小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

レギュラーコース8期生の皆さん、お疲れ様でした

東大で開講している新薬開発のプロのための半年間の研修コース(レギュラーコース。RC)が、本日無事終了した。 RC8期生の皆様、半年間お疲れ様でした。 いつも申し上げているのだが、まだ肌寒い5月に始まって、真夏の暑い時期を忍耐で乗り越え、また寒い時期が来たら修了、である。 温暖化の進む北半球において今なお日本の四季を感じられるという点で、実にすばらしい研修である。

前にも書いたが、毎年度、RC受講生の集団としてのカラーが微妙に違うのが実に興味深い。 RC8期生の皆さんの特徴を簡単に言うと

「お行儀のよい反抗期」

という感じでしょうか。 講師に対する質問の内容、間の取り方や、講義の時間調整に対するオトナ的配慮は、素晴らしいものがありましたよね。 これまでの期の中で最高レベル。 特に一部の受講生が、多少無理しても、講師に対して適切な質問をきちんとしてくれたことには深く感謝しています。 一方、ディスカッション時に皆が多少なりとも気づいたと思うが、皆さん、自分のまわりで起きているいろいろなことに、心の中で反抗してますよね、実は。

私がディスカッションで、皆さんの業界の常識のリミッターをほんの少し外すと、実に義侠心に満ちた、反抗心溢れる、とんがったコメントが飛び出してくる(笑) 実に良いと思います。 これからの会社やPMDAを支える若手(or 気分的若手)はそうでなくてはいけません。 

毎年度、私たち企画者側もいろいろなことに気付かされるのだが、今日の修了パーティでのコメント 「講義を充実させた質問者には成績に加点すべきだ」 は確かに一理ある。 このサル的な人がサルのように信奉している(そりゃサルだからな)ハーバードでも、講義への貢献(質問、発言)はちゃんと点数として教師に採点されている。 特にビジネススクールではそれが主たる成績の要素になっていたりするわけだ。 来年度のRCで、質問加点をするとか、ベスト質問賞を作るとか ・・・ ちょっと考えてみますね。 

さて。

皆さんが参加したのは、いわば「お仕事がらみ」の研修である。 皆さんのビジネススキルを磨き、組織の生産性の向上とプロフェッショナルとしてのキャリアアップに貢献する、とかいった類の。 会社やPMDAが費用を負担し、皆さんを派遣したという意味でもそうであろう。

そういう表向きのカッコいい話はさておき、皆さん、今回のRCで、新しくお友達が何人かはできたでしょ? 同じグループだったり、別グループだったり。 年齢が上だったり、下だったり。 小野センセが出すわけのわからんディスカッションのテーマや意地悪なコメントに、かるーい殺意を共に覚えた社外の友だちができたでしょ? 皆さんの人生にとっては、「ビジネススキル」だの「キャリアアップ」だのより、そういう友人・戦友ができたことの方がずっと価値がありますよ。 私の経験上、自信を持ってそう断言できます。

もしかしたら、ここで得られた友人は、皆さんが仕事で大失敗をやらかして元気がない時、失業しそうな時、病気の時、離婚しそうな時、そういう人生の雨降りの日に、あなたの話をじっと聴いてくれる友人になるかもしれません。 仕事の利害を離れた学校的な環境って、そのような友人ができやすいのです。 これも経験上。 晴れの日の友だちも嬉しいが、雨降りの日の友だちはそれにも増して嬉しい。

半年間机を並べて勉強した友人との縁を大切に、ね。

あ、それから、言うまでもなく私自身も皆さんの雨降りの日の友だちになれますので、何かあったら遠慮なくコンタクトしてください。 霧雨くらいならば、サル的日記を読めば晴れるでしょう。 今日のような土砂降りのときは ・・・ コーヒーでも飲みながら、一緒にため息をつきましょうか。

私からの最終講義は、以上です。 お疲れ様でした。 薬学講堂に忘れ物をしないように、身の回りを確認して、お帰りください。

Good Luck !