小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

サル的日記 番外編 in Geneva

皆さんお元気? ふだんは大学のオフィスかカビ臭い自宅の部屋から辛気臭い記事をお送りしているサル的なヒトなのだが、今日は違うぞ。 なんと、海外の街角のカフェーでカフェラテなんぞをすすりながら、ニポンの皆さんあてに本日の記事をお送りしているのである。

「ええっ!? そんなオシャレなサル的なヒト、私は認めませんからねっ!」 と言ったって無駄なのだ。 だってホントにスイスのジュネーブ中央駅 (Gare Carnavan) そばのカフェにいるんだもん。 向かいの席ではブロンドのビューティホーなおねえさんがアイスクリーム食べている。 さっき目があったときにウィンクしてくれたもんね。 えへへ。 気分はジョージ・クルーニー(笑)。

「そ、そんなのサル的なヒトぢゃない! 東京の小汚いラーメン屋で醤油豚骨ラーメンすすりながら、ニポンの医薬品規制の欠陥を愚痴っているサル的なヒトしか私は認めませんからねっ!」 と再び怒った人たち。 スマンね、サル的なのにこんなに国際派で。

サル的なヒトは海外出張が好きではない。 第一に飛行機が嫌いである。 地面に足が着いていないと落ち着かないのは進化したサルの性質である。 第二に海外の食べ物が嫌い。 外国のメシってなんか一味が欠けているんだよなぁ。 どこに行っても結局和食か中華のお店を探し回ることになる。 そこから生まれた格言、「中華に外れなし」 は私からの教え子への秘伝の一つである。

だから、自分から海外出張の機会は作らないし、誘われても基本断る。 別に誰も困りはしないのよ。 代わりに、海外に行くこと自体が楽しくて仕方がない若い連中に行かせればよいのだから。 だけどたまに、今回のようにどうしても断れない出張が生じてしまうのは仕方がない。

とはいえ、これまで散々世界のあちこちに行かされたので、相当に旅慣れてはいる。 飛行機の中ではジタバタ仕事なんかはしない。 ひたすら寝るか、映画を見る。 今回のスキポールまでのフライトは結構長いから、腰を据えて映画を4本も見たのである。 世界を股にかけるグローバルビジネスザルだから、見る機内映画もインターナショナル感あふれる組み合わせである。 参考にするように。

64−ロクヨン− (佐藤浩市主演) の前・後編。 信長協奏曲小栗旬主演)。 暗殺教室 (黄色い、触手のある変な生き物主演)。 どうですか、このハイブロウで国際的な組み合わせ ・・・ ガキがみるような日本映画しか見とらんぞ、このヒト (笑)。

ロクヨン、途中で涙が止まらなくなって困ったのである。 「子供がいなくなる、それがどういうことか、刑事はそんなこともわかんないのか!」 by 佐藤浩市 とか、そんな心が痛くなる台詞をシャウトするのは反則である。 永瀬正敏も好演。 涙が止まらず、ほとんど嗚咽している状態にもかかわらず、キャビンアテンダントのおねえさんが容赦なく 「フィッシュ or チキン?」 と食事の確認に来るのには参った。 空気読んでくれ、KLM。

サル的なヒトには 「フランス語がまったくダメ」 という致命的な弱点がある。 だからパリとかジュネーブは基本的につらい。 20年くらい前にパリに出張したとき、フランス語がまったく分からず、地下鉄の切符の買い方が分からなかったことがある。 オロオロしていたら、近くにいた浮浪者のおじさんが横から手を伸ばしてボタンをピッと押してくれた。 浮浪者のおじさんが天使に見えたよ。(注 1) そういうことがあって、フランス語圏はどうも好きになれないのだ。

(注 1) 私は切符を無事に手に入れ、おつりはすべておじさんが手に入れたのだから、こういうのを win-win という。

しかし年を取ると、そんなことすべてがどうでもよくなったきた。 旅の恥はかき捨て。 旅先でいい格好をする必要などない、ということがやっと分かったのね。 言葉が 「上手に」 通じる必要などない。 現地の人に 「フフフ。 あのサル的なアジア人、ちょっと挙動が不審だわね」 と思われようが、そんなことまったくどうでもよい、って感じ。 昨日もホテルのそばのスーパーのレジのおばさんに 「あんたの出しているお金じゃ、このコーラは買えないよ」 と怒られたが、そんなの知ったこっちゃない。(注 2) こうなると怖いモノなしである。

(注 2) いや、お金が足りないと怒られるのは世界共通だと思うぞ。

・・・ というわけで、なんと本日の記事はこれにて終了なのだ。 中身も何もない。 が、毎度毎度そう教育的なことが書けるはずなどないのだから、このくらいのユルさもたまにはよかろう。 これから MANOR というデパートの1階のだだっ広い食品売り場に寄って、なんかおいしい総菜を買ってホテルに帰ることにしますよ。 じゃね、みんな。 Au revoir !