小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

ふぅ、疲れた

もう11月である。 毎年、年始に 「ほら、気が付けば、すぐに次の年賀状を書く時期が来るよ」 と挨拶するのが恒例になっているが、本当にそのとおりの実感がある。 一年が経つのが早い。 今年は身内の不幸があったため、喪中ハガキを用意しなければならない。 毎年サル的なヒトは12月31日にまだ年賀状を印刷中という状況にあるのが通例なのだが、喪中の挨拶はそういうわけにはいかないので忙しい。

今日は多くの方々がびっくりしたのですよね。 私もびっくり。 トランプ大統領だってさ。 マジかよ ・・・ と思ったのは事実だが、でも、これってニポンもまったく同じ状況だよな、と気付いたら、納得。 

「Make America Great Again!」
とわめいているのがトランプさんだが、

ほれ、ニポンだって、
「ニポンを取り戻す!」
とかいう、わけのわからんスローガンをわめく方々が、少し前のニポンの選挙で大量の票を集めて圧勝したことをもうお忘れだろうか。

ははは。 瓜二つ。 ニポン人もアメリカ人も似たようなもんだ。 バカ丸出し。 政治家のレベルは国民のレベルを超えることはないもんな。 あの人たちは僕たちの鏡。 異国人を口汚く罵(ののし)る醜い顔 ・・・ あ、あれってオレの顔だ。 信条・哲学が相容れない議員からの質問に答弁する際に見せる、相手を小バカにしたような横柄な態度 ・・・ あ、それって私の姿だ。 ははは。

私の世代 (の医療制度の研究者) は、たいてい、ヒラリーさんには何らかの思い入れがある。 前にも書いたが、1993年頃のクリントン政権で健康保険改革を進めようとした主役がヒラリーである。 結局あのときは 「圧力団体 (いくつかの業界団体など)」 にやられて皆保険への道は閉ざされたのであるが、その失敗のプロセスと原因を多くの日本人留学生が留学先でじっくりと学んだものである。 Health economics 関連の講義で何度もレポートを書かされたっけ。 「ややこしい国だのう、アメリカは。 先進国なのか後進国なのか、よくわからんぞ」 と語り合ったっけ。

そういうわけで私はヒラリーさんにシンパシーが相当にあり、今回の結果が残念なのだが、特段その手のシンパシーのない多くの製薬業界人、それも比較的若い人たちが 「げげっ!」 とショックを隠さないのは見ていてちょっと面白い。 「米国民を分断してしまった」 らしい今回の大統領選挙だが、遠い極東の業界人が 「稼ぎの良い側」 「グローバル化の恩恵を受ける側」 の米国人に近い心情を有しているのって、不思議である。 ニポン人がなぜか 「私は勝ち組の名誉白人なのよね」 と勝手に思い込む現象はとても興味深い。

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夜の渋谷駅。 一か所に留まっていると警備員さんに怒られるから、重い足取りで階段を上ったり、下ったりし続けているホームレスのおじさんたちがたくさんいる。 夜、寝るための自分用の段ボール箱を抱えながら。

おじさんのゆっくりとした歩調に合わせて階段を上ってみる。 なぜだか分からないが、足が鉛のように重くなる。 膝が動かなったかの感覚に襲われ、しばし立ち止まる。 横目でおじさんの顔をのぞきこんだ。 おじさんの目は、足元に広がる虚空をぼんやり眺めている。

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最近ちょっと仕事が詰まりすぎていて、じっくり考え事をする時間がない。 本を読んで勉強する時間すらない (寝る前の1時間くらいが唯一の読書時間である) のが情けない。 バカになり放題。 ブログを書く余裕もないのよ。 更新を待ってくれている読者の皆さん、ごめんね。 「余計な仕事はサボる・逃げる・放置して仕事が消滅するのを待つ」 作戦を全面展開中なので、もう少ししたら状況は改善するはずだ。

つまらない仕事ばかりしていると、ブログに書きたいことは山ほど出てくるのよ。 「どうしてニポン社会には威張りん坊の腐れオヤジばかりがこんなにたくさんいるんだろう?」 とか、「新しい組織や仕組みを作ったって、中で働いている連中の顔ぶれはまったく変わらんじゃないか」 とか。

しかし、忙しすぎると、そうした怒りや違和感をすぐに忘れてしまうのである。 いかんいかん。

「承認審査時間が世界最速になりました!」 という意味不明の自慢を始めた方々もいるらしいな。 アホくさ。 審査期間なんて、3日にも、3か月にも、3年にも、30年にもできるのだ。 ルールでそうするだけのこと。 審査時間だけを取り出して自慢するのはバカげていることを 「まともな」 欧米の当局の人たちや規制科学者たちは理解しているから、そんなくだらない自慢をしていないのよ。

こういう自慢を見てると、ニポンの業界人 (産官学すべて) の幼稚さがよく分かる。 お釈迦様であるアメリカ様の掌の上で鼻息荒くいきがっているサルそのもの。 困ったことに、そのお釈迦様ご本人がこれからどうなるかまったく分からない状況なのだがな (大笑)。

当然だが承認審査 (制度) を評価する上での本質は、「承認審査の社会にとってのアウトカムは何か? そのアウトカムに照らしての社会の視点から審査の費用効果 (ここに審査時間が含まれる) は正当化できるか?」 である。 米国FDAの審査の文脈での論文もたくさん出ている。 でも、ニポン人はその手の論文を書かないのね。 「当局のやっていること、ちょっとダメかもよ」 というその手の論文を書くべきなのが、ほれ、れぎゅらとりーさいえんすとやらをやっている人たちなのだが、そういう人たちって、当局のダメなところ・本当に痛いところを批判する系の話はタブーらしくて、決して触れないのね。

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椎名誠の 「この世で一番うまいものはなにか」 への回答が書いてあるこの本。 気分転換には最高なり。

心が病んでいるときはスヌーピーがよいな。 昔のマンガを読み返して、幸せな気持ちになる。

" I don't mind feeling stupid as long as I know I look stupid!" by Lucy (史上最悪のライト)