小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

ガーンとならない

前にも書いたが、サル的なヒトは年に1回この時期、日○技連の若手統計家育成の研修会に協力している (これね → 語用論と秋の空 - 小野俊介 サル的日記)。 半年間ほどの研修なのだが、箱根で合宿しての集中講義があって、その一部をお手伝い。 統計学の大御所の先生方、企業の超ベテランの統計家が企画・運営しているので、研修内容の素晴らしさは折り紙付きである。

で、今年も箱根の某温泉地の会場 (研修施設が付いたホテル) に夕刻に到着し、講師の皆さんとの1年ぶりの再会を喜んだのである。 人間50歳を過ぎると、年に1回無事に再会できるだけで幸せになる。 お互い、生き延びてるだけで立派なもんよ。

しかし、今年は着いて早々に衝撃的な事実を講師の先生から聞かされた。 なんでも、高級化路線に向けてホテルを建て替えるため、研修用の施設はまもなく取り壊されるとのこと。 ほれ、どーでもいいよーな芸能人のねーちゃんが 「ワー、すてきぃ! お部屋に露天風呂が付いてるんですねぇ」 とテレビの旅番組で紹介してるような、そんなお金持ち向けの温泉ホテルにするんだそうだ。 つまりここでの研修は今回で最後、ということ。

ガ━━(゚Д゚;)━━ン!

研修では20年ほどこのホテルを使ってきたらしい。 古くからの講師陣はみんなこのホテルがとても気に入っていたのである。 風情のある露天風呂があるし、料理は美味いし、東京から適度に距離があるし。 私は、年に1回この研修に来て、のんびりお風呂に入って、おいしい空気を吸って、アジの干物がついた和食の朝ごはんを食べることが人生最大の楽しみだったのである。 他には何一つ楽しいことなど無い人生を送っているサル的なヒトの、心の支えがポッキリと折れてしまった。

日科○連の皆さん。 来年度以降も素晴らしい施設をうまいこと見つけて、受講生だけでなくこの哀れなサル的な講師も幸せにしてもらえませんでしょうか。 よろしくお願いします。 露天風呂はサルとの混浴でもかまいません。

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先週の火曜日。 本郷三丁目の駅から地下鉄に乗ろうと思ったら、車内がなにやらすごいことになっていて息をのんだのである。 すさまじい数のおばさんおねーさん。 年齢は40代から50代。 化粧と汗の混ざった臭いがすごい。 ちょっとビビるが、電車に乗り込む。 おねーさま方は幸せに満ちた恍惚のお顔、あるいは祭りの後の脱力感に浸っている表情である。 きっとワンダホーなコンサートだったのだろう。

本郷三丁目駅は後楽園、つまり東京ドームのお隣の駅なのよ。 ドームで野球の試合をやった後は、疲れ果てたお父さんと子供の集団が大挙して乗りこんでいるので、こちらは大学を出る時間を試合終了時間と少しずらす、といった注意をしている。 でも、ドームでやってるコンサートまでは把握してないから、時々ひどい目に遭う。

もっとも、毎日の通勤で時代の移り変わりを観察できるのだから、悪いことばかりでもないか。 30年ほど前、美空ひばりの復活コンサート (「不死鳥」 だっけ?) の手提げ袋を抱えた乗客を眺めていたことをふと思い出す。 数年前まではやたらと韓流スターのコンサートが頻繁にあったっけ。 時代は移ろいゆくのだ。

で、今回の大量のおばさんおねーさんたちである。 一体誰のコンサートだろう? 妙齢のおねーさんをこれほどまでに動員し、恍惚とさせるとは、なかなかに侮れんヤツだぞ。 もしかして杉さまか (古っ)? ・・・ ん、なんか黒っぽいTシャツを着てる人が多いな ・・・ 胸のところになんか書いてある ・・・ F・U・K・U・Y・A・M・A・・・? なんと、マシャか!? マシャ兄 (にい) なのか!?

マシャ兄のファン層、こ、こんな感じだったのか!!

ガ━━(゚Д゚;)━━ン!

ちょっと驚いてしまった。 実は、僕がやっている無料出張講義でマシャ兄のネタを時々使っているのである。

経済学の概念、支払意思額 (willingness-to-pay) やオークションのメカニズムの説明に、こういうかっこいいモテ男の例を使うと、製薬企業の賢くも麗しいおねえさま方が喜ぶのではなかろうか、という下心があってこのスライドを使ってきた。 しかし、これまでの十数社での研修を冷静に振り返ると、福山に対してのおねえさま方の食いつきがいまいちだったので、不思議に思っていたのである。

そうか、研修に出てくださる女性の方々の多くは20−30代。 マシャ兄のファン層の年齢とはそもそもちょっとずれてたのね。 完全に私のマーケティングリサーチ不足だ。 いや、すまんかった。

でもね、業界のおねえさんたちの好みも一筋縄ではいかないのよ。 福山のスライドに不満そうな顔をしている女性受講者に 「じゃあ、あなたの好きなタイプは一体誰なの?」 と尋ねると、

「私はマット・デイモンです」 (外資・Aさん)
「え、言わなきゃだめですか? アルフィーの高見沢さんが好き!」 (内資・Kさん)
「もう絶対、佐々木蔵之介さんよ」 (外資・Sさん)
「嵐の大野君。 松潤じゃないからね」(内資・Cさん)
「そんなの松潤に決まってるでしょ。 質問の意味がわからないし」 (サル的なヒトの家人)

といった予測不可能な答えが返ってくるのである。 あんたら、そんなに好き勝手言ったらスライドが作れんだろーが

今後の無料出張講義でマシャ兄のスライドを使い続けるかどうかは思案中である。 まもなくこの部分の講義 (経済学の諸概念の紹介) を迎えるG社とDS社の皆さん、期待してお待ちください。

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戦争から帰ってきたおじさん、そして、戦争から帰ってこられなかったおじさんたちのお話し。

帰郷

帰郷

浅田次郎さんがお話しの達人なのはいつものとおり。 さらに素晴らしいのが装丁の写真。 写真に写る帰還兵のおじさんの姿を見ていると、なんともいえぬ思いがこみ上げてくる。 未読のヒトはおすすめです。