊富なホームレスのおじさんが、人生のトラブルに関して実に適切な、そして優しい回答をしてくれる。 キャッチコピーは「下から目線の人生相談」(笑) そうだよね。 私のこのブログを含め、上から目線の、エラそうな御託宣ばかりがあふれていて、皆が辟易している今、下から目線・路上から目線は、貴重である。 料理研究家 枝元なほみさんによる簡単料理のレシピ多数付き。 ぜひ購入してご一読を。 この本もホームレスのおじさんから買えます。

世界一あたたかい人生相談 (講談社文庫)

世界一あたたかい人生相談 (講談社文庫)

地面に近いところになんか安心感を感じるのは、ホームレスだけではない。 このおねーさんも頑張ってますよ。

野宿入門―ちょっと自由になる生き方 (草思社文庫)

野宿入門―ちょっと自由になる生き方 (草思社文庫)

著者 かとうちあき(女性)さんは、人生をより低迷させる旅コミ誌「野宿野郎」の編集長。 皆さんの中にも、若き日々に、新宿とか渋谷の路上で飲みつぶれて朝まで寝てしまった経験をお持ちの方もおられようが、それは結果としての野宿。 そうではなくて、その辺の路上で寝ること自体を目的 primary endpoint として野宿をするのが、野宿野郎たちである。(注) クールな奴らだぜ! 

(注: 追記の記事を読むと、この野宿解釈は肩に力が入りすぎのようである。 まだまだだな、俺・・・)

ちょっと想像してみればわかるが、その辺(その辺です。 上野公園のベンチとか、渋谷109の前の花壇とか)で野宿することって、そう簡単なことではないのです。 怖いし、痛いし、怒られるし、準備をちゃんとしないと辛いし。 でも楽しい・・・んだろうなぁ。

何よりも「人生をより低迷させる」のキャッチコピーに一発でやられてしまいましたよ、私は。 上昇志向の人たちしかいない環境って、疲れるよね。 サイコーなのは、心の自由ってやつですよ。

ということで、今日はユルユルの記事でした。 今日の記事のような内容の会話ができる友人が近くにいるあなたは、間違いなく、幸せです。


(追記)
・・・と、この記事を書いた直後に、産経新聞 web (2012.7.17)に「野宿野郎」と、かとうさんが出ているではないか! 引用します。

 そこで立ち上げたのが、「野宿野郎」だ。「野宿経験者100人へのアンケート」「トイレ野宿のすすめ」などのディープな企画が受け、創刊号はミニコミ誌としては異例の約2000部を完売。その後も新刊を出す度に完売が相次ぐなど根強い人気を誇っている。

 キャッチコピーは『人生をより低迷させる旅コミ誌』。「あらゆることを『これでいいのだ』と受け入れてしまうのが野宿。そのせいか、野宿をやり続けている人でいい感じに大成した人は一人も見たことがない」

 それでも、“トシ”や“世間体”に必要以上にとらわれないことの方が大切だ、とかとうさん。「野宿を学生や自由人の専売特許に留めておくのはもったいない」と、野宿の普及活動にいそしむ。

 「野宿入門」で提案するのは、「酔っぱらって終電を逃した」という消極的野宿から、「住んでるボロアパートが暑いから、近所の川っぺりで夕涼みがてら寝る」という“あえてする”積極的野宿まで。野宿を終え、朝が来る。太陽のまぶしさがうれしい。「朝が来ただけでうれしい。大人になるとそんなことなかなかない」。一歩踏み出すだけで、世界の見方は変わるのだ。