小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

顔をこっちに固定したまま大声で話さない

経済学を少しでもかじった人なら、先生が 'Incentive matters.' という表現を使っているのを耳にした記憶があると思う。 もう少し分かりやすく、「ヒトは他人や制度の思惑どおりには行動しない」 と表現されることもある。 ほら、医薬品研究開発促進策と称する施策で、お上の意図どおりに物事が進んだことなど一度もないでしょ。 最近ではもう少しややこしいメカニズム (内生的な選好形成) をモデルに持ち込んで、それを説明する流派もある。

最近よく紹介される例では 「託児所で子供をピックアップする時間に遅刻する親が多いので、託児所側が頭にきて、遅刻に対する罰金を課したら、なんと、遅刻する親がますます増えましたとさ」 (ボウルズのテキストに出てます) がある。 こざかしい経済学的インセンティブを導入して効率を達成しようとすると、人間の大切な道徳・規範がぶっ壊されるという、とても気分の悪い例である。

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いつも大学の生協で昼飯を食べるサル的なヒト。 御多分に漏れず、東大生協の食堂も、先々週から、席が一つおきになるように、また、向かい合わせに座らないようにマークがついている。 誰かが食事をすませて席を立ったら、食堂の係の人がすかさず寄ってきてテーブルをシュッシュとアルコール消毒、という完璧な体制である。 すごいぞ、生協! ありがとう、生協! これなら安心だ。 というわけで、日々学食に通っているのである。

ところが、今週になってキャンパス内の人の数が増えるにつれ、困ったことが起き始めた。 そんなふうに意図的に人と人の距離を開けた状況で、むしろ前よりも大声で盛大に会話をする連中が現れ始めたのである。友達何人かで連れだって来た連中ね。 年寄りも若いのもいる。

私は決して偏屈な自粛警察官ではないし、リスクの高い県外ナンバーの車にマジで石を投げる一部の岩手県民のようなキチガイでもない。 メシを食いながら多少の会話をするくらい気にもならん。 問題なのは、生協でメシを食う東大の職員や学生が、この環境に生物学的に見事に適応して、より危険な生き物に変わり果ててしまったことである。

人と人の距離が伸びて声が届きにくいので、こいつら、首をしっかり真横に向けて、顔と顔を完全に正対させた状態で会話 をする。 席が離れた分、普段の2倍くらいの声量 を出しやがる。 それも やたらとはっきりした滑舌で(笑)。

その結果、そいつらの声と唾が、隣で大口開けてメシを食っているサル的なヒトの方向に、正確かつ大量に着弾する のだ。ゴルゴ13の狙撃並みの命中率かもしれん。 おい、そこのねーちゃん。 頼むから、顔をきっちり90度横に曲げて、オレに向けて固定したままベラベラと話をし続けるのは止めろ。 な。

殺意を覚えましたね。 ほんのちょっとだけど (笑)。 いや、そのおねーちゃんが仮に長澤まさみさんとか綾瀬はるかちゃんなら、俺は文句は言わん。 むしろ敗れて本望というべきである。 でもそいつはどこからどう見ても長澤まさみでもないし、綾瀬はるかでもない。 

・・・ ま、まぁそれはともかくとして、ほら、これって 「ヒトは他人の思惑どおりには行動しない」  の分かりやすい例である。 インセンティブ (環境の変化) のせいで、行動が変わっちゃったのね。 友達どうし向かい合って超近距離でペチャクチャやっていた以前よりも危険な生物になり果てておる。 鬼舞辻無惨の血が多めに入った鬼のようなもんだ。 分かりにくいたとえで恐縮だが。

それにしても 「給食は黙って食べましょう」 って小学校の先生によく言われたものだが、最高学府の学食でそれを掲示しないといけないって情けないよなぁ。 あ、最高学府って言葉、もはや死語か。

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一日ごとの感染者数が数百人レベルになったのに、今回はみんな開き直って無視してますね。 単なる慣れ以外の何物でもない。 もう笑うしかない。

大騒ぎを始めて4か月も経っているのに、ホントのところ何人くらい日本に感染者がいるのか、どこでどのくらい感染が起き続けているのかを、政府も専門家連中も誰一人胸をはって説明できない惨めな三流国ニポンに住んでいるのだから、もう諦めろ。 なるようにしかならん。 おまいらご自慢のニポンモデルでなんとかしろ。 な。

私自身4か月前に、疫学や予防医学専門家の言語能力がここまで低劣だとは予想してなかったことはここに白状しておく。 リスクコミュニケーションなどというシャレたレベルの話以前の問題として、あの人たち国語ができないのね。

数か月前のブログ記事で、PMDA の 「まともな」 審査官が、お上が発表する 『新規感染者数』 などという呼び名を申請資料に見つけたら、「お前らバカか? あれのどこが新規感染者数なんだよ?  あれは 『お役所の報告受付数』 だろ? 意味が全然違う日本語を使ってあんたたち恥ずかしくないの? 修正して!」 って資料を突き返すだろうなぁ、などと書いたが、恐ろしいことに今も状況はまったく変わってないのな。 お上もメディアも、今でも堂々とあれを 「新規感染者数」 と称し続けている。 歪んでいると知りつつ妙な日本語を使っているうちに、自分でもわけがわからなくなって、本当に気が狂ってやがんの。 気が狂ったことにすら気が付かない哀れさ。 それが今のニポンのコロナ論壇である。

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言葉の無茶苦茶さはコロナに始まったことではありませんね。 たとえば、もともと医薬品業界人が使っている言葉が、ほぼすべて無茶苦茶である。

先日業界紙 (注 1) を読んでいたら、こんな文章に出会って眩暈がしたのである。 

制度の導入による薬剤費の削減効果は大きいが、その前にどの薬が最も効くのか、他の薬とどう違うのか純粋に評価する必要がある。 医師・薬剤師最適な薬で早く治療を終わらせることが目標。 経済性の議論はいったん置いておき、まずはより良い薬物療法を追求したい。 

(注 1) 業界の東スポ、RI〇FAX ではない。 なお記事は一部改変してあります。 

 

なんかカッコいい言葉が並んでいるが、私にはまったく意味が分からないのよ。 それこそ一行一行書かれていることの意味がすべて分からない

なんだよ 「薬が最も効く」 って? 意味が分かるように定義してみて。 「薬がどう違う」 って、何を比べようとしてるのかも分からないのに違うもクソもないでしょ。 「純粋に評価」 っていうのなら 「不純な評価」 の例を挙げてみてよ。 「医師・薬剤師の目標が早く治療を終わらせること」 だなんて初めて聞いた。 「最適な薬」 ってなんだよ、それ。 意味を教えて。 「経済性の議論を置いて」 おいたら、すべての薬効評価の理屈が無意味になるが、それでいいのか? 「より良い」 薬物療法ってなんだよ、それ。 意味が分かるように説明して。

うちの研究室の学生がこんなアホな文章を書いてきたら、3カ月くらい研究室出入り禁止にするだろうな。 そのくらいひどい。 ・・・ のだけど、業界の皆さんはこれを読んでも平気なんだよね。 上の文章をフツーに読めて、フツーに意味が分かったりするんだよね。 製薬会社や病院で働いている人たちって、言語能力がすごいんだねぇ (棒)。

ちなみに、意味不明な文章によく出てくる言葉の筆頭が 「真の○○」 「本当の意味での○○」 であることは以前に指摘しました。 書いている本人が 「○○」 の意味を実は分かっていないとき、人間ってつい 「真の○○」 「本当の意味での○○」 って書いちゃうのね。 「真の有効性」 とか、笑い話並みのナンセンス言葉が厚労省の薬価算定がらみの通知に湧いていることは周知の事実ですね。 先の引用に出てた 「純粋に(な)」 はその亜型。 覚えておこう。 試験に出るよ。

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今日はここまで。 じゃまたね。

在宅勤務が恒久化しそうな皆さん。 パソコンに向き合って誰でもできる仕事をしてるだけではいけない。 外に出ような。 外に出て、土砂降りの雨にぬれたり、加齢臭のするおっさんとすれ違ったり、大きめの石を蹴飛ばしたり、カメムシに触って臭い汁を浴びたり、してください。 一日中家にこもっていると、心と知性が死ぬよ。

外に出て人の匂いを嗅ごう。ニャンコとも話そう

いやー、久しぶり。 皆さんお元気?

