小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

来年も我が道を行かない ・・ いや、行く

今年も恒例、小田和正クリスマスの約束 (TBS) を見る。 今回は番組冒頭の 「ご当地紀行」 がサイコーであった。

岩手の小さな駅のホームで電車を待つ小田さん。 そこに帰宅途中のたくさんの小学生を乗せた電車が到着する。 黄色い帽子と赤いランドセルの小学1年生くらいの小さい女の子たちが、元気に小田さんの横を走り過ぎていくのだけど、一人の子が小田さんに気付いて 「・・ ん?」 と立ち止まる。 小田さんをじーっと見上げたまま固まっている。 「このおじさん、どこかで見たことあるぞ?」 の顔。

この子たちが70歳過ぎのおじいさん歌手の名前など知っているはずはないのだが、でも、このヒトがテレビに出てるなんか有名なヒトであることは嗅ぎ取ったらしい。 で、しばらくしたら 「クリスマスの約束に出てるヒト」 にまでたどり着いたのである。 きっとお父さん・お母さんが見てるのだろう。 いや、おじいちゃん・おばあちゃんかもしれんな。

ランドセルから取り出した自由帳にサインしてやる小田さん。 芸能人からサインをもらうなんて生まれて初めての経験で、女の子はうれしくて仕方がない。 駅を出てからも小田さんに手を振り続ける。 駅前を歩く大人たち誰彼構わず自由帳のサインを見せまくる。 しまいには走っている軽自動車の運転席のおばさんにまで自由帳を見せて、車に轢かれそうになってたのである (大笑)。

よかったね、お嬢ちゃん。 一生忘れられない、夢のような経験になったことだろう。 そういう感動をすっかり忘れてしまったオトナの自分は、女の子のはちきれそうな笑顔を見ているうちに、なぜか涙がハラハラと ・・・

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サル的なヒトは 2019 年も無料出張講義がんばったのである。 手帳を見返すと、大阪の(というか、もはや東京の、か)T社、明治座の上の Y 社、大阪駅そばの天空の城あたりにある AZ社、日本橋の TM社、東京駅そばのステキな本屋オアゾそばに東京オフィスがある B 社 (継続中)、そして日野市あたりの TJ 社の研究所。 

おおっ、今年は6社もやったのか! すごいぞ、自分。 よくやったな、自分。謝金を一銭も貰わないどころか、むしろ費用・リソース完全に持ち出しなのに よくやるよ、自分。 変質者かもしれんな、自分。

東京大学も、厚労省も、PMDAも、製薬協も、PhRMAも、EFPIAも、薬学会も、臨床薬理学会も、薬害オンブズパーソンの方々も、朝日新聞も、週刊現代も、RISFAXも、誰一人として褒めてくれないのに、よくまぁ10年近くも頑張ってるなぁ、自分。

実は時々、仲良しの大学のセンセーに 「無料出張講義、楽しいよぉ。 どう、一緒にやらない?」と声をかけてみるのだが、たいていは引きつった笑みを浮かべてお断りになるのである。 不思議で仕方がない。 

 無料出張講義(全10回の講義。 講義先に私が出向きます) では、医薬品・医療の世界の住人に必要な 「知恵」 を教えます。 単なる業界ノウハウではなく、この世界・社会で胸を張って生きるための知恵・知識をきちんと教える。 これって言うほど簡単ではありません。 既存の教育媒体・機会 (大学の研究室・講義、学会のセミナー・シンポ、お上の研究班・広報活動、エラい大先生を呼んでの講演など) では絶望的に困難なのですよ。

だって、大学やお上の教育媒体にはそもそも文科省厚労省のルールがあるし、前例主義に従わないといけない。 加えてこの医薬品業界には、地獄のような (笑) しがらみ、利権 (天下り)、忖度、ビジネス勘定がある。 招待講演をやるようなエラいセンセーってみんなにチヤホヤされすぎるからか、自分の専門・経歴を自慢する話しかしない。 そんな中で行われる教育・訓練が放っておいたらどういう感じになるかは、みーんなよく知ってますね。

だから私は私のやり方でやる。肩書がエラそうな奴ら、お上・業界・学会の重鎮への忖度は一切しない。 動機の根底にあるのは学問愛と人類規模の同胞愛のみ。 でも独りよがりにならぬよう、優れた教育機関 (欧米の大学院) で教えることはちゃんと真似する。

どうだ、それで文句あっか?

ちなみにこれまでに出張講義を受けた人たちの数を計算してみたら、軽く600人を超えていることが判明。 みんなその後元気ですか? 私の講義が役に立ったと思うヒトは、お菓子の箱の底に小判とかスーツ仕立券とか入れて持ってきてもいいからね。

2020年も無料出張講義がんばる予定。 これから講義が始まる D社、K社の皆さん、がんばって勉強しましょうね。 人類の知恵を学ぶのって無茶苦茶に楽しいよ。

はい、では今日の講義を始めましょうか。 テキストの4ページを開いて。 今日は倫理ですね。 副作用について製薬企業の方々が無意識に使っている 「二重結果論」 の構造について考えてみましょう ・・・

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マンガって玉石混交なので、最近は 「このマンガがすごい」 的な本の評価に頼ることが多い。 今回紹介する2冊もその手の本でとても高く評価されてましたよ。

 

ロボ・サピエンス前史(上) (ワイドKC)

ロボ・サピエンス前史(上) (ワイドKC)

 

 ロボットと人間が共存する未来のお話。 といっても主役は人間ではなくてロボットの方。 ダメダメになって滅びゆく人間に寄り添うロボットたち。 科学者のおねえさんが、自らが開発した3体のロボットと別れるシーン。 何万年も生き続けるロボットたちに科学者が最後にかけた言葉が素晴らしすぎる。 この感動をサル的日記読者のあなたにも味わってもらいたい。 

 

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)

 

 こちらは分かりやすく楽しいぞ。 熟達の漫画家によるサイコーのエンターテインメントという感じ。 1巻で登場するエレガンスじじいって、30年くらい前の 「ツルモク独身寮」 というマンガに出てた寮長のジジイに語り口や雰囲気が似ていて大笑い。

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というわけで、みなさん今年もおつかれさまでした。 よいお年をお迎えください。

あ、うちの研究室の学生は冬休み中もちゃんと勉強しろよ。 次のセミナーでは量子コンピュータの原理、質問するからな (笑)。