小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

風邪をひかない

風邪をひいて寝込んでしまった。 季節の変わり目、ビタミンCなどをガバガバ飲んで用心していたのだが、やられてしまいましたよ。 皆さんは大丈夫?

私の風邪はまず喉から。 喉が微妙に脹れて、心なしか声が出しにくいぞ ・・・ と気づいたらもうその先は何をやってもダメである。 その先の豪華フルコースを味わうしかない。

風邪ウィルス様ご一行 豪華フルコース

<食前酒> 扁桃腺がパンパンに脹れて声がほぼ完全に出なくなる。
     ↓
<前菜> 乾いた咳が出始める。 透明な鼻水が出始める。 熱発。
     ↓
<メイン> 気管支がイガイガして黄色っぽい痰が絡む。 咳で夜ほとんど眠れない。 仕事中も就眠中も喉に痰がからんで嘔吐反射が起こり、吐きそうになる。←今ここ
     ↓
<デザート> 大量の青っ洟。 戦中戦後の貧しい子供はみんな青っ洟小僧だった。
     ↓
<プチフール> 咳のし過ぎで肋骨に激痛が走る。

重要な会議中にゲホゲホと咳をするのは実に申し訳ない。 さらに、あまりに咳がひどいとその最中に吐きそうになって 「おえっ」 となるのが私の弱点である。 本当に吐いたことはないが、人間としての機能がほぼ1、2分停止してしまい、ミジンコやミドリムシと同レベルの生命体になってしまう。 お役所の委員会なんぞで事務局をやっていた若造の頃は、

事務局員の若造ザル 「げほっ、げほっ、げほっ ・・・」
部会長 「小野さん、説明用の追加資料を委員の皆さんに配ってくれる?」
若造ザル 「ハイ。 ○○先生、資料どうぞ。 げほっ、げほっ、げほっ、・・・ お、おえっ ・・・ (と身体機能停止し立ちつくす)」
○○委員 「・・・ 小野さん、大丈夫?」
若造ザル 「・・・ だ、大丈夫っす。 ・・ コンコン、ゲホゲホ ・・・ う、うげっ ・・・ (と再度身体機能停止し立ちつくす)」

という阿鼻叫喚の地獄絵図寸前だったことが時々あった。 上田先生、ご迷惑をおかけしました。

私と同じ弱点をお持ちの方で、良い対応策を知っていたらぜひ教えてください。 ちなみにこういうひどい咳と痰には普通の薬はまったく効かない。 最後の砦は例の麻薬のみ (でも昼間に大量服用すると、咳は止まっても頭がボーっとして、いずれにせよサル的なヒトは使い物にならない)。 製薬企業さん、薬の開発ターゲットはまだまだ無数にありますよ。 画期的な去痰剤(笑)、お年寄りにはきっとバカ受けしますよ。

風邪症状のフルコース終了まで10日くらい。 その間はただオロオロと生きているだけの肉塊という表現がぴったりで、知的な作業は不可能である。 高度に洗練された文化的素養を持っておられるサル的日記読者の心の琴線に触れるブログの記事を書くことなど到底できるわけがないのだ。 本来ならば本日はセンのリベラルパラドクス以降の自由論の展開などを詳細に解説しようかと思っていたのだが、体調不良なので勘弁してほしい。 いやー、残念だ。

ここ数日、身の回りの人たちが次々に体調不良でダウンしており、マジでちょっとヤバい状況。 家人も私の風邪がうつってしまったらしく、寝込んでいる。 読者の皆さん、くれぐれもご注意を。

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クリント・イーストウッド監督の最新作 「Jersey Boys」、ご覧になりましたか? 素晴らしすぎて映画館で何度も涙がハラハラと。

文字どおり反吐を吐きそうになりながら (笑) 繰り返す虚しく情けない日々の現実が私自身の人生であることは疑いようのない事実だが、数々の映画が見せてくれる同時代の幸せな虚構だって私の人生の一部。 両者の間に本質的な境界線なんぞ無い。 

僕がヨイヨイのじいさんになって死ぬ頃にはきっと、シカゴでアル・カポネを退治した後のエリオット・ネスの「一杯やるさ」の満足(in The Untouchables)も、タンホイザーゲートでのCビームの思い出を雨に打たれながら語るロイ・バッティー(in Blade Runner)の諦念も、エイリアンに殺されかけて茫然自失で脱出艇に逃げ込んだリプリー一等航海士(in Alien) のしばしの安堵も、僕自身の些細だが素晴らしく大切な現実の思い出や経験と渾然一体となって区別なんかつかなくなるに違いない。

クリストファー・ウォーケンが地元の大物ヤクザの役で出ていて思わずニンマリ。 だってみんな知ってるディアハンター(The Deer Hunter)のニックなんだもん。 ラストシーン、"Here is to Nick." のニック。 覚えてるかな、ニックの結婚式の前の晩に飲み屋で男どもが大声でシャウトしてたのが、アレですよ、アレ。 あなたも知ってるあの曲。 

♪ I love you baby, and if it's quite all right I need you baby to warm a lonely night ....

時はベトナム戦争の真っただ中。 出征する若者を包む不穏な悲しみの予感と The Four Seasons の底抜けに明るいヒット曲のコントラスト。 う、う ・・ 思い出すだけでまた泣けてくる。

というわけで、今回も幸せなお話で走馬灯のネタを一つ増やしてくれたイーストウッド、そして The Four Seasons に感謝。 この曲を繰り返し聴きながら、「人の自由とは何か。 それはどこまで認められるべきか」 を社会選択論の教科書を読みつつ考える午後。