小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

モフモフ

♪ ぶんぶんぶん、ハチがとぶ―

キャンパスの中、たくさんの草木が花を咲かせていて、いろんな生き物が集まってくるのだ。 かわいいヤツもいれば、お近づきにはなりたくないヤツもいる。 たとえば今の時期、ツバキにはチャドクガの幼虫がわいているので注意が必要である。 怖いモノ見たさのあなた、ちょっと 「チャドクガ」 でググって見なされ。 画像見てるだけでアレルギー反応が起きかねないので、気をつけること。

しかし、かわいいヤツらもたくさん登場する。 その代表格が、ほれ、こいつだ。 クマバチ (クマンバチ)。

今の時期、ブンブンとすさまじい羽音をさせながら、蜜と花粉を集めている。 クマンバチって、観光地の藤棚なんかにもたくさんいますね。 そのお姿があまりに強烈にハチっぽいので、クマンバチが飛んでくると 「キャー」 だの 「ウギャー」 だのと悲鳴をあげて逃げ惑う人が多いのだが、実はクマンバチっておとなしい、穏やかな性格のハチなのである。 でね、ここが大事なところで、試験によく出るのだけど、オスは刺さない のよ。 知ってた?

ちなみに上の写真はメス。 なんとなく凶暴そうで底意地が悪そうでしょ? ヒトと同じ。 い、いや、メスも凶暴というわけではなくておとなしいけど、ムギュっとつかんだりしたら、刺すよ。 手で持ってもOKなのはオスの方。 オスはこんな顔をしてるよ。

オスの顔の特徴は、この白い鼻メガネ。 ふざけたパーティで仮装するときにかけるアレっぽいっしょ? なんかかわいくないっすか?

実際、私もつかまえて触ったことがあるのだが、胴体のあたりの毛がモフモフして、無茶苦茶かわいいのである。

日本橋あるいは霞ヶ関界隈の不健康で陰気な職場で鬱々と仕事をしている医薬品業界人のそこのあなたも、この鼻メガネの知識があれば立派なナチュラリストだ。 お昼休み、近くの公園に出かけてみよう。 鼻メガネがいたら、そーっと近づいて観察してみよう。 鼻メガネじゃない方 (メス) を見つけたら、ぶん殴りたい上司に 「クマンバチって触れるって知ってました?」 とだけ教えてあげるのがよかろう。

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今日は毎年この時期恒例の宣伝。 東大薬学系研究科の大学院入試説明会が5月21日(土) の午後にあります。 修士課程・博士課程で勉強してみようか、でも、仕事との両立大変かなぁ、などと悩んでいる方、週末の息抜きを兼ねてぜひお越しください。 これね → 入試説明会|大学院入試情報|東京大学大学院 薬学系研究科・薬学部 この日に限らず、大学院で勉強してみようかなぁという方には、いつでも詳しく学位取得への道を説明しますので、直接研究室にコンタクトしてください。 お待ちしています。

東大本郷キャンパスに来れば、ほれ、かわいいクマンバチにも会えるかも(笑) 

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レギュラーコース(RC)も12年目に突入。 今週月曜日から、長いような短いような半年間のコースが始まりましたよ。 例によって最初の講師はF原先生。 企業・当局いずれにも媚びず、「社会における医療のあるべき姿」 を、妙な空気なんぞ読まずに講義してくれるので、私はこの先生の講義スタイルが本当に好きなのだ。 そのことは昨年のRC初日のブログにも書いたっけ (これね → 老眼鏡と黒ケース - 小野俊介 サル的日記

製薬企業の皆さんはもうお気づきかと思うが、F原先生が解説してくれたこと、たとえば 「患者申出療養の制度的欠陥」 などを、「いやー、そのとおりです。 いい話を聴かせていただきました」 なんて貴社の上司にそのまま報告したら、たぶん、呆れられると思うよ。 「最近の超高価な抗がん剤が国を滅ぼしかねない」 なんて指摘もあったが、「まったくそのとおり。 困った話ですよね」 なんて素直に上司に報告したら、「キミ ・・・ もう明日から出社しなくていいぞ」 って言われても不思議ではない。 そんな危険な話である。

とりあえず (ややこしい概念や方法論は一朝一夕には身に着かないので)、あなたに求められるのは、あなたの拠って立つ論理と倫理を自覚すること。 かつ、稚拙でもいいから、それを言葉にして表現する技術も必要になる。(注 1) グループディスカッションを通じて、そのことに気付いてもらうこともRCの目的です。 半年間、ぜひ頑張ってください。

(注 1) さらに論理と倫理をちゃんと勉強したいヒトは、会社の上司・研修担当に頼んで、私の 「無料出張講義」 を社内で企画してください。 どの会社にも喜んで出向きます。

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というわけで、今日はちょい忙しいのでここまで。 ホントは前回までゴニョゴニョと説明してきた薬の世界の因果関係の歪み、添付文書に書かれていることの意味不明さ (を専門家と称する人たちが誰も指摘しないこと) について、山ほど書きたいことがあるのだが、あえて我慢することにする。 理屈っぽい仕事がらみのことばかり書いていると、女性読者 (家人を含む) に逃げられるのだ。(注 2)

(注 2) だからってクマンバチの顔をアップで紹介するのもどうかとは自分でも思う。

みなさん、今週も元気に頑張りましょうね。

あ、そう言えば、この映画は面白かった。 「人生スウィッチ」。 奇想天外なお話のオムニバスのようなんだけど、実は全然そうではなくて、今の日本でも現実にこの程度のことはフツーに起きていることに気付く。 というか、現実の方がずっと醜悪。

おすすめです。