なんとも奇妙な数か月でしたね。 長いこと生きてるといろんな経験をするもんだ。 でもね、なんだかんだ言っていても、人間は置かれた環境に自然に慣れる。 電車で一人おきに座るのも、学食で斜めに座るのも、Zoomでセミナーや講義をするのも、慣れてしまえばどうってことない。 同じマスクを20日間くらい使い続けることにももうすっかり慣れて、まったく違和感がなくなったよ。 単にマスクが臭くなって、ネバネバ感が出るだけのこと。 ちょっと前のブログ記事で大騒ぎしたのがバカみたい。 ふふふ。

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前の記事との間があき過ぎて、何を書くかが結構難しい。 「生協食堂で一定の間隔に座った大学のセンセーたちが黙々とメシを食っている光景って、刑務所の中の光景に似てる」 とか、「雨後の筍のようにあちこちにできたタピオカ屋が壮絶につぶれたなぁ」 とか、コロナ時代ならではの感慨は山ほどあるのだが、どれも小粒で力説するほどのものではないし。 

あ、そうだ。

こんな状況下でも無料出張講義はやっているのである。 ただし 「出張」 というところがビミョー。 Zoom を使って大学や自宅から講義しているのだから、正確には出張してないのだ。 これでは単なる 「無料講義」 ではないか。 それってなんかちょっと悔しい気がする。 理由は分からんのだが。

私の場合、ざっくり言って、Zoom での講義ではフツーの講義の4割くらいしか力がでない感じである。 受講生の皆さん、ごめんね。 聞き手の顔色、目の輝き(逆に言うと 「目の死に方」) を見ながら、話す内容の量・質、速度を変えるくらいのことは、まともな大学のセンセーなら誰でもやっているのだが、それができないのは致命的である。 話しっぱなしで講義が終わるのはとても腹立たしい。

「いや、小野さん、Zoom にせよ何にせよ、最近のオンライン会議ソフトはチャットで質問できたり、挙手ができたり、いろいろフィードバックが得られるはずでしょ? 知らないの?」 とか、「むしろオンラインを使用している現状を新たなチャンスととらえるべきでしょ」 とか言い始めたオンラインマンセーの方々がたくさんいることは知っている。 申し訳ないが、私はそういった意見にはまったく賛同しないし、与しない。 オンライン講義は、フツーの講義より劣ったダメな講義である。 まずはそれを認めましょう。 

相手の表情・顔色 (目、顔、姿勢)、発する雑音(ため息や歯ぎしりを含む)、体臭(息の臭い、腋の臭い、足の臭いを含む)を感じ、それに応じた話をしないと、講義・人間の語りって劣化し、薄っぺらくなるのよ。 私の経験である。 講義中になぜかニャンコが入ってきたら (早稲田キャンパスには実際そういうニャンコがいたらしい)、ニャンコとも空間を共有し、対話する。 それが講義。

それって常識だよね。 落語を寄席で聞くのと、テレビで見る・録音をCDで聞くのとでは、感動のレベルがまったく違うでしょ。 寄席で客がくしゃみをすれば落語家はそれに応えることができる。 怒ったり、笑いのネタにしたり。 時空を共有する喜びはその時空間にしか生まれない。 電波を通じた語りはもはや似て非なるものなのよ。 劣化して薄っぺらくなった講義・語り自体に、付録やおまけをいくらつけたってダメである。 サイコーの感動はそこには無い。

ちょっと想像してみてほしい。 もし、おまけつきのグリコのキャラメルの、キャラメルそのものが美味しくなかったらどうよ? ダメだろ、それ? ・・・ たとえが分かりにくい? じゃあさ、もし、プロ野球選手カードのおまけが売りのカルビープロ野球チップスで、ポテトチップスそのものがフツーのチップスだったらどうよ? ・・・ ん? それでいい気がするな。 なに? 「カードが清原だったら、今なら妙なプレミアがついておいしいっすよ、逆に」 だって? オレはそういう話をしてるんじゃないんだよ! 「逆に」 っていう言葉の使い方も変なんだよ、近頃の若いもんは。 ムッキー!

まぁいい。 つまりはそういうことだから。 小野センセーの言ったこと、よく復習しておきなさい。 期末試験に出すよ。

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(200623追記)

・・・ とここまで書いて、私の本意は例によって皆さんにはまったく伝わっていないのだろうなぁと思うので、追記しておこう。 みっともないけど。

私が言いたいのは、「従来のビジネススタイルのどこが・誰が問題だったのかをきちんと反省もせずに、なんとなくリモートマンセー派やオンラインマンセー派に宗旨替えすんなよ」 ってこと。 そういうことをしてると、過去の政策の失態・失敗の評価から逃亡し、すべて水に流して、『治験推進〇カ年計画』 だの 『バイオ推進○○戦略』 だのといった新しく見えるだけの政策を無反省に、永遠に提案し続けるニポン政府と同じになっちゃう。 政策が機能しなくても政府はそう簡単には倒産しないから、今のところ単にニポンが三流国に転落しただけですんでるけど (笑)、会社は失敗したらつぶれるし、社員はクビになるよ。 日本支社は外人につぶされるよ。

会社員だったら、オフィスで皆が働いていたことの意義・意味をきちんと考えてみようよ。 創造、知恵、ノウハウ、勇気、やる気、忍耐、革新 ・・・ そういったものがこれまでの会社の環境でどのように生まれていたかをきちんと考えてみること。

「いや、私の所属する製薬会社では社員は単なる assembly-line worker なので、創造も忍耐もしてないです。 リモートは快適です」 というのならそれはそれで結構。 ただし労働組合の連絡先を調べておくことはおすすめします。

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映画を映画館で見ることができない地獄のような日々。 TSUTAYA すら閉まっていて、ホント、泣きたいような日々だったが、ようやく元に戻ったぞ。 ヒャッホー!

クリント・イーストウッド監督の 「リチャード・ジュエル」。


映画『リチャード・ジュエル』30秒予告 2020年1月17日(金)公開

素晴らしいのは見る前から分かっていたが、やっぱり素晴らしい。 お上なるものを素朴に信頼していた善良な一市民が、性根が腐った役人とメディアに人殺し扱いされ、家族ともどもボコボコにされるお話。 でも安心して。 これはイーストウッドじいさんの映画だから。 そこには正義が必ず存在するから。 悪い奴らはクソ食らうことになるから(笑)。

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イライラすることが多いご時勢、本も盛大に読み漁っているのである。 全部をおすすめするわけにもいかないので、読みやすい新刊を何冊か。

 村上春樹さんが息子として父を語る。 読後の味わいがとても深い。

 

とても分かりやすく書かれた文化人類学の紹介。 というか、最後の方の悲しい結末は、そうした学問の垣根を超えて、「この地球に生まれた人間って何なんだ?」 としみじみ考えたくなると思います。 原住民の暮らしぶりは、ややこしいこと抜きに単純に面白いよ。 現地の人たちのラブレター事情とか。

 

「あぁ、博士号が欲しい! PhDが欲しい!」 病に冒されている (あるいは冒されたことのある) 人たちはこれを読むべし。 読んでいるうちにきっと胸が痛くなって、息ができなくなる。 いや、無茶苦茶面白いのだけど、面白さの裏にある息苦しさが半端ない。  あ、これ、フランス人が描いたマンガです。

もっとも今のニポン人はビョーキだから、この本を読んでもまったく共感しない連中がたくさんいるはずである。 昔からよく知られているのは、「医学博士なんて足の裏についた米粒だ (取らないと気持ち悪いが、取ったところで食えない)」 などとうそぶくお医者さんたち。 最近では、博士号を大学に天下るための肩書の一つとしか思っていないお役人とか。

博論日記

博論日記

 

ちなみに私は、登場する指導教員のセンセーの心のつぶやきに爆笑。 どの箇所で爆笑したのかをはっきり書くとちょっとシャレにならないので内緒です。

 

やっぱり最後はこれだな。 2020年、私のコロナ禍はこのマンガとともにあったといっても過言ではない。 ありがとう、竈門炭治郎(かまど たんじろう)。  

鬼滅の刃 20 (ジャンプコミックスDIGITAL)

鬼滅の刃 20 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

第20巻で倒された上弦の鬼、黒死牟(こくしぼう)。 彼が死ぬ間際に心に思い浮かべた人生の述懐があまりに深すぎて、涙が止まらない。 これ、ホントに子供のマンガなのか? 

