小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

守衛さんのことを悪く言わない

固く閉ざされていた東大本郷キャンパスの門が、今週やっと開かれた。 ほぼ二年間にわたり、「キャンパス内は学外者立入禁止」 という誰一人信じていないタテマエを東大はマジで実践していたのである。 私が大学に入ろうとすると、門のところに守衛さんが立っていて、

「おいっ! そこの挙動不審なサル的なヒト! 賞味期限が本日までの30円引きのアンパンを大事そうに抱えてるあんただよ、あんた! 大学に何の用があるんだ? サルは大学には入れないのよ。 シッシッ!」

などと怖い顔していつも怒られていたのである。

が、今週の月曜日からは、怖い守衛さんがゲートにいなくなった。 近所の保育園のチビッ子たちや、散歩中のワンコや、賞味期限が切れかけたアンパンを大切に抱えたサルがキャンパス内に入れるようになったのである。 東大を見物に来たお客さんたちの楽し気な笑い声も復活。 これで、倒産しかけてた生協さんも一息つけるかもしれん。 よかった、よかった。

二年ぶりに戻った光景、キャンパスの日常であったはずの光景を眺めているうちに、じんわり涙が。 すっかり心が弱くなってしまったことを自覚する自分。

 

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というわけで、皆さんお元気? また記事の間隔が開きすぎるといけないので、ちょっとなんか書き込もうかなどと思った金曜の夜 21時なのである。 この時間になると秘書のおねいさんも学生もいないし、Zoom で面接指導を申し込んでくる社会人もいないので、のんびりした気分になれる。

週末を迎えるのんびりした気分に浮かれてしまい、実はさっき、ほんの息抜きのつもりで、映画「エクソシスト」のエンディングを youTube で見てしまった。 なぜ唐突にそんなものを見てしまったのかは自分でも分からない。 が、そのせいで、猛烈な尿意に襲われているにもかかわらず廊下をはさんだ暗いトイレにいけなくなってしまっているのである。 人がいなくなった夜の大学は怖い。 誰か助けてほしい。

それはさておき、本郷では大学のゲートが開いたこと以外にももう一つ重大ニュースがあった。  なんと、本郷三丁目の駅前にあの バーガーキング が新しく開店するのだ。 そう、アメリカでマクドナルドと人気を二分するチェーン店。 ’Whopper' を注文するとき、カタカナ英語の日本人としては 「ホッパー」というべきか 「ウォッパー」 というべきかが分からず、いつもドキドキしてしまうあの店だ。 なぜか日本では店舗数が少ないのだが、マクドナルドよりもトマトや玉ねぎの野菜シャキシャキ感が強いので、私はバーガーキングの方が好きなのである。

コロナ禍で撤退した店がやたらと目立つ本郷通りにも復活の兆し。 なお、大昔の本郷通りのことをご存知の方々にも報告しておくと、ずーっとパチンコ屋があったところにはスーパーマーケット (マンション)ができましたよ。 古いお店、特に飲食店は何一つ残ってないのですが、漢方薬局と補聴器屋さんと靴屋さんは残っております。

あとね、山上会館の中に入っていたおいしい鯛めしのお店は撤退(戻って来てくれないかなぁ)。 うちがやってる研修コース(医薬品評価科学レギュラーコース、RC)の受講生には懇親会会場でおなじみ、医学部の14階に入っているイタリアンレストラン 「カポペリカーノ」 はお弁当だけで営業中。 が、今週からのゲート開放で、もう少ししたらまた元の営業スタイルに戻るかもしれん。 期待してます。 というか、応援して食べに行きますのでがんばってください。

毎年「カポペリカーノ」でレギュラーコース受講生の皆さんが楽しく会話し、大笑いしていた情景が遠い過去のことのように思い出される。 この2年間は懇親会どころか、講義の現地会場すら設定できない状況だったのである。 ・・・ あ、また涙が。

来年度のレギュラーコースをどこまで現地参加型に戻すかはいま検討中です。 オンライン研修は体力的・時間的に楽であることは確かである。 オンラインで初めて参加可能になった関西在住の方もいたりする(ご参加ありがとうございました)。 でも、顔をあわせないとディスカッションや人間関係が深まらないことも、この二年間でよーく分かったのである。 よく言われる「ハイブリッド型」にしたとしても限界はある。 

うーむ。 今、悩み中。

 

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養老先生の最新刊 「ヒトの壁 (新潮選書)」。 先生、体調が悪かったようなので心配していたのだが、こうやって新刊が書店に盛大に並んでいるのを見るとうれしい。 私は例によって、ニャンコのまるちゃんとの思い出を語る最終章から読み始める。 肩の力が100%抜けた達意の文章。 それをそれとして楽しめる年齢に自分もなったのだなぁと思う。

 

ヒトの壁 (新潮新書)

 

森岡正博先生の「まんが 哲学入門(講談社現代新書)」。 だいぶ前から気にはなっていたのだが、「所詮マンガだろ」 とナーメテーターしてたよ。 すまんすまん。 哲学の諸概念の頭への入り方が半端ないぞ、これ。 言葉では表現できないことがマンガでは表現できることを実感。

 

私がやっている無料出張講義・寺子屋講義で Wason の4枚カード問題(表が数字で、裏がアルファベットで、「奇数には母音」 が対応してることを確認して、というやつね) を紹介しましたよね。 その講義で 「最近の心理学・行動ゲーム理論では 『人間って、社会の裏切り者を見つけ、処罰する』 能力が (もしかしたら進化の帰結として)異様に発達してしまった』 説というのが有力なんですよ」 と説明したのだが、覚えている受講生はいますか? そのあたりに関するとても分かりやすい読み物がこれ。 「最後通牒ゲームの謎」。

 

 

小林先生のこの本、とても面白いです。 あ、そうだ、薬の製造工場で、誰も見てないとこっそり手抜きして、GMP違反のテキトーな薬を作ってしまう体質がどうやっても抜けない製薬会社の人たち向けの実践的な対策も書かれていますよ。 気になるでしょ? 気になった人は書店へGo!

 

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というわけで今日はこの辺で。 さっきニュースを見てたら、また感染者数が増え始めてるのですね。 しかし、ここで負けてなるものか。 だって 「カムカムエヴリバディ」 でもうすぐ深津絵里ちゃんが登場するのだから。