小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

想いやアイデアを成仏させるための場を作りたい

「場」を支配している人は強い。

医薬品の世界でも、組織、集団、集会、メディア・・・いろいろ「場」はあって、そうした「場」の占有権、支配権をめぐって、おぢさん・おばさんたちは日々血みどろの闘いを繰り広げている。

御苦労さま、という気もするが、そういう人たちの中にいると疲れるよね。

でも、「場」を支配、占拠していないと、あるいは、少なくともその「場」にひっそりと留まることを許されていないと、言いたいことは言えないし、情報は入ってこないし、世の中の人たちに自分の存在が伝えられないし、・・・などと思うから、怖くて、「場」の問題を指摘する人はいなくなる。 それどころか、「場」の雰囲気に少しでもそぐわない発言を自主規制するようになる。 

で、「場」で成仏できなかった発言や想いが、仕事帰りの電車の中で、ふつふつと煮えたぎったりする。 

発言力のない若者が成仏できない想いをより多く持っているかというと、そんなことはない。 むしろ逆かな。

元上司(温厚で有能な方。行政官歴は当時で20年ほど)は、有楽町の居酒屋で、大好きなビールをジョッキで3、4杯ひっかけた後、

「小野さん、ゲマインシャフト(Gemeinschaft、地域社会)とゲゼルシャフト(Gesellschaft、利益に基づく共同体)の話なんだけどさ、・・・」

と、普段の医薬品行政の実務とはかけ離れた、しかし、まさに製薬企業の治験や新薬のグローバル開発などを考える理論背景となりうる話を、唐突に、情熱的に、語り始めた。 そんな話、日常業務(国会対応、法案作成など)の場では一度もしたことがなかったのに。

自主規制され、世の中に生まれてくることもない、成仏できない、かわいそうな想いやアイデアを救えないものかと、具体的な作戦を考えているところである。 新薬研究開発の技術的ボトルネックの問題、日本での医薬品開発がいまいち元気がない問題、薬害問題などで、その手の成仏できない想いの中に、すばらしいアイデアが隠れていたりするのですよ、これが。

たとえば、「場」を占有・支配するのではなく、「場」を気楽に借りたり、貸したりできないものか。

占有された「場」では決して語られない想い・アイデア、タブーに触れる議論、時には激しい喧嘩を、やわらかい共用の「場」で、上手に発生させ、共有することはできないか。

そうした想い・アイデアの多くは、「場」でやさしく(due sympathyを伴って)検討されたら、その人の単なる思い込みや誤解であることが自覚できたり、事実関係や論理的な誤りがあることがわかったりするだろう。 (当人は悔しいだろうから、喧嘩にならないように、やさしく誤りを伝えるのがポイントかな。) 一部の想いについては、しかし、実は多くの人が同じ想いを共有していることがわかったり、盲点を指摘する素晴らしいアイデアだったりすることに皆が気づく可能性はある。

いずれにせよ、想い・アイデアは、成仏できる、と思う。 いかがでしょうか。

成仏できなきゃ、その共用の「場」で、地縛霊になってもらえばよいだけの話。それはそれで十分な社会貢献だ。

今、何人かの信頼できる友人と、構想を練っているところ。

成仏できぬ想いを抱えて、悶々としているあなた、一緒にやりませんか。
遠慮なく声をかけてください。

悶々としていると、こんなふうになっちゃう・・・かもしれない(笑)