黒死牟には縁壱 (よりいち) という剣の天才の双子の弟がいた。 弟の才を羨み、妬み、最後は人間であることを捨て、鬼になった。 それでも縁壱には勝てなかった。 天賦の才など持ちえない凡人が道を究めんとすると、鬼になるしかない。 人を喰らって強くなる鬼。 しかし鬼は最期は天によって滅せられる。 後には何一つ残らない 。

何故私は何も残せない?

何故私は何者にもなれない?

何故私とお前はこれほど違う?

私は一体何のために生まれてきたのだ

教えてくれ 縁壱 ・・・

 第二不完全性定理だの、レープの定理だのを何度読んでも理解できない凡人であるサル的なヒトは、炭治郎たち正義の鬼殺隊よりもむしろ、鬼の哀れさに深く、深く同情してしまう。 こういう読者がこの漫画を絶賛してるのだろうなぁ。

でもな、鬼を退治する炭治郎はとてもいい子だから好きだぞ。 やたらと身体が強いけど頭がちょっと弱い恋の呼吸の柱の女の子も、おぢさんは応援しているぞ。

在宅勤務のお供に

・・・ な、なんということだ。 在宅勤務なので油断してたら、とんでもないニュースが飛び込んできた。 ヤバいんじゃないか、これ。

みんなが大好きな 超かわいい chay おねいさんが結婚する んだって。 むっきー! おめでとー!!

 


chay 「あなたに恋をしてみました」(short ver.)

 

ギターを颯爽と抱えて、少しハスキーボイスでちょと昭和歌謡が入ったステキな歌を歌う chay おねいさんに、サル的なヒトはずっとメロメロだったのである。 ふぅ。

結婚式ではぜひ、ナイフを振りかざしてダンナさんを血相変えて追いかけまわしてもらいたい (笑)。 あ、映画 「Dance with me」 見てないヒトには通じないギャグか。 未見のヒトはぜひ見てね。 無茶苦茶笑えて心が軽くなる良い映画だよ。

読者のみんな。 自粛ももうすぐ解除だ。 パーッと明るく行こうよ。 さぁ、chay ねーさんの歌、大きな声で一緒に歌おう!

♪ あなたに恋をしてみました

なんでもできそうな 力がわくのは

あーそれは、あーそれは 恋の魔法ね ♪

いぇーい!!

 

*****

 御多分に漏れず、未だ在宅勤務のサル的なヒト。 昼間は職務に励むとともに、岩合さんのニャンコ番組を堪能しなければならないのである。 疲れ切った夜は、ラジオを聴きながらお布団に入る。 お気に入りは、前にも書いたが、あの日本放送協会が世界に誇る 「ラジオ深夜便」 である。夜11時ごろから朝の5時まで、日本中のじいさん・ばあさん、そして不眠症野郎どものハートをわしづかみにしている素晴らしい番組なのだ。

ラジオはいつも1時間のタイマーをかけている。 だいたいは5分、10分で眠りに落ちるから、電源が切れたことにも気づかないのだが、寝付けないときには1時間後にプツっと切れたラジオを再度オンにして、さらに1時間の延長戦に入ることもある。 ぶっ殺したいヤツが職場界隈にいるときとか、精神的にヤバいときにはそうなるのである。

で、二日前の深夜。 いつものようにラジオ深夜便を聴きながら眠りに落ちた ・・・ はずだったのだが、ふと目が覚めたのである。 暗闇の中で、哀しいうめき声がする。 暗い響きが、繰り返し、繰り返し ・・・  な、なんじゃ、こりゃあ (ジーパン刑事風に)。 こ、これは、もしかしてあの伝説の ・・・

 


呪い/山崎ハコ

 

♪ こんこん こんこん 釘を刺す

こんこん こんこん 釘を刺す

畳が 下から 笑ってる

こんこん こんこん 釘を刺す

わらの人形 釘を刺す

自分の 胸が 痛くなる ♪

 

・・・。

 

・・・。  シクシク、シクシク ・・・。 涙が止まらない。 深夜2時にこれはないだろ、NHKのヒト。 ただでさえコロナで心が弱っているのに、きついぜ、これ。

みんな誤解しないでね。 山崎ハコの 「呪い」 というこの曲、タイトルにインパクトがあるから時々くだらん恐怖映画なんかで使われているが、そういう薄っぺらい曲では全くないのである。

藁人形を恨む相手に見立てて釘を刺す。 が、結局釘は自身の心に突き刺さる。 涙がポトリと落ちて、釘に変わる。 その釘で自分の心をまた打つ。 解説を書いているだけで苦しくなる、そういう歌である。 

しかし、深夜2時にこの名曲はあまりに唐突である。 心が揺さぶられ過ぎて眠れなくなったサル的なヒトは、結局朝までラジオ深夜便をずっと聞き続けるはめになってしまった。 これって、「NHK、いい仕事してるな」 とほめるべきなのだろうか。

「どうも最近、心が壊れかけているなぁ」 という自覚のあるヒトは、心の準備をしてからこの曲をじっくり聴いてみてください。 涙がホロホロとこぼれた後のことは考える必要はない。

 *****

chay おねいさんと山崎ハコさん。 どっちもいいよね。 分かる人には分かる。 分からんヤツには一生分からん。 人の好き嫌いなんぞその程度のものだし、それで結構である。 

というわけで今日の記事はこの辺で。 「なに、これで終わり? 業界人の知恵になりそうなことを何一つ書いてないじゃないか!」 などとこざかしいことをぬかすおっさんたちの相手をしている暇は私にはないのだ。 なにせ、竈門炭治郎 (かまど たんじろう) が上弦の鬼と闘っている最中なのだからな。   

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 一気に10冊ほど大人買い。 炭治郎と善逸と伊之助の活躍に夢中なのである。 こりゃおもしろい。 淋しい在宅勤務のお供にぜひどうぞ。

 

「というか、あんた、在宅勤務と称して、マンガ読んだり、ニャンコ番組見たり、数独の上級技 X-wing の使い方にやけに詳しくなったり、そんなことばかりしてるんじゃないか? ホントに仕事してんのか?」 などという突っ込みは一切受け付けない。

ちゃんと食後の皿洗いはしているのだから。

*****

「効くのか・安全なのかがよく分からない薬・ワクチンを迅速承認と称してテキトーに承認してしまう神事について、なんか書かないといけないんじゃないの?」 という懸念の声が (ほんの一握りの人たちからであっても) あがっているのならば、頼もしいことである。 業界人連中 (産学官すべて)、今のご時勢に悪乗りして神事のやりほーだいだからな。 昔の関東軍並みのやりほーだい。 パケホーダイも真っ青だ (笑)。

