小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

配偶者に出会うかもしれない RC

世の中には、自分の知らないことがまだまだたくさんある。 先日ラジオを聴いていたら、有名な競馬の騎手がこんなことを言っていて、大笑い。

「馬ってヤツらは賢いからね、あいつらのほとんどはレースで全力では走ってませんよ。 ライオンか何かに追いかけられないと、あいつら全力疾走しません」

走る姿を見ているだけでは絶対にわからない豆知識である。 乗っているヒトにだけ分かるお馬さんの手抜き。 ムチを入れると早くなる馬と、逆にムチを怖がって(嫌がって)遅くなる馬がいることからも、馬さんたちが相当に人間的なのはなんとなく気付いてはいたが、まさか、人間様が命がけの大ばくち(笑)をしている大レースで、

「はいはい、走ればいいんでしょ。 走りますよ、もう。 面倒くせぇなぁ」 とか
「けっ、やってられっかよ。 このサル(騎手)、無茶苦茶ケツをひっぱたきやがってよ」 とか

ブツブツ言いながら、7−8割の力で走っているとは知らなかった。 でもそんな馬たちって、なかなかステキだとは思いませんか。 ちょっとミドリノマキバオーの世界。 そう思って競馬中継を見ていると、なんだかとても味わい深いものがある。

もう一つ、最近知った深遠な真実。 漫画家の西原と料理研究家枝元なほみさんが言ってた台詞だったっけ。

「最近のインスタントカレーのルーは、企業の研究によってすさまじく高品質に作られているから、主婦が 『どれどれ、我が家の隠し味を入れましょうね』 などと妙な工夫を加えると、確実に不味くなる」

これも大笑い。 手抜き主婦・主夫には素晴らしい時代が到来したということである。 というか、カレーにおいてはむしろ手抜きしないといけないのね。

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東大のレギュラーコース (RC)、先月無事に11期生が修了したのである。 受講生の皆様、本当にお疲れ様でした。 11年もやっていりゃ歳も取るよなぁ、自分 ・・・ などと鏡に映った自分の顔に呟きながら、隣で仕事をしている、同じく11年間事務局を勤めて頂いているおばさまおねえさまたちの姿をしみじみと眺めたりするのはちょっと危険だったりする。

今年度は、ついに、あの コーヒー (注 1) が講義の途中のブレイクで受講生に提供されたという、素晴らしい進化の年であった。 アウストラロピテクスから北京原人に進化したくらいの進化である。 うーむ、そのすごさが今一つ伝わらないのが悔しいのだが、RC10期生までの皆さんには伝わってますよね。 歯ぎしりしてるでしょ?

(注 1) 茶色い、苦い味のする液体である。 とても健康に良いとは思えない。 昔アラブの偉いお坊さんが恋を忘れた憐れな男に教えてあげたという言い伝えがある。

先日、RC5(5期生)の皆さんの同窓会が銀座であったのだ。 RC5期生は、数名の熱心な幹事役の方々が、受講生の間のコンタクトをとても丁寧に維持してくれているので、今でも同窓会を企画するとそれなりの数の方々が集まってくれる。 ありがたいことである。 それでも、最近では 「連絡しようとしてもメールが返ってくることが増えました」 とのことだが。 

私が何よりうれしかったのは、なんと、RC5期生のお二人が結婚して、ピチピチ・プリプリのかわいい息子さん (2歳) を会場に連れてきてくれたことである。 知らなかったからビックリ。 幸せそうなお二人の顔と、金色のブタさん人形をブーブー言わせながら、周囲の脂ぎった業界のおっさん・おばさんに警戒の鋭い視線を向ける聡明な顔立ちのピチピチボーイ (2歳) を見ていたら、

「ぐへへ・・・、ダンナ、これは新たな宣伝文句に使えますがな。 でへへ ・・・」

などとよからぬことを思いついてしまった。 次回のRCのキャッチコピー。

配偶者が見つかる (かもしれない) RC !

来年のRC12の案内状にそんな魅惑的な宣伝文句を使うかどうか検討中。 受講生が殺到するかもしれんぞ。

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日本の製薬業界 (当局を含む) って、アメリカ様というお釈迦様の掌の上で大騒ぎしている孫悟空たちのような存在である。 そしてこの状況は、少なくとも今後数十年は (つまり、このサル的日記の読者が働いている間は) 絶対に変わりようがない。 誓っても良いぞ。

皆さんは、アメリカでは、2050年までに人口が1億人以上増加する見込みであること、そして労働力も40%以上拡大する見込みであることを、知っていますか? 情けないことに、サル的なヒトは知らなかった。 その事実を知った時、なぜか苦笑いがこみ上げてきた。 つまり、これからも天才や賢人や起業家や変人や消費者や病人が日本一個分も増えて、ますます強い国になるということではないか。 いやはや、まいったなぁ。

アメリカがなかなか沈まない理由の本質は、むろん単に人間の数だけの話ではない。 例えば、不同意の同意 (あなたと私は意見が違う、ということに同意する) を受け容れる文化 (リベラルアーツ) に根差す多様性。 日本では、権力を持った強い人たち (お上・業界団体・学会) と異なる意見を堂々と表明すると、ほぼ抹殺されるからな(笑)。 もともと数少ない 「権力者」 や 「権威者」 の椅子の奪い合いのみに終始せざるを得ないニポン人。 まるで貧すれば鈍するの見本市だ。

沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価

沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価

この本を読みながら、科学においても政策においてもアメリカ様の猿真似しかできずに、タコツボの中の勢力争いに明け暮れて、次第にしょぼくれていく年寄りの国、ニポンの住人の行く末を考えていると、なんだか悲しくなったよ。