小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

日本のじいさんを考える

今週号のサイバラの「毎日かあさん」は泣けます。 ぜひご一読を。 オフィスで毎日新聞 web を読むついでに、軽い気持ちで開いてしまって、ハラハラと涙が止まらなくなってしまいました。
毎日かあさんち - 毎日新聞

ヒトの生死。 「鴨ちゃんサイバラの離婚したダンナ)は生前 『順番さえ守れてたらいいんだよ』 と言ってた。」

確かにそうかもしれん。 生き死にの順番が守られていたら、それで十分幸せだと思うべきなのかもしれない。

さて、ここからは別のお話。 最近、街で二組のおじいさん・おばあさん夫婦に出会いました。 ちょっと思うところを書きますね。

その一。

半蔵門線に夫婦と思しきおじいさんとおばあさんが乗り込んできた。 お昼すぎの時間で、電車の中はガラガラ。 で、おじいさんは一列誰も座っていない優先席の端っこに突進してきて、ドスンと座った。 その後から、少し足の悪いおばあさんが続いて、おじいさんの横に並んでトスンと座った。 ・・・ と、そのおじいさん、何を思ったか、スクッと立ちあがって、向かいの空いている席へ移動。 おばあさんは、これまた慣れた顔で、おじいさんの抜けた隣の位置に移動。 要するに、おじいさんとおばあさん、向かい合った座席に座って、黙って座っているわけである。 お互いを見るでもなく。

一言で言うと、「こんなばあさんと並んで一緒に座ってられっかつーの」 って態度丸出し、ってことですね。 いやはや、素晴らしい日本男児である。 でも、こういうじいさんって、日本には結構多いのである。 私のきわめてよく知っている昭和一ケタのおじいさん(遺伝子構成も半分は知っているほどだ)も、上に紹介した半蔵門線のおじいさんと、寸分違わぬ同じ行動を取ったことがある。 で、そのきわめてよく知っているじいさんに 「なんでそんなことすんの? 大げんかになるじゃん」 と尋ねると、

「ガラ空きの電車の中にいるのに、どうしてばあさんの隣に座らんといかんのじゃ!」 と怒りだす(笑)

あいやー。 石原慎太郎世代の昭和一ケタ恐るべし。 昭和中期型ロボ(注)であるサル的なヒトにはとても真似できぬ行動である。

(注) しつこいようだが、あの福山雅治も昭和中期型ロボだからな。

その二。

東京駅内のスタバで、近くのボックス席に座っていた相当に高齢のご夫婦。 身体の動きが相当しんどい感じで、やはり80代くらいとみました。 私は仕事がらみの友人とあれこれくだらん話を一時間ばかりしていたのだが、なんかそのじいさん・ばあさんが気になるので、チラチラ観察。 そのじいさん・ばあさん、一時間くらいの間、一言の会話もなく、ただ座っているだけ。 ただ黙って、座ってる。 お互いが違う方向を見つめながら。

年齢を重ねると、いろいろな「二人の形」があるんだなぁ、と思いましたね。 ただそれだけで、こっちの話もオチはないんだけど。 他人がとやかく言っても仕方ない世界を、みんながそれぞれに持っているわけで、軽々しく 「お互いにもっとニコニコした方が良いですよ」 などと言う気もない。

でもまぁそれでも、一般論として、あるいは、余計なお世話として、大正生まれロボや昭和一ケタ生まれロボのじいさんたちは、もう少し周囲にサービス精神を持って会話をした方が良いぞ、とは思うんだけどね。 頑固じいさんたちには、今さら何を言っても無駄かもしれんが(笑)

それよりも、自分がそうした街中のおじいさん・おばあさんの姿に自然に目が行くようになったことに少し驚いている。 20代、30代の頃にはなかったことだよなぁ。 感慨深し。

みなさんのまわりのおじいさん、おばあさんはいかがですか? 年金がちゃんともらえる羨ましい世代だが、戦争を含めて苦労もした世代だ。 生きているうちに、彼らの重い口を無理矢理にでも開けて、昭和の話をいろいろ聞いておきましょうかね。 こちらが頼まなくても、若者を案じて、大声を出しながら選挙に突入している閣下のような元気なヒトはともかくとして(笑)