一方のアメリカ様追従者も忙しいよね。 アメリカ様の後追いをし続けて数十年。 今回またさらにアメリカ様の 「緊急使用許可」 の真似をするための新たな法整備という商売のネタ・メシのタネができてさぞや嬉しいことだろう。 

ニポン人のそうしたビョーキは歴史学者にきちんと論じていただきたいのだが、それはさておき、薬効評価の研究者としては、現下のワクチン・新薬の異常な扱われ方って、『薬が効く・安全である』 という表現にまともな (意味論的な) 定義をお役所や専門家が与えてこなかったツケを、またもや国民が払わせられている感じであることを、相も変わらず、指摘しておきたい。 何百回指摘しても、ニポン人ってどーせすぐに忘れちゃうんだけどな。

ニポンの薬機法には 「薬が効く」 ってどういう意味かがどこにも書いていない のに、お上も企業も 「この薬は効く」 って胸をはるんだよな。 神事・おままごととしての薬事行政の源泉の一つがこれである。 おままごとの医薬品規制しかないのだから、コロナの薬やワクチンの扱いが強面の政治家の言うなりになってしまうのも当然だよね。 パブリックヘルスもクソもあったもんじゃない。 あーあ。 ため息しか出んぞ。

何十回も繰り返し書いてきたこれらの規制の大穴については次回以降に。 気が向いたら、な。

昼寝してるんだか、絶望してるんだか

唐突で申し訳ないが、今どこよりもいい仕事をしてるテレビ局は、岩合さんの 「世界ネコ歩き」 を何度も何度も再放送してくれるNHKである。 これね → 

www4.nhk.or.jp

在宅勤務だと、昼飯を食う時に見るテレビに困るのである。 訳の分からんタレントが額に青筋立てて 「国民全員がもっと危機感を持つべきですっ! 公園でヘラヘラ話をしてる場合じゃないんですっ!」 とか喚(わめ)いているワイドショーなんぞを見ていると確実にメシがまずくなる。 ほれ、そこで役に立つのが、録りためている岩合さんのニャンコものですよ。 NHKには受信料払ってるからな、自分。

世界中の素晴らしい景色、住まい、生活、心優しい人々を背景に、どーんと主役をはるニャンコたち。 見ていると心が洗われる。

この番組に起承転結はない。 ニャンコが 「ニャーン」 と鳴いたり、寝たり、しっぽをクネクネさせたり、木に登ったり、ネコパンチをしたりするシーンを岩合さんが撮って、それを淡々と流すだけなのである。 それだけ。 脚色も擬人化もストーリーも何もない。 ネコに興味がない人たちから見たら、まったく意味不明な番組だろうな。 でも、このスタイルこそがヌコの本質の正しいとらえ方であり、素晴らしさの表現なのである。 ヌコ好きにはそれがよく分かっている。

ニャンコを見て若干興奮しながら昼飯を食べ、満足しきったサル的なヒト。 ふー、お腹いぱーいだ。 コタツにごろんと横になって、ぼーっとしていると、足が温かくなってきて、だんだん瞼が重くなる。 ま、いいか。 ちょっと昼寝しちゃおう。

・・・ という感じで、在宅勤務ではなかなか仕事が進まないのだが、いいのだ、これで。

 

「キーーーッ! この国難になんてこと! 医師や看護師が命がけで働いているというのに、ニャンコ見ながら昼寝なんて不謹慎です! 自粛すべきです! こんなサル、強制徴用してPCR検査施設で作業させるべきですっ!」 とか言い出す自粛警察が今のニポンにはたくさんいそうだな。 はいはい、もし手伝わせてもらえるのなら、いつでもPCR検査施設で働きますので遠慮なく徴用してください。 ただしオレを徴用したら、検査を勝手にあちこちの民間に外注して検査数を100倍くらい増やしてやるから、お上は覚悟しとけよ。

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しつこく今回も問う。

で、皆さん、コロナのドタバタを数か月見てきましたね? で、はっきり理解しましたね? ニポン政府(国会、行政機関) のやってることって、これでしょ?

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「実はなーんも決めずに儀式 (おままごと) やってるだけ」 が分かる実例が次から次に魔法の泉のようにあふれ出てきて楽しい。 直近の例は 「出口戦略」 をめぐるグダグダですね。 何を達成すれば警戒を解除するのかについて、実はなーんも考えてないし、決めてもいない。 そのときの空気 (実力行使しそうな怖い人が激怒してるか、とか(笑))で、なんとなく決めちゃえばいいと最初から思ってるのね、お上って (注 2)。 これって 「ベネフィットがリスクを上回る感じだしぃ、臨床的に有用だと思うのでぇ、この薬、承認しまーす」 という神事 (儀典とスケジュールだけは厳格) とそっくりでしょ?

注 2) 2020.5.6追記

安倍総理大臣は5月6日夜、インターネット番組に出演し、今月半ばをめどに専門家から意見を聴き、宣言を解除するか判断する意向を改めて示したうえで、判断にあたっての基準を、専門家に依頼して作成する考えを明らかにしました。(NHK News)

だって。 あのグダグダの専門家連中とお上基準をこれから考えて、これから決めるんだって。 基準がないのに、宣言を延長する決定はできたのはなぜだろう? もうはっきり書こう。 こいつら頭がおかしい 

しつこい? こっちは全然懲りてないぞ。 20年間ずーっとこの構図の本質を問い続けてきたのに、おまいらみんな笑い話のネタにしかしてこなかったのだからな。 このスライド、この先何度でも載せてやるぞ。 地獄の門が開くまで載せ続けてやる。 もう開きかけている気もするが。 ふふふ、ふふふ、・・・

*****

薬効評価・承認審査に携わるプロなら、国のコロナ対策に理屈もなんもあったもんじゃないことはとっくに理解してますよね。 新薬の承認申請資料に、今政府がコロナ施策に使っている類の訳の分からんデータや意味不明の用語が使われていたら、PMDA の審査官に瞬殺されるはずである。

たとえば毎日夕方に公表されるいわゆる 「(新規) 感染者数」。 「今日は 68人でしたぁ」 と日々ニュースキャスターが大騒ぎするやつね。 申請資料でそんな表現を企業が使っていたら、私が審査官だったら即座に 「制度に基づく感染者届出数」 と書き直させ、「注: 届出数は国内感染者数を直接に表すものではない」 という注釈をつけさせる。 あんな意味不明な数字を使って 「このデータから日本では感染が増えている (あるいは減っている) ことがうかがえます」 などと企業が主張したら、

「あんたら、バカか?」

と審査官に資料を丸ごと突き返されるよな。 そのレベルの無意味さであることは、毎日あの数字に一喜一憂している皆さん自身が実は心の中でよく理解しているはず。

あの 「(新規) 感染者数」 で国内の感染状況をまともに推定できるわけがない。 なのに、あれしかデータが落ちてないから、みんな仕方なく使っちゃう。 小知恵がある人が fancy なグラフに作り直してみたりして。 最初は 「こんな歪んだデータ、使えるわけないだろうが!」 と正常に憤っていた人も、そのうちだんだん慣れてきちゃって、なんだかとても大切な愛おしいデータに思えてくるらしい。 すっごい不細工な彼・彼女の顔が、付き合っているうちにだんだん魅力的に見えてくるようなもんだ。

正気に戻って思い出そう。 あれってもともと、おままごと用途の クソデータ であることを(注 3)。 というか、最初から未知のパラメタを探る科学的研究・調査の結果ではないのだから、転用は無理なのよ。 母集団が定義できないし (だから企業による今の新薬開発と同程度にナンセンス(笑))、むろんサンプリングなんて誰もやっていない。 データ収集プロセスを隠蔽しているから何が制約条件になっているのかがまったく分からない (例: PCR 検査の実施キャパ (関係者の体力や休日取得を含む) でデータ数の上限が決まってるのな)。 統計学的に言うと Data Generating Process (DGP) をまともにモデル化できないってこと。 だから結果の因果関係も、脱落変数や内生性を考慮・モデル化できるごく一部の (現場の) 当事者以外にはまったく解釈が不可能。 そんなややこしいデータ、まっとうな目的に使えるわけがない。 

