小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

研修お疲れさまでした

渋谷の Hikarie の裏のやけに地盤が固いところに東京支店があるS社での研修が水曜日で終了。 社名だけ伏字にする意味がまったくわからないが、それはともかく、皆様お疲れ様でした。 意見交換会もとても楽しかったです。

10回シリーズで、短時間にあまりに盛りだくさんすぎて申し訳なかったとは思うのですが、まぁそこは完全無料講義なので勘弁してください。 あれだけたくさん概念を話したのだから、皆さんの心の中に、一つ二つくらいは引っ掛かっているものがあるはず。 それが Nash 均衡かもしれないし(ムカデ人間 vs. コクリコ坂ね(笑))、消費者余剰や dead weight loss かもしれないし(例の三角形で囲まれた部分でしたね)、帰結主義かもしれない(用量が選択できる幸せの説明でしたね)。 どうですか。 懐かしいですか? それともきれいさっぱり忘れてしまってますか? 忘れてしまったようなら、喜んでもう一度、10回講義を頭からやりますよ。 大学の教師は毎年毎年それを繰り返しているから、まったく苦にならないので。 でも皆さんが苦になるか(笑)

こうした概念を正しく、たくさん持っている人間は、強いのです。 会社や役所のおエライさんの思い付きなど、たかだか数十年の経験によるもの。 でも、私が教えた概念や定理は、超天才たちによって磨かれた数百年モノでっせ。 そんじょそこらのおっさん・おばさんの思い付きとは格が違うのです。 一つでも二つでも、ちゃんと理解できたと思えたなら、胸を張って自慢してください。 「会社のため」よりもまず「自分のため」(Hさんがおっしゃっていたとおりです)。 自分に自信が持てる社員が多い会社は、結果として当然、良い会社・タフな会社なのです。

貴社の戦友、Iさんからもメールを頂いた。 許可はもらってないが、いつも「ココロ」が分かってもらえるので、嬉しさのあまり紹介してしまいます。

現在○○に赴任している者も大阪での講義を拝聴し、小野さんの「有効性、安全性って言うけど、誰を対象にしているのか定義付けないまま議論しているから、当局とのやり取りや審査も神事のような物になってしまっている」との話を聞き、我々の深みのない思慮を見直さなければと言っていました。そもそも論の大切さを意識付けいただいたことは大きな成果となりました。思慮深い人間になるためには、本も読まなければならないし、難しいことでも一生懸命考えないとならないし、金も資本もかかりませんが、一番面倒で大変なことですね。

I さん、そうなんです、まさにそこなんです。 きちんと勉強すべきことを勉強し、考えるべきことを考えるのって、さほど金も資本もかからないのに、一番面倒で大変なんです。 でもそれをやってると、誇りが生まれますよね。

新しいことを学んだり、知ることは、おそろしく楽しいことです。 私はその楽しみをハーバード大学で知りました。 死ぬほど(夜、うなされるほど)勉強しましたが、楽しくて楽しくて仕方がない。 ハーバードの先生たちの教え方の素晴らしいことと言ったら、講義を聴いていて恍惚感を覚えたほどでした。 一言も聞き漏らしたくない、と本気で思いました。 予習と宿題に何十時間かけても、まだ足りないと思いました。 身震いするほどの「知」がつまった講義を聴きながら、この瞬間が永遠に続けばよい、と心から思ったものでした。 私って、ヘンタイなのでしょうか?

皆さんやうちの学生にも、その何十分の一かの恍惚感を味わってもらいたい、といつも思っているのですが、私の力不足で、恍惚感に至る前に眠気が襲ってきたりして。 ごめんなさい。 これまで4社に講義をしていますが、毎回、「今度こそ!」と誓いつつ、講義を改善してはいるのですが、思いの何分の一しか伝えられず。 ・・・ その意味では最初に講義を受けた大〇本住〇の方々が一番の被害者になるなぁ。 すみません。

今回時間がなくてきちんと教えられなかったところ(医療経済学、情報の経済学、交渉理論、社会心理学など)について、また、機会があれば話をさせてください。

ということで、みんなで頑張ってこれからも勉強しましょう。 外人さんになめられてたまるか! を合言葉に(笑)

4社の受講生の皆さん、今後の勉強や進路のことで、何か相談ごとや知りたいことがあったら、いつでも遠慮なくコンタクトしてください。 喜んでアドバイス差し上げます。