小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

僕らにはトトロがいるもんね

「こ、近藤さん。 あんたのメンタル、弱すぎだよ ・・・」

日曜の夜10時過ぎ、テレビの前でそう呟いた日本人が3千万人ほどいたと思う。 サル的なヒトも呟いたよ。 そう、「半沢直樹」。 NHKの 「七つの会議」 にあれほど思い入れまくりの記事を書きながら、どうして半沢には触れないのだ? という疑問をお持ちの方もおられようが、半沢直樹はマンガだからね。 マジメにコメントするのはオトナとして恥ずかしい。 オトナの見識ってヤツですよ。

それにしても、タミヤ電機の近藤さんのメンタル、ちょっと弱すぎである。 「あんた、そこでポッキリ折れるんかい!」 と突っ込みを入れたくもなる。 「七つの会議」のハッカクさんは、こっちでもカッコいいなぁ。 倍賞美津子さんの皺だらけの顔が画面一杯に出てくると、思わず息を飲むよね。(注 1) 皺が気になってストーリーに集中できなくなる。 花の空気読まない感も、すごいね。 大和田常務、顔の造りが憎らしいぞ。 ムッキー! ・・・・ 十分に恥ずかしいオトナだな、自分。

(注 1) ジョディ・フォスターシガニー・ウィーバー、そして私の大好きなジーナ・デイヴィスミシェル・ファイファー、みんな皺だらけの(しかし美しい)おばちゃんになってしまいました。 映画の中では時間が止まっているから、その変わり様になおさら息を飲んでしまう。

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今日のお昼は 「CRCと臨床試験のあり方を考える会議 in 舞浜」 で話をした。 会場の後ろで立ったままで話を聴いて頂いた皆様、申し訳ありませんでした。 最後まで聴いて頂き、深く感謝しております。 CRCの皆さんの勉強熱心さには毎度頭が下がる。 会議も盛会で何よりです。 次にお会いするのは5年後ですね(笑)

今朝は台風の影響で大荒れ。 会場のホテルは、舞浜のディ○ニーランドの裏側(海側)にある、いわゆるディズ○ーオフィシャルホテルである。 JR舞浜駅に着いたサル的なヒト、さて、会場までどう行こうかと思案したのだが、「大した距離じゃないし、歩こう」 と思ったわけである。 別にどうということもない。 ワシは貧乏だから、歩ける距離は歩く。 がしかし、これが苦難の始まりであった。

あの付近の公道って、ネズミの国の雰囲気を壊さぬためなのか、道路にまともな歩行者用の標識がないのである。 あの界隈は、お金をたっぷり持って夢の国に向かう人たちのためにある。 ビジネス目的だけでホテルを使う徒歩のアラフィフのオヤジ(ワシのことである)は、そもそも存在してはいけない存在らしい。 だって、夢の国だもの。

舞浜駅の階段を降りて、タクシー乗り場を通り過ぎて、ホテルの方角に歩き始めたのだが、まともな道案内がどこにも無い。 すごく変な位置まで歩かないと道路を横断もできない。 夢の国の住人は公道なんぞは歩かないと想定されているらしい。

今回驚いたのは、ディズ○ーランドの敷地 (金を払って入るパークの中じゃなくて、駐車場や周辺の敷地ね) への出入りの不自由さ。 全体が塀で囲まれていて、ごく限られた、何か所かの出入り口以外からは、ネズミ一匹出ることも入ることもできないのだ。 刑務所並み。 あれでは主役のネズミすら出入りできないぞ ・・・ いや、悪い冗談だ。 

仕方ないから、大汗をかきながら観光客用の経路に一度戻って (これで時間ロス10分)、観光客に混じって、恐れ多くもディズニーラ○ド様の敷地に入らせていただくことにした。 エントランス方面から、その横の駐車場を突っ切ろうと思ったのである。 そのあたりで台風の影響の大雨が降り始めた。 スーツはビショビショ、靴は雨水でガポガポ。 駐車場は滝のように水が流れている。

「こりゃまずいぞ」 と思って、駐車場に立っている案内係のおばさんに 「ヒル○ンはあれですか?」 と雨で霞む遠くの建物を指さしながら尋ねたら、私の質問には答えず、まるで変人でも見るような目で 「モノレール乗った方がいいですよ」 とのお答え。 こっちはネズミの国のモノレールになんぞ乗りたくないから、歩いてるんだけどな。 「ディ○ニーランドの客ではないな、このおじさん」 と見なされると、まともに返事もしてもらえない。

確かに、こちらはオフィシャルホテルへの徒歩到達を目指す一サラリーマンであって、夢の国のお客じゃない。 「世界の憧れ、あの○ィズニーランド様の敷地を歩かせてもらっているだけで有難く思いなさいよ、あんた」 ってな雰囲気である。

頭に来たから、そのままズンズン歩く。 雨の中、ひたすら歩く。 なんだか理不尽に悔しい。 とその時、あの懐かしいメロディが頭をよぎった。

♪ 歩こう、歩こう、わたしは元気 歩くの大好き どんどん行こう! ♪ 

そうだった。 僕らには日本生まれのトトロっていう心やさしい味方が付いているんだよ。 資本主義にまみれた米国産ネズミに屈してはいかん。

しかし、駐車場の広いこと広いこと。 駐車場はぐるりと緑の壁で囲まれていて、歩行者が出入りする隙間がない。 完璧なセキュリティだ。 結局そこから十数分間、車が一台もいない駐車場を横切ることも許されず、明らかに遠回りして歩かされ、唯一開いているネズミーランド「公式」出入り口から、敷地の外に脱出できた。 いや正確には、こっちが勝手に不法侵入したわけだが(笑) 

脱出した先には、しかし、ホテルではなく、モノレールの駅があった。 ホテルは道路を挟んだ向こう側にある。 「オフィシャルホテルなんだもの。 駅から向こうに渡る歩道橋くらいあるだろう。 ほら、舞浜の駅にあるような橋が ・・・」 と思って探したが、見つからない。 どこで横断すればいいの? と思い、駅に立っているネズミの国の制服を着た案内係の人に 「ホテルにはどうやって行くんですか?」 と尋ねたら、ぞんざいに顔だけホテルの方に向けて、「あっち」 と一言。 

・・・ あのね。 目の前にあるホテルくらい、ワシの近眼の目にも見えとるぞ(怒) 「向かいのホテルまで、歩行者が道路をちゃんと安全に渡れるような案内をしないの?」 と尋ねているのだが。 要は、歩道橋も横断歩道もない目の前の道路を、車を避けて上手に渡れということね。 各自の責任でJウォークしろってことね。 ネズミの国の敷地外の公道は管轄外だから興味無いってことね。 よっしゃ、あんたの気持はよーく分かった。

結局、舞浜駅からヒル○ンまで、徒歩で30分間もかかってしまった。 駅からホテルまでは、小ぎれいなバスが運行してるし(たぶん無料)、私は乗らなかったがモノレール (250 円) もある。 徒歩を選んだのは私であるから、ネズミの国に一切責任はないことはお断りしておく。 オフィシャルホテルなんていう割に、ネズミの国にとっては結構どうでもいい存在であるらしいことがわかるなど、社会勉強としては実に有意義なミニ徒歩旅行だった。

今回の教訓は 「お仕着せのシステムやパッケージになっているサービスに従わないと、消費者が大変な思いをするのが現代の資本主義なのだ」 ということですね。 お仕着せ嫌いのヒト(私を含む)には住みにくい世の中である。 ・・・ あれ、そういえばこの教訓、グローバル企業による新薬開発の世界支配の説明の時にも使ったような気が ・・・