(注 3) しかしこのドタバタが落ち着いたら、社会が 「新規感染者数」 を収集している様、公表している様、皆がそれを見て右往左往している様は、政府の機能不全が引き起こした社会現象として貴重な研究対象になるだろうな。 社会学者、歴史学者行政学者にとってはよだれがでるほど興味深い現象である。

注 3 よりももう少し正確に言えば、今の状況って超不謹慎な社会実験を実施しているに等しい。 「一見科学的に思えるけど実は意味不明なデータをお上が国民に垂れ流したときに、国民がどう反応するか」 という介入研究。 こんな非人道的・非倫理的な研究を承認する倫理審査委員会があるわけないけどな。

むろんそんなことお役人だって100%分かってる。 でも、「専門家会議」 の専門家たちや官邸に向かって 「あんたら、バカか?」 とは誰も言わないのが、おままごとの恐ろしいところである。 

ようやく、魂がお上から少し独立している大学・病院から、市中の抗体・PCR検査陽性率の調査結果が出始めましたね。 磯野家のタマ (ニャンコ) ですら予想したとおり、日本には何十万人(いや、もっと多いか) もの感染者がいた (いる) らしい。 この何十万人(or 何百万人)もの「日本の総感染者数」 の挙動・推移が、お上が今出している累積二万人ほどの「(新規)感染者数」 のそれと単純に対応するわけがないのは、中学生だって分かる。 日本の感染症対策は、当然、前者(「日本の総感染者数」) を考慮すべきことも、サザエさん家のタラちゃんだって分かる。

最も肝心なところを空白にしたままおままごとやってきた連中がこれから繰り広げるであろう言い訳を楽しみに見守ろう。 言い訳は、いつ収束するかとは無関係に、次々に必要になる。 「患者は4日間は待機せよ」 をめぐる異常な言い訳も最近あったな。 おままごとの醍醐味を知る格好のチャンスでもある。

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最近は、お薬についても 「○○ は効く・効かない」 だの 「○○ が特例承認されないのはけしからん」 だのと、言いたい放題の言説がメディアを日々賑わせている。 これらの言説の多くは、それを発している当の本人たちすら意味を理解していないレベルのものなので、ここでまともに取り上げることはしません。 ごめんね。 気が向いたら次回以降に。

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というわけで、今日はここまで。 ニャンコ番組を見て昼寝をする毎日だと読書がなかなか進まないのだが、人気作家の新刊は紹介しておこう。 皆さん読んだ? 

佐和子さんが亡くなる前のお父様から最後にかけられた言葉は 「まずい」 だそうだ。  大笑いし、涙する。 達意の文とはこういうもの。 おすすめです。

アガワ家の危ない食卓

アガワ家の危ない食卓

 

 

昔読んだ 「グレート・ギャツビー The Great Gatsby」 をふと思い出してあらためて読んでいる。 村上春樹さんの訳なので、どこか 「風の歌を聴け」 のような文章のリズムがあって楽しい。 

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

 

 

現実の方がずっと怖いからさ

ツンツン、ツンツン (とそのあたりの人たちを棒でつつくサル的なヒト)

・・・ ねぇ、みんな生きてる? 死んでない?

在宅勤務で心が病みそうな皆さん。 こんなときにも地下鉄で出勤せざるを得ない皆さん。 生きてるか? ちゃんとメシ食ってるか?

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ニポンの政治家・役人が 「おままごと」 をしていることは、さすがにもう皆さんも骨身にしみて理解しましたね? 「おままごと」 は 「フィクション (虚構)」、「幻想の王国」、「出来レース」、「お花畑」 と読み替えてもOK。 何十年間もずーっとそうだったのに、そして、それを警告する人たちがちゃんといたのに、それをみんなずーっと無視してきたのだから、今になって急に政府に罵声を浴びせても仕方ないのよ。 気持ちは分かるけど、数か月して騒動が落ち着いたら、どうせおまいらまたお花畑の住人に戻るのだから、まぁそうカッカするなって。 

あとね、ニポンの専門家って肩書や経歴だけはやたらと分厚いけど中身がどうも薄っぺらいことも露呈してますね。 これにはいくつか理由があるのだが、個々の専門家の教育・訓練をうんぬんする前に、ニポンの専門家の絶対数が少なすぎることが背景にある。

前にも書いたけど (これね → お医者さんには幕の内よりもうな重がお勧め - 小野俊介 サル的日記 )、ニポンってどの領域にも一応の専門家と称する人たちがワンセットしかいないのよ。 お役人や新薬の審査をする PMDA の審査官もそう。 エラそうな方々がワンセット、席に座っているだけ (笑)。 仮にそのワンセットが役立たずであることが判明したときに、代わりに登場し活躍すべき専門家の一群、いわば野党の専門家セットがほとんどいないのである。(注 1)

(注 1) もっとも、お役人・審査官といった、単に 「人事制度 (採用) に守られた稀少性」 をエンジョイしていた人たちについては、代わりはいくらでもいることがバレましたね。

奇妙なことに、ニポンの専門家ってなぜか皆 「自分は与党の一員だ」 と信じ込んでいる気配がある。 それって単なる幻想なんだけど。 ニポンの専門家は数が少ないから、米国のような野党ビジネス (例: 政府と逆のスタンスのシンクタンクが常にスタンバイし、政権交代機能を担う) が成り立たないのは確かだが、だからといって、有象無象の専門家が本当に全員 「与党」 の一員であるわけがない。 彼らが与党 (お上、学会の重鎮) にすがりつくビジネスモデルしか知らない、というのが実際のところなのだと思う。 気の毒なニポンの専門家たち。

「我こそは与党」 という幻想を抱いた専門家たちは、お上に重用され、政府審議会やアドバイザーの椅子を授けてもらいながら幻想を強化する。 国内の肩書・経歴はどんどん立派になるし、ニポン代表という特権的地位をもらえるから、実力とは無関係に、国際的な肩書も自動的に増え、立派になる。 肩書・経歴の割に中身が薄っぺらい専門家がニポンに多いのはそういう背景があるから。 実はニポンではまともな競争がない、という見方もできる。

その手の人たちって必然的に専門領域での行動も政治的になる。 なんたって自分たちは与党メンバーなんだから。 自分の主張やスタンスの誤りを認めなくなるし、多様な学問・科学の規範の存在を認めなくなる。 そうこうするうちに彼らが完全に 「おままごと」 の一員になって、「おままごと」 世界を死守し始めるのは、今皆さんが目にしているとおり。 「PCR検査を抑制することで医療が守られる」 と称する理屈不明の 「おままごと」 を延々と続けているのが分かりやすい例ですね。 (注 2)

(注 2) 医薬品の世界だと、ほれ、何かというと 「れぎゅらとりーさいえんす」 を念仏のように唱える人たちの行動が典型的にそうである。

むろん政府スタンスとは異なる自らの意見を堂々と発する先生方もいる。 が、そうした先生方がおそろしく卑屈な物言いを強いられていることに皆さん気付いてるでしょ。  象徴的なのが、あの山中先生。 コロナ対策について自分の思うところを述べるときに、

「批判を恐れず、勇気を振り絞って5つの提言をします」

などと書いておられる。

いや、山中先生さ、 パブリックヘルスって、何を提言したところで、倫理・効率などの観点から常に批判が存在するに決まっている領域なんですけど。 批判の起きない提言があるとしたら、それは無意味な提言なんですよ (単なるトートロジーとか)。 あとね、この程度の至極まっとうな政策提言するのにどうしていちいち勇気を振り絞らないといけないのかがさっぱり分かりません。 「理論・学説を批判的に論じることが科学的な姿勢である」 ってどんな教科書にも書いてありますけど。

