小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

昼メシの問題

「昼メシの問題」。 椎名誠の本のタイトルにこういうのがあったのを思い出した。

お昼に何を食べるかはサラリーマンにとっては、ある意味仕事よりも大切な問題である。 だって、出勤したものの仕事はなんもしない日は結構あるけど、昼メシを食わない日はないからね。

サラリーマン生活24年。 実にいろいろな昼メシを食べてきた。

昔はビール付きランチが結構あちこちでありましたね。 「ランチに飲み物一杯サービス。ビールか、梅酒か、オレンジジュースの中からお選びください」というヤツ。 新入社員の頃は、先輩が皆ビールを頼むもんだから、「オレも先輩と同じものにしないといけないのか。 これも日本社会の掟だよな ・・」と飲めもしないビールを飲んで、顔を真っ赤にしてオフィスに戻ったりしていた。 「おい、昼間からいい顔色だな、小野クン」などと上司にからかわれていたっけ。

今はあまりないですね、そういうサービスをするお店。 有馬炊き定食のお店があった飯野ビルも、建て替えで変わってしまったんだよなぁ。 昼間からビールを飲む度量のあるリーマンが減ったのかもしれない。

世のおっさんたちは、メシを食べるのが異様に早い。 皆さん、だいたい5分くらいで食べ終わるのである。 自慢ではないが、私はメシを食うのが遅い。 いや、正確に言うと、周囲のおっさんたちが早過ぎで、自分は普通なのだと思う。

おじさんたち、親の仇でもとるが如く、凄まじい勢いでメシをかきこんで、お代わり自由の店では二杯目に突入する。 サラリーマンご用達の夢の高カロリー店、お代わり自由の「とんかつの和幸」に行くと、ご飯だけじゃなく、「いやー、健康のためにキャベツも食わなきゃね」と言ってキャベツもお代わり。 「シジミって肝臓に効くんだってね」と言いながら、みそ汁もお代わり。 ・・・ あんたら、それトータルで見たら絶対に健康に悪いって。

そういえば、新入社員の同期だったG君、和幸でカツ丼を頼んで、カツを半分残してご飯だけ食べ終わり、ご飯のお代わりを頼んだら、「それはルール違反です」って店員さんに怒られてたなぁ。 何を思ったか、改札で駅員さんに現金120円を直接払って駅構内に入ろうとしたこともあったぞ。 G君、元気だろうか? このブログ読んでたら、コメントするように。

虎ノ門の飲み屋のチェーン店では、ランチはご飯と生卵とふりかけがお代わり自由ってところもあった。 今も続いているのかもしれない。 一杯目は卵かけご飯で、二杯目はふりかけご飯ね。 うーむ。 とことん日本人なり。

サラリーマン的には、喫茶店での食後のコーヒーも昼メシの一環だった。 新人の安月給なのに、食後に400円払うのは痛かった。 コーヒーを奢ってくれる上司もいたけど、毎回じゃないし。 当時はスタバ的な店は全くなく、タバコの煙がモウモウと漂うのが喫茶店でありんした。

こういう話も、今は昔。 最近はコンビニで弁当買ってきて、という人が多いんですよね。 昼メシ時くらい、嫌いな上司・同僚の顔を見ないで過ごす、というのも理には適っているが、一方で、上司と連れ立ってのランチが「気に入らない上司も、要は自分と同じじゃないか。 本当は会社で働くのが辛いんだ ・・・」ということに気付く良い機会だったりする。 人間だもの。

さて、私の今日の昼飯は、近所の海鮮どんぶり屋さんで、大トロ炙りサーモン丼 490円なり。 ワサビを溶かした醤油をドボドボとぶっかけて食う。 正確に言うと醤油メシ丼というべきかもしれぬ。 あまりのうまさに、食べている最中に恍惚として時々記憶を失うことがある(注)。 オレの人生、食い物に関してはもうこれで十分だ。 何も思い残すことはない。 徹底的に安上がりにできている昭和中期型ロボのサル的な人は、デフレ社会にはやたらと強いぞ(笑)

(注) 実際に本郷まで食べに来て「オレは意識が飛ばなかった」などと店員さんにクレームをつけないこと。