小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

ああ、気分が悪い日々だ

年度末ですが、皆さんいかがお過ごしですか。 大学は卒業生が巣立って、次のかわいいヒヨッコたちがやって来るまでの、ほんのわずかの一休みである。 と言っても、新しい学生用に机をそろえたり、パソコンを設定したり、ロッカーや本棚を拭き掃除したり、とスタッフは忙しい。 学生はこの苦労は知らんのだろうけどな。

研究室の秘書のおねいさん方、そして自主的にお手伝いをしてくれるパソコンのプロがいてくださるのでなんとかなっているが、私一人で対応しろと言われたら教室運営はあっという間に破綻することだけは間違いない。 いつもありがとうございます。

先日、海外の人たちとの電話会議があった。 大学のポリコムを借りてきて、研究室の電話線につないでみたりして 「準備オケー!」 と意気込んでいたのだ。 が、いざ当日、割り当てられた電話番号に何回電話してもつながらない。 「ツーツー・・・」 と切れてしまうか、「おかけになった電話番号は・・・」 のメッセージが繰り返されるのみ。 しまいには直接現地スタッフの電話番号にかけてみたのだが、むろんダメ。 テレカンはもう始まっているのに、どうやってもつながらない。 うーむ、困ったぞ。 1時間ほど試行錯誤してもダメだったので、えーい、もう電話代なんぞどうなってもいいわい!と、自分のガラケーからかけてみた ・・・ とつながったのである。 どうも大学の電話からはつながらない番号だったらしい。 よく分からんのだが。 

(以下、英語で)
サル的 「す、すまん。 遅れた」
議長 「おお、ショーンか。 やっと来たか。 大丈夫だ、ギリギリ間に合ったぞ。 ちょうど、おまえが説明する agenda item に入ったところだよ」
サル的 「お、おけー。 説明するよ。 この薬は ・・・」

といった感じで会議自体はどうにかなったのだが、それとは別の懸念 ・・・ これって携帯料金いったいいくらかかるんだろう? ・・・ で、年季の入ったガラケー握りしめながらイヤーな汗がずっと出ていた2時間であった。

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最近、身の回りで気分の悪いことばかり起きる。 ニポンがますます嫌いになる。

その1。 昼間、地下鉄に乗っていたら、少し離れた席で赤ちゃんの泣き声が。 見ると若い茶髪のお母さんが赤ちゃんをあやしていた。 隣に座った友人らしきねえちゃんとぺちゃくちゃ話している。 と、少し離れたところでそれまで静かに座っていた白髪のおばあさんが、突然、赤ちゃんに向かって 「この、人間のクズが ・・・ この、人間のクズが ・・・ 」 とブツブツ呟き始めたのである。

おばあさん、パンパンに膨れた薄汚い紙袋を二つ抱えている。 挙動からして明らかに何らかの精神的疾患を抱えた方か、もしかしたら認知症の様子。 赤ちゃんの泣き声で変なスイッチが入ってしまったのであろう。 でも、東京の電車ではたまに見かける光景だ。 時々電車の中で奇声を発する人たちがいたりして、ちょっとびっくりすることもあるが、そういう人たちも鷹揚に受け容れるのが公共の場であり、大人のたしなみである。

しかし事情はともあれ、近くでブツブツ悪態をつかれ続けたら若いお母さんは気の毒ではある。 ちょっと助け舟を出して席を替わってやろうか ・・・ と立ち上がりかけたら、その若いお母さんと連れのねえちゃん、すっくと立ちあがって、席の近くの 緊急通報ボタン を迷うことなく押したのである。 「どうしましたか?」 スピーカーの車掌さんの声に 「不審者が乗ってます。 おろしてください!」 と言い放つ。

ちょ、ちょっと待て。 いきなり電車止めるのか、おまえら。 どう考えてもあんたたち親子に危害が及んでいる状況ではなかろう。 席を移ればいいだけだろうが ・・・ と唖然としているうちに、電車は駅に滑り込んだ。 ホッ。 ドアが開くと、ねえちゃんたちはベビーカーを押してサッサと降車する。 壊れた機械みたいに同じことをまだブツブツ言い続けているおばあさんに向かって 「うっせーんだよ、このカスが!」 と捨て台詞を残して、車掌さんが来るのを待つでもなく、さっさと目的の方向へ去ってしまった。

こんなのに育てられる赤ちゃんはどういう人間に育つのだろう。

その2。 年齢を重ねてエラくなると、何を勘違いしてるんだか、とてつもなく横柄な態度をとり始めるバカがいる。 ある委員会で、いわゆる事務局のヒトの説明が少し怪しかったのである。 それに苛立った委員の大先生の一人が事務局のおじさんに向かって横柄な口をきき続けた。 こんな感じ。

事務局 「この件につきましては、私がどうこうできる立場にはありませんので、持ち帰って上に報告いたします」
横柄オヤジ 「なんにもしてねーじゃねーか!」
事務局 「確かに対応は十分ではないところもあるので ・・・」
横柄オヤジ 「じゃあ対応しろよ!」

公の場で自分の感情をまともに制御することすらできぬオッサンなのだ。 50歳半ば、肩書や地位だけはものすごく立派で世間から先生扱いされているのだから、呆れる。 こんなのがいるとまわりの委員も発言などしなくなる。 バカにからまれると面倒だもの。

ニポンの会社、お役所、大学にはたいてい一人や二人、この手の横柄オヤジが巣食っていて、わが物顔に権勢ふるってますよね。 暴力的な言動や態度に極端に弱いのもニポンの組織社会の特徴。 大会社やお役所や大学のエリートさんたちって育ちが良すぎるから、暴力的に振る舞われるとすぐにオシッコもらしちゃって、殴り返すことなんて考えないんだもの。 そっちも情けない。

その3。 法律の狭間でなぜか規制がかかっていない、例のマリオカート。 渋谷で交差点を渡ろうとしたら、外人の観光客連中が十数台のマリオカートに乗って横断中の歩行者に向かって突っ込んでくる。 マジでひき殺される寸前であった。 交差点での左折なのに、そして渋谷だから当然に歩行者がたくさんいるのに、先頭車両 (たぶん業者の案内係の人) は 「歩行者優先、一時停止」 などまったく顧みずに交差点に突っ込んできて、その後を外人観光客が運転する十数台が続く。 歩行者はこの暴走族どもが通り過ぎるのをじっと待つしかない状況。

純正の田舎のチンピラだってそんな運転はしないぞ。 普通の車で正々堂々とこれやったら100%免停だと思うが、マリオカートならばOKなのね。 そりゃそうか。 運転してるのはあのマリオやルイージなんだもん。 正義の味方は何をやっても許されるに決まってる。

彼らの暴走行為を止めるでもなく、ニコニコと見守っているお巡りさんたち。 ここはいったいなんていう国だったっけ?

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エクス・マキナ」。 ちょっと前の映画だが、久しぶりに少しまともなSFを見た気がする。 おすすめ。