つまりは、山中先生は野党に転落 (笑) するのが怖いのだろうな。 与党ど真ん中を自他ともに認めているからこそますます怖いのかもしれん。 週刊誌ネタになったように、役所に予算の意地悪をされたことがトラウマになっているのかも。 でもさ、理由は何にせよ、ノーベル賞受賞者が 「勇気を振り絞らない」 と、きわめてまっとうなコロナ対策の私的提案 (それも、宗教的信念や政治的信条に関する主張ではなく、単なる医学的な提案) すらできない国ニポンって恐ろしいよな。 そんな国、とてもフツーの国ではない。 あの独裁国家と大して変わらん。

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今後、感染者・死亡者爆発コースをたどるのか、それとも韓国・台湾的な比較的落ち着いたコースをたどるのかは私には分からない。 与えられた環境の中で黙々と自らを再生産してるだけのウイルスの気持ちを理解するのは難しい。 確率の言葉でそれを表現することは可能だけど、その 「確率の言葉」 の意味がこれまた難しく、それならむしろウイルス君に直接気持ちを聞いた方がいいのではないかと思えるほどなのだ。

でもね、そうした世界の実態を必ずしも反映しない人間社会のふるまいとしては 「おままごと」 って相当に強靭なのよ。 何が起きても融通無碍、どうとでも後付けの理屈で開き直り、自己弁護ができるから。

このブログでも何度も繰り返して恐縮だが、「瀬戸際」 だの、「ギリギリ」 だの、「正念場」 だの、「接触の8割減」 だの、「医療崩壊」 だの、「経済を取るか命を取るかの選択」 だのと、意味がまったく分からない 「おままごと」 用語が次から次に登場してますね。「薬の有効性」「安全性」 「臨床的意義」 といった意味不明語と同レベル。 言葉の意味が分からないから、文の意味も分からない。 言っていることが正しいのか誤っているのか確かめようがない。 もはや我々にできることは、失笑しながら専門家の表情や演技を見守ることだけである。  

ちなみに、「おままごと」 ってポパーのいう似非科学そのものである。「ないよりはあった方がいい布マスク」 理論とかも同様。 細木〇子の予言と同じで、決して間違えないことになっている。 政府・与党の専門家の人たちは、たぶん最後の最後まで 「自分たちは正しいことをしている (してきた)」 と言い続けるだろうから、よーく観察しておこう。 後世の教科書に載せる格好の事例がたくさん生まれたという意味では、コロナのドタバタってとても有意義な科学史的経験である。 

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ほんの数行だけコロナについて書くつもりだったのに、頭に血が上って、うじゃうじゃとつまらんことを書いてしまったな。すまんすまん。 で、ここからが今日のブログ記事の本番 (笑)。

こんなときだからこそ、作り物のパンデミック映画でタフな現状に立ち向かう心を鍛えておいた方がいいと思うのである。 パンデミック映画は、コロナ時代の心のワクチン。 不純物(B級お下劣要素) がアジュバントとして混入したワクチンほど精神的抵抗力を高めてくれる (はずである)。 先日の宇多丸のウィークエンドシャッフルでも特集をやってたっけ。

ここに紹介する映画、すべてサル的なヒトが自信をもっておすすめするラインアップである。 在宅勤務で煮詰まっているやつらは Amazon PrimeNetflix などで見てください。 夜、眠れなくなっても責任はとらんがな。 あと、小さい子供には見せるなよ。

 

サル的にストライクど真ん中はこれ。 「28日後」28週後。 「28週後」 は前にも紹介したとおり、最初は 「Under control」 (どこかで聞いたセリフだな) などと余裕をこいていたアメリカ軍 (NATO軍) が、すばらしい (むろん皮肉です) 危機管理能力を見せてウイルス感染を再爆発させ、最後は住民を皆殺しにするという、とても心温まるストーリー。 

28日後... (字幕版)

28日後... (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
28週後… (吹替版)

28週後… (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

正統派の (メジャーな) パンデミック映画はたくさんある。 ちょっと古いが アウトブレイクコンテイジョンコンテイジョン って Netflix でやたら順位が上がっているらしいな。 邦画だと古くは草刈正雄緒形拳が出てる 復活の日、妻夫木くんの 「感染列島」。 これらは皆見てると思うから、説明は省略。

忘れていたのだが 復活の日 もウィルスものだったのね (当時の地球滅亡モノって核戦争モノが多いから勘違いしていた)。 昭和のおじさんおばさんには、ボロボロの恰好をした草刈正雄がヨロヨロと杖をつきながら歩くシーンが心に焼き付いてますね。 草刈さんは今も活躍しておる。 すごいなぁ。

 

ゾンビものの大御所ジョージ・A・ロメロ監督の感染モノ 「クレイジーズ」 も見逃せませんね。 軍がこっそり作っていた、人を狂わせるウィルスが墜落した飛行機から漏れちゃったというストーリー。 「The Night of the Living Dead などに見られる初期のロメロ作品のニオイが香ばしい。

ザ・クレイジーズ 特別版

ザ・クレイジーズ 特別版

  • 発売日: 2009/12/21
  • メディア: DVD
 

 

ゾンビものには名作が多いのだけど、名作が多すぎて挙げるのが難しい。 あえて変化球を挙げるとすれば 「マギー」。 娘さんがゾンビ (感染者) になってしまったシュワルツェネッガーの苦悩のシリアス演技が素晴らしい。 

マギー(字幕版)

マギー(字幕版)

  • 発売日: 2016/08/26
  • メディア: Prime Video
 

 

なおゾンビ映画を今までまともに見たことがないヒトは、まずは一番クラシックなロメロ監督の 「ゾンビ」 を見ておくこと。 「怖いのはゾンビ (感染者) ではなく、人間 (非感染者)」 という基本スタンスは、今の現実を考える際にも深い含蓄がある。 エンドロールの明るい音楽と最後の時報が死ぬほど怖いんだよなぁ。 


Dawn of the Dead - Ending "The Gonk"

 

何年か前にヒットした韓国映画 「新感染 ファイナル・エクスプレス」 はフツーの観客をターゲットにした映画なので、安心して見られる良質のエンターテインメント。 怖いというよりも感動してしまうタイプの映画ですね。 ラストのトンネルのシーン、サル的なヒトは泣いてしまったよ。 

新感染 ファイナル・エクスプレス(吹替版)

新感染 ファイナル・エクスプレス(吹替版)

  • 発売日: 2018/01/01
  • メディア: Prime Video
 

 

韓国映画といえば、実は私も未見なのだけど、宇多丸のウィークエンドシャッフルで激賞されていたのが 「FLU 運命の36時間」。 危機感のない政府を動かすために、鳥インフルエンザの感染者たちがソウルに向かって大行進を始め、軍は 「この線をあいつらが越えたら、殺せ」 と命じるあたりは、上の 「クレイジーズ」 「24週後」 と同じニオイがする。

FLU 運命の36時間(字幕版)

FLU 運命の36時間(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 

「もうっ、サル的なヒトってホント趣味が悪いんだから。 こんな怖い映画なんてまともなオトナが見るわけないでしょ!」 という声が聞こえて来たぞ。 ふふふ。 サイコーな誉め言葉である。 でもそういうフツーの読者のために、少しユルい感染モノも一つくらい紹介しておこう。 猿の惑星: 創世記」。 この正々堂々たるSF大作も、ゼニ儲けをたくらむバイオ企業がつくったウィルスが人類を滅ぼす、というストーリーだったのを思い出した。 最後、空港で感染者から鼻血がタラー、のシーンが印象的。

バイオ企業や製薬企業って映画においてはろくなことしないのな。

猿の惑星:創世記(ジェネシス) (字幕版)

