小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

一首詠まない

というわけで、今ジュネーブにいるのである。 危うくウラジオストックからシベリア送りにされるところだったサル的なヒトだが、どうやら普段の善行が認められたようである。 誰が認めたのかは知らんが。

読者の皆さんの中には 「けっ、海外出張なんてお気楽なことだよ。 こっちは死にそうな思いで汗水流して働いているのに」 などと毒づいておられる方もおられよう。 よしゃ。 いつでも代わってやるから、私の代わりになってみるといい。 結構死ぬぞ(笑)

うちの学生の論文審査関連の書類の提出締切がこの出張と重なっていたのが致命的であった。 知の伝道師である大学教員にとって、博士学位の指導は命がけの、最も大事な仕事である。 博士の質にはいかなる妥協も許されぬ (はずである)。 Doctor of Philosophy 候補者にふさわしい書類とすべく、論文要旨や発表資料をチェックし、添削しなければならないのだが、それってやっぱり face-to-face でないと難しい。 でも出張でその時間が取れない。

仕方ないから、小分けしてメールでやり取りすることにする。 まずは大学を出発する前の会議の最中に内職して添削した分を送る。 続いて浜松町から羽田国際ターミナルまでにモノレールの上で修正した分を送る。 モノレールって結構揺れることを実感する。 続いてターミナル前で修正した分 (飛行機に乗ってしまうと無料ではメールが送れない)。 乗り継ぎのフランクフルト空港のロビーで、朦朧 (もうろう) とする意識の中、機内で添削した分を送る。 ホテルにたどり着いたらすぐに部屋にこもって残りの添削。 締切に間に合わないので、夜中も添削。 その合間に会議の資料をひたすらに読む。

で、朝6時起きでメシ食ってそのまま朝から夜まで会議。 ようやく今夜、会議のメンバーとゆっくりメシを食って、一息ついたのであった。 時差ぼけも加わって、フラフラしながらベッドに倒れこむ。

世の中に絶えてインターネットのなかりせば
旅の心はのどけからまし

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数週間前の例のノーベル賞週間。 テレビの夕方のニュースみていたら、こんなタイトルの速報が出て唖然とする。

速報!! 日本人はノーベル物理学賞の受賞ならず!!

画面ではノーベル財団の人が受賞者の顔と名前と業績をしっかり説明しているのに、メディアの阿呆どもは 「速報です! 受賞者は日本人ではありませんっ!」 と騒ぐのみ。

こういうバカしかいないのか、ニポンのテレビ局には。

人類の知の領域を拡げてくれた学問・科学の達人にまず興味を持って、彼らに感謝することすらできぬ極東のサルたち。 オリンピックとかいう体力野郎のお祭りで勝ったの負けたのと大騒ぎするのが身の丈にあってるのだろうな。

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というわけで、今日はあまりにヘロヘロなので、このくらいで勘弁してくれ。 読者の皆さんにはお土産買って帰ってやるからさ。 チョコレートがいい? アーミーナイフ? スウォッチ? そうだ、スイスのナウなヤングの間で人気沸騰のレマン湖饅頭なんかどう? 中にあんこが入っていて、レンジで少しチンして食べると最高だって噂だよ。

・・・ おねいさん、そこの温泉まんじゅう3箱ください。 あ、一番小さいのでいいっす ・・・