いやはや、今日は大変な一日だった。 朝9時から住んでいる団地恒例の草刈。 小さな団地だが、敷地内には結構に樹木、竹などが多く、草むしりというよりは草刈という言葉がピッタリである。 うっそうとした木々の中に分け入って、草刈鎌をブンブン振り回して、下草を刈る。 普段は人が入らないところだから、いろんなモノが見つかるのである。
例えばサクランボ。 サクランボの実のなる桜って、ちょっと珍しくて楽しいでしょ? 最近の子供はそんなものに興味がないらしく、誰も実を取ろうとはしないから、真っ赤な実がたくさんついているのよ。 鎌を振る手を休めて、モグモグとサクランボをつまむと、口に広がる甘酸っぱい野性味。 うーむ、良いぞ、この感じ。
筍 (たけのこ) もニョキニョキと顔を出している。 アイツら、すごい生命力なのだ。 コンクリートの駐車場の下を根が這って、隣の敷地にまで侵入して生えてくる。 もう立派に顔を出しているヤツは固くてとても食べられたものではないので、頭が出るか出ないか微妙な加減のヤツを掘り出してみたりする。 昨年食べたご近所さんによると 「あまりおいしくはない」 そうだが、今年はどうだろうね。 立派に顔を出しているヤツは、かわいそうだが、鎌でチョッキンと。 だって、ものすごい立派な孟宗竹にすくすく育ってもらうとちょっと都会の団地としては困るのだ。
草刈の最中にちょっとしたアクシデント。 団地横の急な坂道で、近所のチビッ子たちが自転車や赤ちゃん用の三輪車に乗って遊んでいたのである。 「いくよー! ・・・ きゃああああ、速いよー」 なんて楽しそうに大騒ぎしてたのだが、そのうち
「うわぁぁーーん ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!! 」
という泣き声が。
慌てて駆け寄ると、ちっちゃな男の子が赤ちゃん用三輪車の横に倒れて泣いてる。 どうやらスピードが出すぎて、縁石に激突してしまったらしい。 一緒に遊んでいたお姉ちゃんたちの自転車には ブレーキ という近代科学技術の結晶が備わっているのに、三輪車には標準装備されてないのね(笑)。 かわいそうに、おでこには絵に描いたようなタンコブができていて、その上の小さな擦り傷からちょっと流血。 血なんて見たことないお姉ちゃんたちは、びっくりして一緒に泣きじゃくるばかり。 大慌てでお母さんに知らせて、止血を確認して、擦り傷にマキ○ンして。
子供の頃ってケガをするもんだ。 サル的なヒトも4歳の頃、ブロック塀の上から転落し、鼻の下をざっくり切って大出血したのに、あふれ出る血を袖で拭いながらそのまま近所の子と楽しく遊び続け、(運よく通りかかった) うちの母ちゃんがそれを目にして卒倒しかけた、なんて武勇伝がある。 大人になってからも、凍結した路面で転倒して鎖骨を骨折したりして。 でもね、いいのよ、それで。 ケガをしない人生なんてつまらんぞ。(注 1) タンコブのチビッ子くん、これからも元気にお外で遊ぼうな。
(注 1) う、期せずして人生訓を語ってしまった。
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連休中は、こまごまとしたものなんぞをお買い物。 まずは東急ハンズのペット用品売り場で 「またたび玉」。 またたびの実の粉末をコーティングした、「ネコちゃん大好きかつお味」 のまたたびスナックなのである。 へへへ。 こいつを通勤カバンにいつもしのばせているサル的なヒト。 近所や大学のニャンコどもをメロメロにする秘密兵器である。
さらに東急ハンズで、古くなって水が漏れる我が家のお風呂のゴム栓の代わりを探す。 数日前、家人に 「ちゃんとサイズ測っておいてね」 と頼んであるから、後はそのサイズのゴム栓を買うだけ、という算段。 かつての山本五十六長官が計画した真珠湾攻撃もかくあろうという緻密な作戦である。
2階のゴム栓売り場に到着した私と家人。 おおっ、なんと素晴らしい品ぞろえ! ありとあらゆる大きさのゴム栓がミリ単位で陳列されている。 さすがに東急ハンズ、これだけそろっていれば、うちのサイズは必ずあるに決まっている。 太平洋に浮かぶ戦艦長門において奇襲成功を確信した山本五十六長官の気分で、家人に 「で、うちの栓のサイズは何ミリだったっけ?」 と尋ねたら、家人も 「ちょっと待っててね。 ちゃんと測ってきたから ・・・」 とこれまた自信満々で答えながら、持参のメモ帳を取り出した。
家人 「えーっとね、栓のサイズは 3 」
サル 「は?」
家人 「だからぁ、栓の直径は 3 よ、 3 」
サル 「・・・ は?」
家人 「 だいたい 3センチ よ。 そんなことも分かんないの?」
サル 「・・・」
メモ帳を横から覗いたら、そこには お風呂の栓 3 と書いてある。
さ、さん って、あんた、そんな大雑把な ・・・ ・・・ ガクッ (力なくその場に崩れ落ちるサル的なヒト)
私の勘違いかもしれないのだが、このメモ帳には、有効数字という概念が微妙に無いような気がする。 薬剤師国家試験(局方ね) の必須知識である 「正確に測る」 とか 「精密に測る」 の概念の違いとかも存在しない気がする。(注 2) Mean Squared Error などという概念も考慮されてはなさそうだ。 しかし、である。 その程度の薄っぺらい薬学的概念をここで持ち出すことによって事態が解決するはずがない。 なぜなら家人は、私なんかよりもはるかに立派で優秀な、実務経験もある薬剤師なのだから。
(注 2) 分からない薬学生はすぐに局方を読み直そう。 ついでに室温と常温の違いなんかもちゃんと思い出すように。 室温は、真夏と真冬の君の部屋の温度を思い浮かべれば、すぐに覚えられるぞ。
サル 「 あ、あのさ、もう一度、お風呂の栓のサイズ、測ってみようか。 今度は小数点とか、ミリとか、そういう言葉が出てくるような感じがいいかなぁー ・・・ な、なんちゃってね 」
・・・ というわけで、あくまで平和的な雰囲気の中で測り直した栓のサイズは 28 mm。 翌日めでたく我が家のお風呂は新品のゴム栓になりました。
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連休の最後は、周防監督の最新作 「舞妓はレディ」 を借りてきて観る。 面白かったよ。 トニー青木が最後にちらっと登場するのも楽しい。 最近、妙にとんがった、とんでもない設定で、状況にも登場人物にもシンパシーがまったく持てないダメダメ映画が多い中で、本作はさすがの安心感、安定感。 良い映画とはこういう映画だとしみじみ思う。
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という連休でした。 実は、この他にも衝撃的な買い物をしたのだが、それは次回に。