猿の惑星:創世記(ジェネシス) (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

最近の若い者は知らんだろうが、「遊星からの物体X」 とかも広義の感染モノである。 完全に外部とは遮断された南極基地の中で妙な宇宙生物が次々と感染していく恐怖はけっこうなものなので、気分転換にどうぞ。 

遊星からの物体X (字幕版)

遊星からの物体X (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

・・・ というわけで、他にも何か思いついたら書き足していきますね。 そういえば「リング」 「らせん」 なんかも感染モノか。

じゃまたね。 

怖いしゃもじ

・・・ シクシク、シクシク ・・・

 

・・・ オラはただ美味しいお昼ご飯が食べたいだけの、善良なサルなのよ。 これまでの人生ですごく悪いことはしてないはずなのよ ・・・ いや、少しはしたことがある。 学食で冷やし中華の汁を恩師のズボンに盛大に飛ばしたのを黙っていたことがあった。 すみません、O先生 ・・・

なのになぜ、こんなにひどい目に遭うのだろう。 オラはただ、家系ラーメンの、こってり豚骨しょうゆラーメンが食べたいだけなのよ。

なのに、なのに、そのお店に行けないサル的なヒト。 なぜかというと、お替り自由の ライスバーのしゃもじ が怖いから。 ライスバーのご飯の保温ジャーの横に、半分お水に浸けて置いてあるしゃもじ。 ろくに手を洗ってなさそうなその辺のおっさんやねーちゃんが無頓着に触る しゃもじが怖くて触れない のよ。

 

。゚(゚´Д`゚)゚。 うわーん。

 

「いや、あんた、肥満気味な中年オヤジなんだから、豚骨しょうゆラーメンだけ食べればいいでしょ。 わざわざ白ごはんなんか一緒に食べなくてもいいのよ」 と家人には冷たく指摘されたのだが、そういうわけにはいかんのだ。 家系の豚骨しょうゆラーメンはライスと一緒に食べる食べ物なのよ。 旧バビロニアの時代からそう決まってるの。 ラーメンに3枚載っている海苔を汁につけてフワフワ・トロトロにして、ごはんの上に載せてパクリと食べるのよ。 そしたら極楽に行けるのよ。 女子供にはわからんのかな、この愉悦が。

が、今のこのご時勢である。 トイレに入ってもろくに手も洗わんおっさんたちが触った しゃもじ に触れたら、極楽に行くことになるかもしれんのよ。 別の意味で。 くっそー!!

「そこまで言うのなら、マイしゃもじを持っていけばいいじゃない?」 と家人に勧められたのだが、そこまでするのって単なるバカだよな。 そこはサル的なヒトも理解しているのだ。

進むも地獄、引くも地獄とはこのことである (注 1)。 オレはいったいどうすればいいのだ。 誰か解決策を知りませんか? 知っている読者がいたら、このブログのコメント欄に書きこんではくれまいか。 よろしくね。

(注 1) いや、そういう意味ではないと思う。

*****

そこの30代から50代のおねいさんの読者さん。 おねいさん方なら、かつて日本のすべての女性をメロメロにした ladies' man の昭和中期型ロボをよくご存知だと思う。 そう、福山雅治である。 通称、ましゃにい、である。

そのましゃにいが、なんと今週から、東京FMの歴史を支えてきたといっても過言でない長寿番組 「ジェットストリーム(月―金、深夜 0:00-0:50)」 の新機長(ナビゲーター) に就任したのである。 ご存知でしたか?

いや、驚いた。 この時間帯のラジオにましゃにいの思い入れがとても深いことはファンの常識なのだが、まさかここまでの思いだとは ・・・。 何十年も続いている冒頭の決まり文句を聴いていたら思わず吹き出してしまったぞ。

遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時、

遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています。

満点の星をいただく果てしない光の海を、

豊かに流れゆく風に心を開けば、
煌く星座の物語も聞こえてくる夜の静寂のなんと饒舌なことでしょうか。

光と影の境に消えていったはるかな地平線も瞼に浮かんでまいります。

これからのひと時。
あなたにお送りする音楽の定期便。

 

「じぃえっっっとぉ すとりーむ」。


皆様の夜間飛行のお供を致しますパイロットは、

わたくし、ふくやまぁ まさはるです。

この番組は じぃあるっ の提供でお送りいたします。(注 2)

 

(注 2) JALね。 

 

紅白での松田聖子を彷彿とさせる 「タメ」。 いや、それ以上かもしれん。 ましゃにい、この番組がまわってきてホントに嬉しかったんだなぁ。 よかったなぁ。

皆さんもぜひ聞いてみてください。ネットラジオradiko で聞けますよ。 ましゃにいは真剣にやってるんだからな、絶対に噴き出すなよ。 ぷぷぷ ・・・

それはともかく、この番組って一日の終わりを幸せに締めくくるのに最高です。 インストルメント中心の穏やかな音楽って、心が軽くなるのですよ。 殺伐としたこんな時だから、ますます。 おすすめですよ。

*****

で、ここ数か月。 この国の政治や行政が、ずーっと単なる 「おままごと」 であったのだ、ということにはもう十分すぎるほど気付きましたね。 薬事行政を含めニポンの行政って、素人が 「何かをやってるふり」 あるいは 「欧米の猿真似」 をしてきただけなのよ。 ずーっと。 ずーっと。 だから、今こんなことになって 「自分で何かをやれ!」 と言われても何もできないの。

心の底から恐ろしいでしょ? 私が三十年間ずーっと感じてきた恐怖を、皆さんとやっと共有できてホントに嬉しいよ。 

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ずーっとこういうスライドを使って、皆さんに 「おままごと行政」 の恐怖を伝えようとしたのに、おまいら 「あはは。 サルがまたバカなこと言ってら」 とまったく聞く耳持たなかったよな。 今ならこのスライドの真意と含意がよーく分かるでしょ。

え、まだ分からない? そうですか。 では、政府からまもなく届く布のマスク2枚を見つめながら、暗い自室でもう3か月くらいじーっと考えてみるといいと思います。 がんばってね。

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今の状況に本当におびえているヒトがいたら、脅してごめんなさいね。 でも大丈夫よ。 ニポン人ってほんとサルなんだから。 いい意味でも、悪い意味でも。 何があっても、すぐに慣れて、すぐに飽きて、すぐに忘れる。

ニポン人ってたぶん1、2年後には、今起きていることなんぞすべて忘れて、また 「おままごと」 と 「おままごとの中の椅子取りゲーム」 に現 (うつつ) を抜かしはじめるから。 サルってタフで懲りないから。

真っ先に始まる 「おままごと」 は、日本版 CDC の創設ってやつですよね。 はいはい、 何個でも作ればいいさ。 組織なんぞ役人は簡単に作れる。 でもしょせん 「おままごと」  と 「椅子取りゲーム」 だから、役には立つ組織にはならんだろうと思う。

だって結局のところ 「おままごと」 問題の原因は、組織・建物ではなく人間なんだもの。 ニポン人って力が欠けているんだもの。 まともな教育を受けてないから能力がないんだもの。 ニポンの 「○○局長」 だの 「○○審議官」 だの 「○○専門官」 だのという、さもそのスジのプロのような重々しい肩書は、単なるお役所の数年ごとのグルグル人事異動で素人が名乗っているだけなんだもの。

ほれ、たとえば日本版 NIH ってところには研究管理のプロ、査定のプロ (研究開発政策と社会厚生の関係を理解している専門家) が就職してるのか? 本家の NIH と同じ社会貢献をしてるのか? 日本の医学研究の国際競争力とやらは上がったのか? 昔からのお役所の仕事が横滑りしただけのように見えてるけど。 

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将来のことを考えるとため息しかでない。 でもさ、ため息をつきながらでいいから、まずはがんばってこのコロナ禍の時代を生き抜くしかないな。 すべてはそれからだ。

