小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

低みっ!

メリークリスマス! 宗教も道徳もないニポン人には最高のバカ騒ぎシーズン。 クリスマスだから、おじさんもヤイコと一緒に歌っちゃうぞ。 「恋バス」。


ねぇ あなたはいま何をしてるんだろう?
毛布にくるまって ずっと考えてる

というわけで、皆さんお元気? 年の瀬の雰囲気になってきましたね。 小田さん恒例の 「クリスマスの約束」 ももうすぐ。

先週のライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル(土曜日夜10:00-12:00 TBSラジオ)の 「低 (ひく) みっ!」 のコーナーで紹介されたじいさんの話には大笑い。

低みって言われてもピンとこないよね。 それはこんな定義である。

人に、迷惑はかけてない。 犯罪でもなければ、マナー違反になるかどうかもわからない。 ただし、確実に、人としてなにかが ・・・ 「低い」。 そんな投稿を紹介する人気投稿コーナー 「低み」。

ほれ、皆さんにも経験あるでしょ? 本屋では上から3番目の雑誌を取るとか、ワンコやニャンコの肉球のニオイをなぜか嗅 (か) いじゃうとか、自分のパジャマの襟の加齢臭を嗅いでから着るとか、一日中はいてた靴下のニオイを嗅いでから洗濯カゴに放り込んでしまうとか、きれいなおねえさんが隣に座ると必要以上に嗅いじゃうとか ・・・ あ、あれっ? それって、オレだけ? サル的な低みってことか?

それはさておき、低いじーさんの話。 じーさんの息子さんからの投稿である。

私の父の話です。 父は出かけるときでも、洗濯カゴからテキトーに触れたものを着て、髭もぼうぼう、禿げているのに髪はボサボサと、低いじーさんなのです。
 
10年前のある日、事件は起きました。 親戚のヒトと父と私の三人で上野で焼肉を食べようと、上野公園で待ち合わせをしてたのです。 待ち合わせまで、父は博物館に行くとのことでした。 待ち合わせ時間になり、私たちが待ち合わせ場所に着くと、父はプラスチックの容器を持って、何かを食べているのです。

父に近づき、「これから焼肉行くっていうのに、何を食ってんだよ!」 と聞くと、まさかの答えが。

「炊き出し」

親戚と私は固まりました。 そうです。 父はホームレス向けの炊き出しを食べていたのです。
 
「なにやってんだよ!」 と怒る私。 ドン引きする親戚。 「ちがう、ちがうよぉ!」 と言い訳をする父。

経緯を聞くと、こんな感じだったらしいのです。

父が待ち合わせ場所の上野公園にぼんやり立っていたら、おばさんに話しかけられたのだそうです。

おばさん 「あのぉ、よかったら、時々炊き出しやってますから」

父はなんのことか分からず、おばさんの視線を追ったところ、ホームレスの炊き出しが。 そうです。 おばさんは父の風体を見てホームレスと認識し、さらに炊き出しに並ぶことを躊躇していると思ったらしいのです。

父はあわてて否定し、仕事をしていることも伝えたらしいのですが、おばさんは

「大丈夫よ。 働いている方もいます。 気にしないで。 これ食べて」

と豚汁とおにぎりを渡してくれたのだそうです。

父はお金を出して、自分がホームレスでないことを示そうとしたらしいのですが、ふだんから財布を持たず、マネークリップにくしゃくしゃの札をはさんでいる低いじいさんなので、

「ダメよ。 危ないでしょ。 こんなところでお金を出しちゃダメ」

と逆におばさんにたしなめられる始末。

結局おばさんはこのスタンスを崩すことなく、「豚汁だけでも食べていきなさい」 と豚汁を渡してくれたそうです。

何と心温まる低みだろう。 おばさん good job ! この手の不謹慎な笑い話が私は大好きである。 私もおおむねこんな感じの低いサルだもの。 低みは低みを知る。

上野といえば、サル的なヒトも35年前の春、 「自衛隊に入らないか、キミ?」 と何度も勧誘されたっけ。 土木作業員が着るような、父のおさがりの古コート着てたから、自衛隊のおっちゃんも声をかけやすかったんだろう、きっと。 家出少年そのものの死んだ目をしてたのかもな。 時はバブルの真っただ中。 DCブランドなんぞで着飾っていた若者に声をかけてたわけないもんな。  

*****

見ました。 「ハクソー・リッジ Hacksaw Ridge」。 宗教上の理由から銃を持たない兵士 (衛生兵ね) のお話。

メル・ギブソン監督なので、見る前から話のトーンは予想できたけど、映画のスジ自体はお涙もの。 が、第二次大戦の沖縄戦が舞台なので、なんとも辛い。

映画の中では日本兵は単なる敵兵。 思い入れも配慮もまったくない。 出てくる日本兵の多くが、体格が良くて、お肌がつやつやしていて、明らかに飽食の中年体形、つまりデブ。 そんな日本兵が当時いるわけねーだろ。 誰か監督に注意するヒトはいなかったのだろうか ・・・ と最初は思ったが、違うのね。 確信犯なんだね、それ。 メル・ギブソンの野郎、おそらくは憎々しい日本兵像を 「つくる」 ために意図的にそうした役者を使ったのね。 けっ、くだらねぇ。 クリント・イーストウッドの爪の垢でも煎じて飲みやがれ。 (これ読んでね → 気骨のあるジジイは素敵である - 小野俊介 サル的日記)

It's a hell of a thing, killing a man.
ヒト殺しっていうのは、くそったれなんだよ。