小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

目まいがするほどドラクエしない

朝晩、だいぶ涼しくなってきましたが、皆さんお元気? ちょっと間が空いてゴメンね。 この頃、気苦労が重なってブログを書く気分ではなかったのである。 ドラクエを深夜までやりすぎて頭痛、めまいが止まらない、などということでは決してない。 家人に 「あんた、年齢はいくつなの? ゲームは一日1時間以内に決まってるでしょ?」 と怒られまくっているわけでも決してないことだけは強調しておこう。

ここ数週間湿気が高いので、本の自炊をやろうとすると紙の分離がうまくいかず、時々数ページがくっついて吸い込まれてしまう。 なんかタイのバンコック、マレーシアのクアラルンプールの室外の空気がこんな湿気だったよなぁ、と昔訪れた都市の気候を思い出したりする。 ほんと、東京の気候は変わってしまいました。

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先日、とある学会のシンポジウムにパネリストとして参加。

サル的なヒトは、最近はその手の学会シンポに参加することはほとんどない。 そもそも学会というものに参加する気分になることもほとんどない。(注 1) だって、医薬品開発や規制がらみの学会って面白くないんだもの。 新しい情報が得られるわけじゃないし、学問として尖った意見、面白い異説が聞けるわけでもない。 お仲間で流行のトピックのパネルディスカッションやって、お仲間で講演やって、お仲間がポスター出して。 政府広報の垂れ流しみたいなセッションもやたら増えた。 昔(二、三十年前)は、フロアから手厳しい質問・コメントをして、壇上のお役人や学会重鎮の顔面を蒼白にさせる名物センセイが何人かいたものだが、今ではその手のおじさんはいないし。 みーんな予定調和。 お役人・重鎮のご機嫌伺のつまらない質問ばかりである。

(注 1) 「学会がつまらない」 というのはおっさん・おばさんの意見である。 学生、若者(心の若者を含む)、初心者はどんどん学会に参加しなさい。 土台の知識が無い若者が業界の常識をまとめて勉強するのに、学会参加が最も効率的な方法であることは間違いない。 ほれ、次の臨床薬理学会は12月7日−9日、パシフィコ横浜だよ。 若者は、中華街などをフラフラせず、会場を隅から隅まで回って、先輩たちの知識をしゃぶりつくすように。 私もポスター会場には行くので、声かけてね。 世間話しましょう。

が、先日のそのシンポは恩ある大先生に依頼されたため、断ることもできず、参加したのである。 きっかけは何であれ、講演する以上はベストを尽くすのがオトナの流儀。 テーマについて何週間も熟考し、本気で聴いてくれる人はごくわずかにせよ、その人たちの心に届く講演・スライドを作成し、当日に臨んだわけである。 内容は、医薬品評価の世界の学問的な課題、たとえば 「薬が効く」 という表現の意味が全然伝わってないよ、とか、『医薬品の輸入超過が問題だ』 というけど、それのどこが問題なのかが分からない、といった、このブログの読者ならとっくにご存知の話ではある。

それらを真正面から取り上げて、ギャグとユーモアをまぶして陳列する。 講演はいつものとおりの (不) 出来であるが、まぁいいや。 一生懸命やったからな。

・・・ と思って、講演後帰り支度をしていたら、ほら、例によって何人かのこの業界の重鎮のおっさんたちが寄ってきた。 顔は笑ってるが、目は笑ってない。 「小野さんの今日の講演、面白かったよ。 でも、あなたの話は哲学的すぎて、ワタシらにはさっぱり分からない」。

ハイハイ、そうでしょう、そうでしょう(棒)。 この台詞を講演後に聞かされるのも毎度のことである。 何十年もの間、耳にタコができるほど聞いてますよ。 「哲学的」 が誉め言葉ではなく、嫌味であることも、とっくに理解してますよ。 ちなみに、皆さんよくご存知のとおり、私の学会での講演って、だいたいこのブログ並みの分かりやすさです。 医薬品業界の住人で、話の内容が分からないなんてことはあり得ない。

要はこの人たち、私の話が気に入らないのである。 というか、私が目障りで仕方がないのよね。 ストレートにそう言えばいいのに (笑)。 

むろんこちらはそんな嫌味ったらしい台詞は慣れっこだから、「ハハハ、すみませんね。 医薬品業界に不慣れなもので、新入生向けの易しい教科書に書いてあるようなことばかり話しちゃって」 などと嫌味で反撃するのもいつものとおり。

まぁそんなこんなで、毎度毎度多かれ少なかれ不愉快な思いをするのが学会のシンポである。 前にも書いたが、講演後に座長がいきなり怒鳴りつけてきたこともあるぞ (これね → バカ発見器 - 小野俊介 サル的日記 )。 いやはや。 こんな国でまともな学問やピチピチと自立した産業が育つとはとても思えんよ。 ため息。

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少し前に評判になっていた本だが、読み損ねていた。 もうすぐ映画化されるのね。

終わった人

終わった人

サラリーマンは皆、遅くとも定年が来たら、はいご苦労様、と組織から放り出される。 みーんな 「終わった人」 になるわけである。 「終わった人」 扱いされたくないから、必死で何かにしがみつこうとするけど、サラリーマン的には 「終わった人」 は 「終わった人」。 嫁さんとの関係もビミョーですね。 定年退職後、ドラクエやりすぎて家を追い出されるかもしれんなぁ、などと思いながら暗鬱たる気分で読了したのであった。

おすすめですよ。