生き延びたらさ、「おままごと」 を続けてる奴らをまずは一緒に嘲笑してやろう。 ・・・ でもその時には皆さんは 「おままごと」 組の一員にまた戻って、嘲笑している僕を嘲笑するんだよね (笑)。

死んだふりしてれば、月日は流れる

・・・ ん? 今日は何月何日? まただいぶ長い間昼寝してたぞ。 なんか桜のほのかな匂いがする。 そういう季節か。

で、皆さん、世の中で起きているいろんなことにはもう慣れた? えっ、まだ慣れてないの? おかしいなぁ。

  • ウィルスは人間ごときの空気なんぞ読まないこと。
  • お上と専門家の言葉 (文章、用語) のワンダホーなまでの意味の無さ。 大本営発表やメディアの記事が、瀬戸際だの、水際だの、蔓延の立上りの抑制だの、検査による医療の崩壊だのと、定義もクソもない意味不明語をワァワァ並べてるだけであることがよく分かったでしょ? 「ここ一、二週間が山場」 なんてミニにタコ、いや、耳にタコになりましたね。 ちなみに、そこのニブいあなたでも、これらの言葉が薬効評価や承認審査で使っている言葉の意味不明さといい勝負であることにも気付いたよね。 有効性だの、安全性だの、「ベネフィットがリスクを上回る」 だの、臨床的有用性だの ・・・ 。
  • 専門家の方々の惨めなくらい当たらない将来予想。 サル人間の科学の限界を背負わされているので正直気の毒ではある。 でもこの人たち、自分の頭を随時ベイズ更新してるから 「オレは間違えてない」 と言い続けてる。 世間からぶん殴られ続けている専門家って、ちょっとパンチドランカー化してると思う (笑)。
  • シロウトさんによる、さらに当たらない将来予想。 新規感染者数/日が少し下がるたびに 「こんなウイルス大したことない。 蔓延はこれで終息・収束する」 と断言する経済学系のおじさんがいる。 予想が当たらないもんで、偏執狂のように次々に twitter に言い訳を投稿する。 痛々しい。
  • この段階に至ってなお 「ニポン人がどのくらい感染してるのか」 を胸をはって (高い精度で) 推定できる専門家が誰一人いない。 お上がサンプル歪めまくってるから、天才データサイエンティストでも AI (笑) でもまともな推定は無理。 この状況って、新薬の開発が 「母集団」 を無視した統計学で支えられている状況とそっくりであることに、製薬業界人は気付こうね。 あ、「気付いているけど、無視してる」 んだったね、ごめんごめん。 
  • これまでのどの時点のどの判断・決定についても 「すまんかった。 あの判断は間違えてた・怪しかった」 と誰一人言わないお上の専門家たち。 こんな人々が信じられるわけがない。 米国 NIAID のトップなんかいきなり 「すまんすまん。 初動を誤った」 と国会で堂々と言っておったぞ。
  • オリンピック戦線では、泥沼のインパール作戦を継続する大本営。 サルって、かけっこや玉遊びや重い物持ち上げたりする遊びが好きなのな。
  • 下級国民は入手できないマスク。
  • 保存食品やトイレットペーパーを気が狂ったようにバカ買いする爬虫類のような眼をした阿呆ども。
  • 相変わらず大口開けて唾を飛ばしまくる酔っぱらいがあふれてる渋谷、新宿。 そういえば3月11日の大震災の夜の銀座線にも、大声を出して大笑いしてる酔っぱらいオヤジたちが乗っていたっけ。

ほら、もうとっくに見慣れた光景でしょ。 遡ること昭和の時代から、ニポン・ニポン人はずーっとこうだったじゃないか。 この光景、もう見飽きたでしょ。 ウィルスさんの底力にはあらためて驚かされるが、愚かな人間の所業が原因となっている惨状については、目新しいことは別に何もない。 あなたが気に病んでもどうにもならんよ。

 

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まだ人間の心が残っている恵まれた皆さんへ。 人間なんだから正気を保とう。 かわいそうな人たち、困っている人たち、弱い人たちを助けよう。 

*****

で、マスクは相変わらず買えないのである。 オラのマスク、今日で15日目 だぞ。 でも、そんなに臭くはないのよ。 前回の記事の時よりは進化した。 フフフ。 なんと、マスクの内側にティッシュペーパーを挟むという裏ワザを覚えたからな。 上手に挟まないと、息を吸う時に鼻の穴に詰まって死にそうになるから注意すること。

15日目のマスク、鼻と顎があたるところは黒光りしてる。 一番困っているのはゴムひもがゆるくなること。 密着度が下がっているので、気づかぬうちに中のティッシュがダランと下に垂れてきてしまうのよ。 うーむ。 

本郷三丁目交差点でツタンカーメンのような怪しい風体のおじさんを見かけたら、それはサル的なヒトである。 「おじちゃん、ティッシュが出てるよ」 とぜひ注意してほしい。

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無料出張講義。 歴史と伝統ある独のグローバル企業 (社名は挙げられないので、仮にB社と呼ぶ。) での講義の最終回 (10回目) をスカイプで行う。 皆さん、お疲れさまでした。 Оさん、Cさん、お世話になりました。

最終回は、薬効評価と反実仮想 (counter-factual) の関係を、分析哲学の可能世界論 by David Lewis にまで遡ってきちんと説明したり、反実仮想ベースの因果の確率 (安堵の確率、後悔の確率) が 「薬が効く」 とどうつながるのかを説明しました。 新ネタだけど、面白かったでしょ? 実は、薬効評価の推論の闇 (帰納法の闇) とか、無限論の哲学とルール (治験の品質チェックリスト) の関係についても、もっと面白い話ができるのだが、時間が足りなくてすみません。 希望があれば advanced course をやりますので、研修担当の方にそうお伝えください。

そうだ。 論理学をまったく勉強したことのないヒト向けにとても良い教科書が最近出たので紹介しておきます。 野矢先生の本はおすすめだよ。 

まったくゼロからの論理学

まったくゼロからの論理学

  • 作者:野矢 茂樹
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本
 

 大学の講義もスカイプや zoom を使わざるを得ない状況である。 スカイプを使った今回の講義でも、受講生の皆さんの顔を見ながらの即興のやり取りができないのがなんとも辛く、講義のキレがイマイチでした。 すみません。 スカイプだと、私の戦闘力ってベジータからクリリンに落ちてしまう感じなのよ  ・・・ いや、それじゃ何のことか分からんな。 もっと分かりやすくたとえると、ガラスの壁を挟んでるため、ご主人様の臭いが嗅げずイライラしてるワンコのような感じ。 うーん、ますます分からんか。

そういえば、バレンタインにチョコを頂いた大阪のお二人にホワイトデーのお返しをする機会を失してしまった。 ごめんなさい。 東京に出張の際に、ぜひ、私の研究室にお返しを取り立てに来てください。 本郷キャンパスには鯛めし屋さん、イタメシ屋さん、洋食屋さんがあってどこもおいしいっすよ。 ごちそうします。

B社のお二人に限らず、私の無料出張講義を受講した方ならどなたでも遠慮なく研究室に遊びにきてください。 生協食堂でならごちそうできます (笑)。 こんなご時勢だから今すぐは無理かもしれないが、落ち着いたらぜひ。 美しい新緑の季節は、ほら、もうすぐそこだ。

*****

つらい状況だが、みんなで生き延びましょう。 なーに、頭上のB29から焼夷弾が降ってくるわけじゃないのだから全然大丈夫。 なんとかなる。

在宅勤務が続いてホントに気分的に落ち込んじゃったヒトもいるかな。 そういうヒトは当面、死んだふり をしましょう。 上手に 死んだふり をしてれば、いつの間にか月日は流れてくれます。

じゃまたね。 あ、死んだふりをしてる間も、忘れずにメシは食えよ。