小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

ダメだ、こりゃ (by いかりや長介)

いつものことだが、現状 status quo を見もせずに、「ああすればよい」 「こうすればよい」と独りよがりの思いつきから話を始める人たちとお付き合いするのは、本当に疲れる。 若者だけではなく、私の世代(おじさん世代)や年配の世代(おじいさん世代)にも相変わらず結構いるのだ、こういう人たちが。

何度でも言おう。 これじゃ戦争負けるわ (笑)

私たち・あなたたち、すなわちおじさん・おじいさん世代が、「ああすればよい」 「こうすればよい」と何十年も言い続けてきた結果が、現在の姿です。 Made in Japan 新薬の減少、申請の形を整えるためだけの「なんちゃって第3相(国際共同)試験」の増加(ちなみに、用量を決める等の正味がある第2相試験は他国と比べるとほとんど増えていません)、そして何より、日本の若者を採用することもできなくなった日本の製薬企業。 日本の製薬企業で働いている人の数が見事に減っているのは、少し前にグラフで示したとおり。 うーむ。
話は永遠にかみ合わない - 小野俊介 サル的日記

この数十年、私たち日本の業界人は、このような姿を目指してきたのだろうか? そういうわけではあるまい。 いろいろなことが、思ったほどに、うまくいかなかったのだ。 にもかかわらず、我々おじさん・おじいさん世代は、自分たちがこれまでやってきたことを、まったく振り返らない。 D○Aや、なんとか学会や、なんとかシンポジウムで、おっさん・おじいさん世代の方々の失敗の弁、反省の弁、後悔の弁、そういった類の真摯な弁明を、一度でも聞いたことがありますか? 逆に「オレはこんなにすごい成果を挙げた」と自慢している方々ばかり。 おかしいなぁ。 そうした自慢のとおりなら、こんな状況にはなってないはずなんだけどなぁ。

反省だけならサルでもできるのに(この皮肉は古すぎてもう通じないか・・・)、情けないことである。

でもね、現状がどのくらい悲惨なのかすら把握せずに、「アレをやるべき」 「コレもやるべき」と言い続けるのは、おじさん・おじいさん世代の側に立てば、当然なんですよ。 だって、そうやってポジティブなファイティングポーズを取り続けているように見せ続けないと、「今の日本の苦境は、もしかしたら、あなたたち世代のせいではないのか?」と若い世代が気づき始めるおそれがあるから。 思い付きのアイデアや施策をまた繰り返して、また同じような under performance を繰り返して、しまいにはそのツケを次世代に負わせる。 年金の不安な状況と同じ構図。

さらにタチの悪い方々は「最近の若いモンにはやる気や向上心がない!」と捨て台詞吐いたりしてる。 「若いモンのやる気がわかない環境を作ったのは、そもそもがあんたらだろうが!」と言い返していいんですよ。 言い返さないから、増長するんですよ。 

蔓延している周回遅れのおじさんたち。 根性論を振りかざすだけのおじさんたち。 誰と何を競いあっているのかを理解できず、「偉大なるアメリカ様、私たちは、これからどういう戦略をとれば生き延びていけるのでしょうか?」と競争相手にアドバイスを求めているおめでたい方にも最近会った。

おじさん・おじいさん世代の皆様。 冷静になって考えると、我々は、とっとと身を引くのが良いのかもしれないと思います。 ただし、壮大な規模の『反省会』をやってから。 我々世代のやらかしてきた失策、無策、予想違い、見て見ぬふり、先送りを、若い世代に洗いざらい告白するのが、我々に課せられた義務だと思います。 

もちろん『反省会』は極東軍事裁判ぢゃないのだから、謝罪をする必要はありませんぜ、ダンナ。 予測不可能な不運や、日本の改善しようのないハンディキャップ(例: 国民が健康・幸せであること(笑)、人間の数が少ないこと)については、思う存分自己弁護し、言い訳をしましょう。 いや、皮肉ではなく。 真摯な告白・反省とセットならば、そうした自己弁護・言い訳には、告白・反省とまったく同様の価値があると思います。

『反省会』の司会進行役と最初の懺悔役、喜んでお引き受けします。 いつでも声をおかけください。