小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

健康診断でお茶を濁す

本日は職場の毎年恒例の健康診断。 職場の衛生管理は雇用者の義務だからな。 ただ、被雇用者の側が相当にたるんでいる。 昨年度から診断結果が紙で配布されるのではなく、「ウェブ上で各自が確認せよ」 ということになったのだが、実はまだ昨年度の結果を見ていない不届きな被雇用者がいるぞ。 おまえだよ、おまえ。 サル的なヒト(笑)。 だって、ウェブサイトのどこに載っているのか、よくわかんないし、ウェブ上で探すのが面倒なんだもの。 テヘ。 これって、「1年前から 『あんた、もうすぐ死にそうだぞ』 って検査結果で警告が出てるのに、それを放置したのはあんたの責任だからな」 ってお医者さんに叱られるパターンである。

医療とやらの周辺でメシを食っている自分がこうなのだから、世の中の人たちはもっといい加減だろうな。 でもさ、健康に対する意識はそのくらいのテキトーさで十分だと思う。 人は健康のために生きているわけじゃないもんね。 健康をネタにしてメシを食っている人たち (御用新聞の記者を含む) って、気が付くと素人さんに傲慢で自分勝手なことを平気で言い始めるから、危険極まりない。

「健康増進は法律上の国民の義務になりました」 と、何の屈託もわだかまりもなく、ニコニコしながら説明する薄っぺらいバカが増殖し続けている昨今、「新薬開発のための治験に参加するのは国民の義務です」 などと朗らかに主張する頭のネジがとんだ人たちが登場し始めてもおかしくないご時勢である。 素人の皆さん、騙されないように気を付けてね。 そんなものを、お上に命じられる 「国民」 の義務にしてはいけません。 治験は、愛 (と若干の打算)。 人類愛と同胞愛である。

関連して、大学の給料の明細書も一昨年くらいから 「ウェブ上で見ろ」 ってことになっている。 こちらの方も同様に、私はこの1年くらい一度も見たことがない。 だって、忙しいんだもの (笑)。 社畜の言い訳そのもの。 今、自分がいくら給料をもらっているかを全く知らないのに、会社 (大学) のために一生懸命に働いているという、ある意味共産主義すら超越した倒錯の世界である。 もし腹黒い大学の経営者が 「あのサル的なヤツは役立たずのバカだから、今月から月給3千円にしよう」 と意地悪をしてても気付かないわけだな、自分。 ムキー。

なんでもかんでもウェブ、ウェブ。 ウェブを見ないヤツは非国民。

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会社の定期健康診断って、死ぬ病気を新たに見つけてくれないけど、死ななそうな病気は見つけてくれる。 自分では分からない病気は見つけてくれないけど、自分でそれと分かっている病気は見つけてくれる (肥満とか近視とか)。 そんな気がしてどうも好感が持てぬ。 偏見だけどね。

あとね、半端ないお仕着せ感も嫌である。 例えば、サル的なヒトは血圧検査や視力検査は不要だから (時々測ってるもん)、パスさせてほしいのである。 胸部レントゲンも、少し前に違う病気 (検査) でX線たっぷり浴びたりしてたら 「今回はパス! 次回は受けるね」 で何ら構わんだろ。 人間を出荷前の大根か何かと同じように十把一絡げに扱う定期健康診断のこのイヤーな感じ。 この感じって、医薬品業界人が薬効評価と称して、この世に存在しない「平均人」 を作り上げ、「この抗がん剤の投与で2.5か月生存期間が延長しましたよ。 すごいでしょ? 延長したのが誰なのかは分からないけど」 などと胸を張っている姿に対する違和感と通じるものがある。

しかし、その不愉快な健康診断の中でも、一つだけちょっとドキドキする楽しい検査があるのよ。 それは、心電図検査。 検査技師のおねいさんが、あのタコのような吸盤がついた冷たい電極を乳首のわきに吸いつけてくれる瞬間、くすぐったくて思わず 「あふぅ!」 というあえぎ声が漏れたりしませんか?  自分の口からあえぎ声が出たのがおかしくて、「ふへへ・・・」 と笑いが止まらなくなったりする。 で、おねいさんに 「ちょっと、あなた、安静にしてないと検査できませんよ!」 と冷たく怒られる。 サル的なヒトの毎年の恒例行事である。 こんな情けない50歳がこの世にいてよいものだろうか、と思う。 

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今週の記事、また短くて申し訳ないのだが、ここまでである。 卒業論文修士論文の提出時期が迫っている学生さんたちの論文を添削しないといけなくて、ちょっと死にそうになっているので、勘弁しておくんなさい。

不満のあるヤツは、TSUTAYA に行って、このDVDでも借りてきなさい。 「セッション」。

無茶苦茶面白くて、無茶苦茶不愉快。 ジャズミュージシャンの菊地成孔氏が 「最低最悪のカス映画である」 と評していたが、私も同感。(注) それってこの映画には最高の褒め言葉である。 まだ見ていない人は、ぜひどうぞ。

(注) 偉ぶった連中がジャズを曲解し、汚して、妙なモノに仕立てやがって、この野郎! という感じで氏は怒っていた。 私も最近それとまったく同じ類の怒りを覚えている。 人類の宝である諸学問への敬意のかけらも感じられない、 「れぎゅらとりーさいえんす」 なる軽薄で意味不明なスローガンに対してである。