小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

路地裏で立ち止まらない

メディアが散々批判しているが、あえて私も同じことを書く。

30年くらい前から気付いてはいたのだが、まともな先進国の国家の体裁をなしてないな、ニポンは。 読んで気分の悪いことが書いてある審議会の報告書は、大臣は受け取らないんだって。

このあたり、皆さんご存知のとおり、ニポンの気色悪いところのオンパレードである。 まず第一に、審議会と大臣 (というか政権与党 and/or お役人) の意見の食い違いなんてものはあって当然なのに、そもそも食い違いがほとんど出てこないところ。 お上の意向を忖度する審議会委員の人選のたまものなのだが、これって審議会の存在意義とまったく逆をいってる。 いろんな意見・逆側の意見・裏側の意見が出ないことが保証されている審議会なんて不要。

第二に、大臣 (政府) が受け容れ難い答申・報告が審議会から出たら、大臣はその内容・提案を正々堂々と拒絶するのがスジである。 大臣は 「No」 と判断する理由を国民に説明しないといけないわけだが、そこで正々堂々と理屈・信条・倫理を並べればいいのよ。 多くの人が納得すればそれでよし。 納得しなければ大臣は選挙で落ちる。 そういう面倒臭さこそが民主政治の基本である。 そういう面倒臭いことをすべて省略して、「報告書を受け取らない」 って、あんた幼稚園児かよ。

察しのいい医薬品業界人だったら、「あぁ、そういえば少し前に、 FDA が承認するっていう薬を厚生大臣 (長官) が認めなかった件がアメリカであったなぁ。 あれもややこしい倫理観の対立が背景にあったなぁ ・・・」 と思い出すはずなのだが、ニポンの業界人に期待しても無理か。 もうすぐ絶滅するだろうし。

この国、良識のタガが外れたボロ国だ。 

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というわけで皆さんはお元気ですか。 私は日々の生活に追われ、さらに将来必要な2千万円を貯金すべく、必死でがんばっている毎日である。 だからブログなんか書いてる暇はないのである。 ごめんね。

「いや、あんたは住むところも持たぬ都会のネズミなのだから、2千万円じゃなくて4千万円足りないコースの方だろ」 という冷静な突っ込みは入れぬように。 そんなことは言われなくても分かってる。

自分と周囲の皆さんの貧富の差は、日々の消費活動を見ていれば一目瞭然である。 たとえばさ、結構多くの人たちがオリンピックとかいうくだらんバカ騒ぎの高額なチケットを嬉しそうに買うのな。 何万円もするやつ。 「人気の高い競技をいくつも申し込んじゃった。 全部で30万円になっちゃうわ。 当たったらどうしよう? きゃー!」 とか喚いている阿呆がたくさんいるのな。 貧乏人はそんなもん買わん。 オリンピックはテレビで見るに決まってる。 タダだから。

そんなあぶく銭があるのなら、貧困家庭のかわいそうな子供たちの給食費の寄付とか、小児病院の付き添いのおかあさんの宿泊費用の支援とか、無茶苦茶に高い抗がん剤の薬剤費でつぶれかけている健保組合への寄付とか、そういう金の使い方をしてみたらどうなんだろうと思うのだが、「それとこれとは話は別」 なのね。 ふーん、そうなんだ。 おまいらの頭の中、都合よくできてるんだな。

じゃあさ、おまいらのその別枠ってことでオレにも金くれないか。 一、二万円でいいから恵んでくれよ。 黄ばんで染みが消えないブリーフとテロテロに薄くなったランニングシャツを買い換える金が欲しいんだ。 あとさ、雨の日に必ず水が滲みて、ガッポンガッポンって音がする腐った臭いのする靴を買い換える金もくれ。 A〇Cマートの店頭に並んだ特価品しか買わないから、何度買い換えても雨水が入ってくるんだ。 国会議員や医者や金持ちサラリーマンと違ってさ、何万円もする靴なんて人生で一度も買ったことないんだよ ・・・ あんた、いい靴履いてるな。 時計も高そうだな、それ。 いくらするんだい?

研究室に遊びに来てくれた業界紙の記者Kさんと、「西日が射し込む三畳間の、糞便の臭いが染みついた薄っぺらい布団の上で、『昔の日本の医薬品業界は楽しかったねぇ』 『ホントにね。 中国語の医薬品添付文書を日本の患者が無理やり読まされる日が来るなんて、あの頃は想像もしなかったよな』 とヨイヨイの寝たきりジジイになった二人が愚痴をこぼす将来がすぐにでも来そうな気がするなぁ」 などと語り合う。 サル的なヒトなんてもうチビリアンコントロールが相当にやばいしな。

終わりの始まりは、とっくに始まっている。 気付かないような顔をしても、始まってるんだから仕方ない。

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そんなことを思いながら浜田省吾を聴いていたら、情けなくて涙が。 浜田さん、のんきにシャウトしてる場合じゃないっすよ。

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僕たちは、どうしてこんな大人になってしまったんだろう。 僕たちの国は、どうしてこんなことになってしまったのだろう。

こんなはずじゃなかったのに、という思い込みがすでに間違いなのだろうな。 正気の沙汰とは思えない出来事は起こるべくして起こり、社会は崩壊すべくして崩壊する。 だって、構成員がサル並みの知恵と道徳しか持っていない僕たちなんだもの。