小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

残暑

夏の終わりである。 おっさん、おばさんも、おセンチになってよいのである。


ずっと あなたの声が 去年の恋が
うたいながら 光りながら 耳をかすめた

ペダルをこいで 並んだなら
しばらくそばにいて

・・・ 昭和のおっさん、おばさんたちよ。 ほれ、泣きなされ。 思う存分、泣きなされ。 過ぎていった若き日の恋を思って、泣きなされ。 遠慮することない。 ここはサル的な国。


あなたの声に 去年の恋に
立ち止まって 涙ぐんで 季節を知るの

そんな暦を ありがとうと いつしか伝えたい

・・・ あーあ。 今年の夏も終わったのだ。

*****

どうも最近、よく眠れない。 よく眠れないという表現は生やさしいな。 状況ははるかに悪い。

悪夢を見る。 いろんなパターンがあるのだが、一番多いのはゾンビが出てくるヤツ。 外はゾンビで溢れかえった世界。 僕は部屋の中にいるのだが、なぜかそういうときに限って部屋の窓のカギがかかってないのよ(笑)。 「なんでカギをかけていないんだよ、もうっ!」 と怒りつつ、カギをかけようと窓に近づくと ・・・ バンッ!! と窓が開いて、青白いゾンビさんがこんにちは。 「う、うわぁ!」 と大声をあげて目を覚ますわけである。 全身がイヤーな寝汗でぐっしょり。

皆さんさ、頼むから夢の中の世界でもドアや窓の戸締りはきちんとしてくれよな。 おまいらがちゃんと戸締りしないから、俺が夢の世界で苦労するのだ。

でも先日見た夢では、なぜか部屋の鍵が部屋の外についていたっけ。 「一体それで、カギがカギの役割を果たしているのか?」 などと冷静に突っ込まないでほしい。 夢の中ではそうだったんだから仕方ないのだ。 その時も 「もう、こんな非常時にドアのカギをかけないとは何事だ!」 と、恐る恐る部屋を出てドアに南京錠をかけようとしたその時、バンッ!! と出てきましたね。 ゾンビさん。 例によって 「う、うわぁ!」 と自分の悲鳴で目を覚ましたのだが、 「南京錠でドアにカギをかけた後、どうやって部屋の中に戻るつもりだったのか、自分?」 は、永遠の謎のまま話は終わってしまった。

部屋に入ってきた小さなチビゾンビをプラスチック製の塵取りで必死で押し返した夢も見たなぁ。 あのときの感触は今も右手に残っている。

・・・ とまぁ、こんな地獄絵図に毎晩のように出会っているサル的なヒト。 52歳、男性。 どう? タダで映画が毎晩見れるのだから、うらやましい? ストレスチェックという子供だましのテストを受けると、毎回 「アンタ、お医者さんに行きなさい」 という診断が下されるが、診断・治療を受けたところでストレスの原因たる環境はなーんにも変わらないだろうが。 けっ、くだらねぇ。

*****

しかし、そんな私にも救いの神は存在するのだ。 それはラジオ深夜便。 そう、天下のNHKが誇るニポン最強の深夜放送である。 なんたって、一年365日毎晩、夜11時頃から朝の5時まで、途切れることなくラジオから生放送 (部分部分はもちろん録音だけど) でアナウンサーのおじさん・おばさんの声が聴けるのである。(注 1) 明石勇アナ、森田美由紀アナといった錚々たる顔ぶれのアナウンサーが、眠りが浅い高齢者にも、悪夢にうなされて悲鳴を上げて全身汗ぐっしょりで飛び起きたサル (52歳) にも、淡々としたあのNHKボイスで 「明日のお天気概況です」 と生で語りかけてくれるのである。 「まぁアンタ、落ち着きなさいよ。 ゾンビはこの世界にはいないみたいだから安心して」 と語りかけてくれる。 これを天の恵み angel of mercy と呼ばずして何と呼ぶ。

ビバ、NHK! 受信料バンザイ! とここに断言しておこう。

(注 1) 民放はダメである。 あいつら、日曜日の夜とか、放送止めちゃうんだから。 ゾンビが最も出やすい時間帯なのにね。

ところが先日。 いつものように悪夢にうなされて目を覚ました午前3時50分。 当然まだ真っ暗である。 ドキドキが止まらない。 なんかの発作が起きそうな予感。 や、やばいぞ、これは ・・・ と思って、あわててラジオ深夜便をつける。 いつものように女性アナウンサーの落ち着いた声が聞こえてきた。 ホッ。 少し安心して番組に耳を傾けていたのだが ・・・ むむ? 何やら様子がおかしい。 なんなんだ、この番組の息苦しさは? 気持ちが全然楽にならん。 ただひたすらに胸が苦しくて、放送内容がまったく頭に入ってこない。

脂汗流しながらじっと我慢して聞いていたら、女性アナウンサーから番組の締めが。

「えー、この時間は 『自殺は罪?』 というテーマで自死遺族会の○○代表にお話をうかがいました」

・・・

・・・

じ、時間帯を考えてくれませんか、NHKさん。 受信料もう少したくさん払いますから ・・・

*****

とかなんとか言いながら、馬鹿ザルは相変わらず悪夢を追い続けるのだ。 それもとびっきりの悪夢を。 まったく懲りていないぞ。 リドリー・スコットの最新作 「Alien Covenant」。

見終わった後の後味の悪さはエイリアンシリーズの中でも本作がNo.1かもしれん。 さすがはスコットじいさん (80歳)、夢も希望もないエンディングはもう最高である。 今後この続編が何作か登場するそうなので期待できるよね。

つまりは、おすすめです。 点数は5億2千万点かな。 見るべし。