小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

夏あれこれ

多くの読者の皆さんは今週は夏休みだろうか。 帰省先からこのブログにアクセスしてくれている方々、こんなブログなんて読まなくていいから、頑張ってリアルな親孝行・親戚づきあいしてください。  休暇中はネットから逃げよう。 

サル的なヒトは東京でのんびり。 本日はトム・クルーズの例の映画を見たもんね。 あのオッサン、今回は飛んでる飛行機にむやみにぶら下がったり、バイクをむやみに傾けてコーナリングしたり、水中でむやみに息を止めすぎて死んだり。 相変わらず無茶しよる。 でも悪の組織とがんばって闘ったから、えらいぞ。

*****

この夏、僕はついにデビューしてしまいました。 ほら、あれですよ、あれ。 女がみんなしてるのに、男は決してしてはいけないと言われているヤツ。 このジェンダーフリー全盛の21世紀にあって、唯一残された社会的タブー。

日傘。

家人と一緒に外出する炎天下、ふざけて日傘に入れてもらったら驚くほど涼しいことは、何十年も前から知っていた。 体感で3度は違うのではなかろうか。 減少するオゾン層とともに強くなる殺人的太陽光線を封殺してくれる文明の利器。 人類4千年の歴史において上位5位には入る発明。 それが日傘であろう。

しかし、女子供が日傘を差すのと、おじさん・お兄さんが日傘を差すのは、根本的に何か意味が違うのだ。 

おじいさんは日傘を差しても良かろう。 「あれまぁ、前をヨボヨボと歩いているおじいさん、日傘を差してるわ。 こんだけ暑いと熱中症対策には日傘が一番ね。 感心、感心」 などとむしろ温かい視線が女性から向けられよう。 前髪の形やムダ毛の処理などに命を懸けている若者のにいちゃんが日傘を差していることも稀にある。 これも分かる気がするのよ。 若いピチピチの美しいお肌を守りたいと本気で思ったら、誰から何を言われようと直射日光を避けるべきである。 家人なんぞは、例えば嵐の松潤が直射日光を浴びていたら、自分のシミ・そばかすが増えたとしても横から自分の日傘を差し出しかねない勢いである。

問題は、そう、我々中年オヤジ世代である。 無数の皺に覆われ、たるみ、シミ・吹き出物で覆われ、汗と脂で常時テカテカしたお肌を持つ我々である。 首筋や腋の下からむやみに加齢臭を漂わせる我々である。 陽に当たらずともお肌がなぜかドス黒い我々である。 そんな我々中年オヤジが、日傘などという高貴な文明の利器を使う権利を有しているのであろうか。 そういった自然権的な考察以前に、元々小汚い中年男性の肌質を考えたら、日傘なんぞ無用の長物ではなかろうか。

・・・ などということを悩み続け、そして結論が出ることもなく、長い間日傘を差せなかったサル的なヒト。 しかし今年の猛暑は、そんな形而上・形而下の悠長な議論などもう許さぬところに達している。 というよりも、家人が
「ほれ、男性用の日傘買ってきてやったぞ。 3,000円もしたのだから、使うのよ」
と私の通勤カバンに黒い日傘を問答無用で放り込んでしまったのだ。

朝は 「いってきまーす」 と日傘を差して家を出る。 ちゃんと差しているかをチェックする家人の鋭い目を背後に感じつつ。 駅までの道すがら 「どうか近所の奥さん方と会いませんように」 と祈る。 知り合いの誰にも会わずに駅に着くとホッとする。 大学の最寄り駅から大学までは、同僚や秘書さんや学生の目が怖くて、まだ差したことはないのよ(笑)。 赤坂や銀座などでは、知り合いに会うことなんてないから、平気で差せるんだよね。 なんという小心者のサルなんだろう、自分。

でもね、ダンナ、日傘の効果は絶大ですぜ。 当たり前だけど、すごく涼しい。 健康オタクにとっては、有害な紫外線をカットしてDNA鎖を守っている感、癌を防いでいる感も大きいよ。 あとね、頭頂部の日焼けは、将来の毛髪量にも悪影響を及ぼすと思うよ。 だからさ、みんなで差そうよ、日傘。 恥ずかしがらないでさ。

というわけで 「日本男性日傘連盟 関東支部会」 は絶賛会員募集中である。 ・・・ た、たのむ。 オレ一人に日傘を差させないでくれ ・・・

*****

毎年恒例のこの時期の読書。 参考までに若い方に読みやすい有名どころを何冊か挙げておきますね。

こうの史代.「この世界の片隅に」(双葉社 マンガだからすぐ読める。 名作ですよ。 

この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)

この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)

何度も紹介するけど、8年前に映画化された 「夕凪の街 桜の国」(双葉社 も名作。
夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)

夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)

山本七平.「日本はなぜ敗れるのか」(角川oneテーマ21)。 これもトヨタ社長が勧めたことで知られる定番。 「なぜ失敗するのか」 を省みることなく自国の兵隊を殺し続けた戦時の諸施策と、今の医薬品産業推進策とやらの共通点が浮かび上がってきて、恐ろしくなることでしょう。

NHK取材班.「太平洋戦争 日本の敗因 全6巻」(角川文庫)。 太平洋戦争におけるニポンの主要プレイヤー (政治家、役人、高級軍人) の無責任さ・情けなさが分かり易く読めます。 特に第4巻「責任なき戦場 インパール」 は出色の出来。 無責任司令官(牟田口)のような上司、あなたの周囲にも確実にいますぜ。

会田雄次.「アーロン収容所」(中公新書)。 これも名著。 捕虜収容所での体験がメイン。 英国人から見たらニポン人はサル(人間でない)なので、羞恥を示す対象ではない。 英国人女性兵がニポン人捕虜 (サル) の前で平気で全裸で着替えをしていたという本書のエピソードは有名ですね。

*****

安保法制を説明するのに、「夜道で、不良が×さんを 『生意気だから殴る』 と襲いかかってきたとしましょう ・・・」 だの 「お隣のアメリカさんの家が火事になったとしましょう ・・・」 などと訳の分からん例え話を持ち出す政治家がおられる。 どこまで国民を無知な観客扱いするつもりなのだろう。 怒り心頭。

戦争の話は戦争の話としてきちんと説明しなさい。 我々国民は、あなた方政治家が思うほどバカではない。