小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

読者の皆さんに無料奉仕する余力が無い

はーー、疲れてるっす。 仕事しかする気が起きないくらい、疲れてるっす。 ダメ人間の典型だ、こりゃ。

本当は、あの森口先生のスーツのズボンの裾がハサミで乱暴に切られているのはなぜか という件について、いろいろ語りたいところなのですが、このサル的な人は、今一時的にたまった仕事の処理に疲れ果てており、残念ながら気合の入った文章を書くことができません。 「もともと大して気合なんか入ってないじゃん」 とか言わないように。

そういうことなので、最近書いた日本の医薬品産業の現状を述べたシンポジウム用抄録に用いた文章をここに紹介することで、今日のブログはお茶を濁すことにします。

次回は、ちゃんと書くので、勘弁ね。 予定としては、本研究室の表看板であるドラッグラグ研究についてわかりやすく解説し、また、ドラッグラグを研究テーマにした素晴らしい論文を仕上げ、最近学位(Ph.D)を得て、本研究室から巣立っていった一人の女性の闘いと苦悩を大河ドラマ風に語る! という壮大な構想を抱いているので、読者(とWさん)はドキドキしながら待つように。 待ってるだけに終わるかもしれないが、とりあえず待つように。

病気は今年も進行中

小野俊介

一年、二年では世の中は変わらない。 医薬品の規制にぽっかりと開いた大穴(ブラックホール)を誰も閉じる気がない状況は今年ももちろん変わらない。 世の中の皆さんは「医薬品の有効性、安全性という言葉に定義がない」状態でも何ら気持ちが悪くないらしい。 こちらはあくまで善意で「あなたのズボンのチャック、開いてますよ」と指摘しているのだが、皆さんからは「そんなこと気にしたことがない。 そんな妙なことを指摘してくるのは君だけだ」「チャックが開いていて何か問題があるのか?」と逆切れされてしまうのだからどうにもならない。 そちらは気にならなくても、こちらは気になって仕方がない。

iPS細胞のお祭り騒ぎの間にも、日本の医薬品(開発)産業は沈み続けている。 「バカなことを言うんじゃない。国内の治験の数は順調に増えているし、予算もバンバンついているじゃないか」 とおっしゃる短絡的な方々が多いが、ここで採るべき視点は「世界の多くの国々と比べて」であることを理解していないらしい。 世界中のほとんどの国で(戦争中の国を除く。)トレンドとして臨床試験の数が増えていない国はないと思う。 相対的に日本が沈み続けていることが問題なのだ。 (大のおとなに、こんな説明をしなければならないことが情けない。) それもこれまで日本が採ってきた施策(の欠陥)をきちんと反映した形で。 新薬開発における「なんちゃって国際共同試験」の増加がその一例である。

この状況下でも有識者から出てくる提案は「審査当局の審査官を増やし、審査体制を強化すべきだ」というのが、もの哀しい。 どうせなら、キューバ並みに「国民皆公務員」ならぬ「国民皆審査官」になるまで審査官を増員して(1千万人くらい)、審査体制を強化してはいかがだろうか。

 何十年間も供給側や門番(当局の審査体制)のみをいじくりまわした医療R&D政策の結果が現在の惨状である。 日本人には「お客さん」という概念の想起と関連する大脳皮質の部位に欠損があるのではないかと疑っている。 やはり日本は21世紀には世界地図から消え去っている国なのだろうか。