小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

春来たりなば 冬遠からじ

今日の記事は、中身が無いよ。 頭が脱力しているもんでね。

桜、咲いてますなぁ。 この季節の空気は時に生暖かく、そして時にひんやりと頬をなでる。 いやはや。 精神的に不安定な人たち(含自分)にとっては実に難しい季節である。 なんとも不穏な季節。 気が狂いそうな季節。 「桜が咲いて、めでたい、めでたい。 一献傾けますか」 なんて気分の人たちがうらやましい。 スマホで撮った桜の写真なんぞをブログやフェイスブックに載せて幸せな気分になるのが、現代風のお花見スタイルなんだろうけど、そんな気分にはまったくならないんだよね、最近。 思い浮かべるのは、「春夏秋は 冬を待つ季節― by 中島みゆき なんていう歌だったり、桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる by 梶井基次郎 なんていうフレーズだったり。

そして、「現世(うつしよ)は夢 夜の夢こそまこと by 江戸川乱歩。 眼前のこの光景は夢か現か。 「夢みるように眠りたい」 (林海象監督)のラストシーンの桜吹雪が思い浮かぶ。 あれは素晴らしい映画だった。

暖かくなるのは、生物としてはありがたい。 サル的なヒトは先週ついに、冬の間ずっとお世話になったヒート〇ックの上下を脱ぎ捨てたぞ。 ヒー〇テックって、冬の極寒時に寒さを防ぐ力がそれほど高いとは思えないのだが、暖かい時に着ると無茶苦茶暑いよね。 春先の満員電車の中などで、すさまじい効果があることを実感できる。 加齢臭まみれの汗だくヒートテッ〇。 皆さんも試してみよう(笑)

「今日は中身が無い」 などと書きながら、書き始めるとつい商売っ気を出してしまうのが悪いところだ。 先々週、外資企業の某社の方々に 「皆さん(ほとんどが薬学部などの理科系の方々。 大学院を出ていたりする人も多数)、大学を卒業してから一度でも 『微分』 の計算をしたことがありますか?」 と尋ねたら、なんと、ほとんどの人たちが 「無い」 と回答したのにちょっとショックを受けたのであった。 つまりそういう方々は、これまでの社会人人生の中で、業務におけるリソース配分の最適化だとか、市場が何を導き何を導かないか、だとか、社会における意思決定の合理性だとか、そういった問題にきちんと触れたこともないし、おそらくあまり興味もない、ということだ。 だって、まともな教科書の最初の数十ページを読めば、微分の一つや二つは出てくるもん。 こりゃいかん。 いかんぞ。

微分ができれば、上に挙げた諸問題に興味が持てるというものではない。 しかし、たかが微分が理由の一つになって知的好奇心や社会問題への関心が削がれることがあってはなるまい。 ここは心を鬼にして、春爛漫、現世(うつしよ)の桜花に酔う業界の教え子たちに宿題を出すのが、良い教師というものであろう。

はい、回答の提出期限は1週間後ね(笑)。 各社の統計担当者が回答を採点して、どのくらいできたかを私と貴社の心ある役員に報告してください。 情けない結果だったら、社内教育よろしく。 私の身体は一つなので、そこまで面倒見きれない。

数学をちゃんと勉強している高校生や大学生の皆さんのお子さんは、これくらいの計算問題は一瞬で解きますよ。 我々自身も数十年前にはちゃんと解けたのです。 むろんご理解頂いていると思いますが、ここでの問題は単に微分ができること(あるいは数学力)ではないのですよ。 「日本人は大人になるとバカになる」 という従来の日本社会のデフォールトをなんとかしないと、アベノミクスだのバイオイノベーションだのと叫んでいるだけでは、競争力が上がるわけがないじゃないの、という問題提起である。 会社だって、大学だって同じ。

勉強したい方、社員を勉強させたい方は、遠慮なくコンタクトしてください。

さて息抜き。 昨晩は東野圭吾の流行りモノ小説を一気に読み終える。

プラチナデータ (幻冬舎文庫)

プラチナデータ (幻冬舎文庫)

なんか最初から先々の想像がおおむねついてしまってイマイチだったのだが、皆さんの感想はいかがでしたか。 私の方が東野先生の本を読みすぎたのかなぁ。 映画は小説とは結論が違うらしいので、見てみるか ・・・ DVDが出たら。

遅ればせながら、こんなのも見たぞ。 「キツツキと雨

我が家の家訓の一つに 役所広司が出ている映画にハズレなし」 というのがあるのだが、今回も家訓の正しさが証明されましたね。 大作ではないけど、とても心やさしい佳作だと思いましたよ。 他にも 竹中直人がトイレのシーンに登場する映画にハズレなし」 というのもあるが、こちらはまぁどうでもいいか。