小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

死んだふりしてれば、月日は流れる

・・・ ん? 今日は何月何日? まただいぶ長い間昼寝してたぞ。 なんか桜のほのかな匂いがする。 そういう季節か。

で、皆さん、世の中で起きているいろんなことにはもう慣れた? えっ、まだ慣れてないの? おかしいなぁ。

  • ウィルスは人間ごときの空気なんぞ読まないこと。
  • お上と専門家の言葉 (文章、用語) のワンダホーなまでの意味の無さ。 大本営発表やメディアの記事が、瀬戸際だの、水際だの、蔓延の立上りの抑制だの、検査による医療の崩壊だのと、定義もクソもない意味不明語をワァワァ並べてるだけであることがよく分かったでしょ? 「ここ一、二週間が山場」 なんてミニにタコ、いや、耳にタコになりましたね。 ちなみに、そこのニブいあなたでも、これらの言葉が薬効評価や承認審査で使っている言葉の意味不明さといい勝負であることにも気付いたよね。 有効性だの、安全性だの、「ベネフィットがリスクを上回る」 だの、臨床的有用性だの ・・・ 。
  • 専門家の方々の惨めなくらい当たらない将来予想。 サル人間の科学の限界を背負わされているので正直気の毒ではある。 でもこの人たち、自分の頭を随時ベイズ更新してるから 「オレは間違えてない」 と言い続けてる。 世間からぶん殴られ続けている専門家って、ちょっとパンチドランカー化してると思う (笑)。
  • シロウトさんによる、さらに当たらない将来予想。 新規感染者数/日が少し下がるたびに 「こんなウイルス大したことない。 蔓延はこれで終息・収束する」 と断言する経済学系のおじさんがいる。 予想が当たらないもんで、偏執狂のように次々に twitter に言い訳を投稿する。 痛々しい。
  • この段階に至ってなお 「ニポン人がどのくらい感染してるのか」 を胸をはって (高い精度で) 推定できる専門家が誰一人いない。 お上がサンプル歪めまくってるから、天才データサイエンティストでも AI (笑) でもまともな推定は無理。 この状況って、新薬の開発が 「母集団」 を無視した統計学で支えられている状況とそっくりであることに、製薬業界人は気付こうね。 あ、「気付いているけど、無視してる」 んだったね、ごめんごめん。 
  • これまでのどの時点のどの判断・決定についても 「すまんかった。 あの判断は間違えてた・怪しかった」 と誰一人言わないお上の専門家たち。 こんな人々が信じられるわけがない。 米国 NIAID のトップなんかいきなり 「すまんすまん。 初動を誤った」 と国会で堂々と言っておったぞ。
  • オリンピック戦線では、泥沼のインパール作戦を継続する大本営。 サルって、かけっこや玉遊びや重い物持ち上げたりする遊びが好きなのな。
  • 下級国民は入手できないマスク。
  • 保存食品やトイレットペーパーを気が狂ったようにバカ買いする爬虫類のような眼をした阿呆ども。
  • 相変わらず大口開けて唾を飛ばしまくる酔っぱらいがあふれてる渋谷、新宿。 そういえば3月11日の大震災の夜の銀座線にも、大声を出して大笑いしてる酔っぱらいオヤジたちが乗っていたっけ。

ほら、もうとっくに見慣れた光景でしょ。 遡ること昭和の時代から、ニポン・ニポン人はずーっとこうだったじゃないか。 この光景、もう見飽きたでしょ。 ウィルスさんの底力にはあらためて驚かされるが、愚かな人間の所業が原因となっている惨状については、目新しいことは別に何もない。 あなたが気に病んでもどうにもならんよ。

 

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まだ人間の心が残っている恵まれた皆さんへ。 人間なんだから正気を保とう。 かわいそうな人たち、困っている人たち、弱い人たちを助けよう。 

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で、マスクは相変わらず買えないのである。 オラのマスク、今日で15日目 だぞ。 でも、そんなに臭くはないのよ。 前回の記事の時よりは進化した。 フフフ。 なんと、マスクの内側にティッシュペーパーを挟むという裏ワザを覚えたからな。 上手に挟まないと、息を吸う時に鼻の穴に詰まって死にそうになるから注意すること。

15日目のマスク、鼻と顎があたるところは黒光りしてる。 一番困っているのはゴムひもがゆるくなること。 密着度が下がっているので、気づかぬうちに中のティッシュがダランと下に垂れてきてしまうのよ。 うーむ。 

本郷三丁目交差点でツタンカーメンのような怪しい風体のおじさんを見かけたら、それはサル的なヒトである。 「おじちゃん、ティッシュが出てるよ」 とぜひ注意してほしい。

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無料出張講義。 歴史と伝統ある独のグローバル企業 (社名は挙げられないので、仮にB社と呼ぶ。) での講義の最終回 (10回目) をスカイプで行う。 皆さん、お疲れさまでした。 Оさん、Cさん、お世話になりました。

最終回は、薬効評価と反実仮想 (counter-factual) の関係を、分析哲学の可能世界論 by David Lewis にまで遡ってきちんと説明したり、反実仮想ベースの因果の確率 (安堵の確率、後悔の確率) が 「薬が効く」 とどうつながるのかを説明しました。 新ネタだけど、面白かったでしょ? 実は、薬効評価の推論の闇 (帰納法の闇) とか、無限論の哲学とルール (治験の品質チェックリスト) の関係についても、もっと面白い話ができるのだが、時間が足りなくてすみません。 希望があれば advanced course をやりますので、研修担当の方にそうお伝えください。

そうだ。 論理学をまったく勉強したことのないヒト向けにとても良い教科書が最近出たので紹介しておきます。 野矢先生の本はおすすめだよ。 

まったくゼロからの論理学

まったくゼロからの論理学

  • 作者:野矢 茂樹
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本
 

 大学の講義もスカイプや zoom を使わざるを得ない状況である。 スカイプを使った今回の講義でも、受講生の皆さんの顔を見ながらの即興のやり取りができないのがなんとも辛く、講義のキレがイマイチでした。 すみません。 スカイプだと、私の戦闘力ってベジータからクリリンに落ちてしまう感じなのよ  ・・・ いや、それじゃ何のことか分からんな。 もっと分かりやすくたとえると、ガラスの壁を挟んでるため、ご主人様の臭いが嗅げずイライラしてるワンコのような感じ。 うーん、ますます分からんか。

そういえば、バレンタインにチョコを頂いた大阪のお二人にホワイトデーのお返しをする機会を失してしまった。 ごめんなさい。 東京に出張の際に、ぜひ、私の研究室にお返しを取り立てに来てください。 本郷キャンパスには鯛めし屋さん、イタメシ屋さん、洋食屋さんがあってどこもおいしいっすよ。 ごちそうします。

B社のお二人に限らず、私の無料出張講義を受講した方ならどなたでも遠慮なく研究室に遊びにきてください。 生協食堂でならごちそうできます (笑)。 こんなご時勢だから今すぐは無理かもしれないが、落ち着いたらぜひ。 美しい新緑の季節は、ほら、もうすぐそこだ。

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つらい状況だが、みんなで生き延びましょう。 なーに、頭上のB29から焼夷弾が降ってくるわけじゃないのだから全然大丈夫。 なんとかなる。

在宅勤務が続いてホントに気分的に落ち込んじゃったヒトもいるかな。 そういうヒトは当面、死んだふり をしましょう。 上手に 死んだふり をしてれば、いつの間にか月日は流れてくれます。

じゃまたね。 あ、死んだふりをしてる間も、忘れずにメシは食えよ。