まだ車通りが少ない路地にはガリガリの雪が残っている。 私の通勤経路には何か所か危険地帯があって、そのあたりを通るときにはペンギンさんのような前傾姿勢のチョコチョコ歩きが基本になる。
大雪の翌朝から自転車に乗って通勤しようとしている(そして当然のごとく、あちこちで転倒している)都会人を見ていると、「この人たちには生存本能が欠けているのではなかろうか?」 と思う。 カチカチに凍った路面を自転車で通勤できると思っている頭のユルさは、一度痛い目を見ないと治らないのだろうなぁ。
・・・ いや、エラソーなことを言っているが、実は私も頭が相当にユルくて、痛い目に遭っているのだ。 仕事で赴任していた金沢で。
あれは1月の夜11時頃か。 雪が少ない年だったせいもあり、冬になっても自転車通勤をしていた。 「ルンルンルンルン、冬のお月様は美しいのぉ」 などといい気分でペダルをこいでいたら、舗装道路の表面が黒くなっているところに出た。 雨水がたまってるのかな? と思った次の瞬間、「ルンルンルンルン」 の姿勢のまま、真横に回転して地面に叩き付けられた。 何が起きたのかがわからない。 左肩に激痛が。 はい、見事に鎖骨の付け根にきれいなヒビが入ってしまいました。 車が後ろから来てたら確実に死んでたな。
その鎖骨ポッキリの翌日に東京で大事な講演が入っていたので、病院には行かず、脂汗を流しながら東京に列車で出てきて、講演して(骨折ザルに話を聴かされる方もいい迷惑だな。 スマンかった・・・)、その夜はビジネスホテルに泊まったのだが、激痛で一睡もできず。 世界がまっ黄色に見えたよ、あの時は。 バカ丸出しである。
骨折してあまりに痛いと、毛穴から脂汗というか、変な汗(シル)が出ることもその時に学びました(笑) 漏れ出した骨髄の薬理作用かもしれん。
北国育ちは良く知っている。 「鏡面仕様」の道路の怖さを。 ツルツルのピカピカ。 夜は真っ黒に見える。 金沢大学の角間キャンパスは山の上にあって、冬の駐車場はまさにその「鏡面仕様」になる。 あまりにツルツルで立って歩けず、自分の車まで四つんばいでたどり着いたことがあるぞ、マジで。
あとね、他人がカチンカチンに踏み固めた部分を平気で歩く都会人にもドキドキする。 私はそんな怖いところ歩けない。 じゃりじゃりした所や、人が踏み固めていないデコボコした部分を歩く方がむしろ安全なんですよ。
東京は去年も一度、1月に雪が降りましたね。 その時には、渋谷の坂道で、スーツを着たおっさんが、なんとタバコ片手に自転車に乗っていて、当然のごとく転倒。 そこに後続の自転車が2台突っ込んできて、やはり転倒 ・・・ という事故を目撃した。 頭を打ったらしく、そのおっさんは茫然自失の体で座り込んでいるのだが、その左手の指先にはしっかりタバコが挟まれたまま。 笑っちゃいけないが、大笑い。 JTとサンデーモーニングの張本勲から 「あっぱれ」 をもらえるね。
ということで、皆さん骨を折らないようにね。 変な汁が毛穴から出るからね。 辛いよ。
学生の卒業発表の準備の手伝いで目が回りそうだが、仕事の合間に読むべき本はちゃんと読む。 廃人になってたまるか。
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「危険な妄想」 2012-10-27 - 小野俊介 サル的日記 の回で紹介した、大島渚監督も亡くなった。
人は、死ぬねぇ。 さびしいね。