小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

元気なおぢさんおばさん、頑張れ

仕事がらみの理屈っぽい記事が続くと、作者自身が自分のブログを読むのがしんどくなってしまう、というヘタれ系ブロガー、サル的なヒトである。 池田信夫さんをはじめとする超有名ブロガーって、ほぼ毎日、すさまじい理屈や強烈な政治的なメッセージを出し続けているわけだが、よくもまぁそんな左脳的な知的「興奮」が続くよなぁ、と感心する。

私の基本は、情の世界にある。 時々思いついたように煌(きら)びやかな知の世界の探検を試みるが、だいたいは挫折して、情の世界に舞い戻る。 しかしまたしばらくすると、知の世界の精妙な美しさに懲りもせずに引き寄せられ、そしてまた拒絶される。 その繰り返しだ。 知の世界って、まるで、ギャツビーが眺めていた対岸の灯のようなものだ。 残りの人生は所詮数十年、されど数十年と思うと、愚かなサルの生き様はそんな風になる。 笑わば笑え。

グレート・ギャツビー (新潮文庫)

グレート・ギャツビー (新潮文庫)

いつも頭の中は、「薬の副作用発生件数を分析するための negative binomial model にランダム効果を階層で入れたときのAICの解釈は?」 とか、「グローバルな不平等に正義論のジョン・ロールズはなぜ無関心だったのか?」 とかいった知の世界の課題(悪魔の落し物かもしれん)に憑りつかれているのに、ふと気が付くと 「さっきすれ違った黒ラブ(ワンコね)の肉球はどんな匂いがするのかなぁ」 とか 「夜、渋谷の109の前で寝ているホームレスのおじさんたちには厳しい季節になったなぁ」 とかいう世界にいつも舞い戻っている。 どちらの世界も同じように愛おしい。

週末は、頑張っているおぢさん・おばさんを堪能。 私と同じバブル世代には、同じ趣味のヒトはたくさんいますね。

まずは昨年の小田和正のドーム公演を Blue Ray で。

東京ドーム公演は2日間あって、私が行ったのは初日。 収録されているのは二日目でした。 残念。 小田さん、年齢的にはもう立派なおぢいさんなのに、声も、語りも、若い。 ギター一本で「秋の気配」をやってくれたのが良かったなぁ。 ご当地紀行も笑えるよね。 「キャー! 歌のヒトでしょ?」 と寄ってくるおばさんたちに、「やたらとババアばかり寄ってきます」 などと呟けるのは、ジジイの特権です。

頑張ってるおばさんの方は、こっち。 ジャケットでは妖艶にウィンクなんぞをかましてくれてる。 まだまだ現役だ。

懐かしい曲がいっぱい。 涙がじーんと出てくるなぁ。 そういえば、こんな曲もあったなぁ。

 ♪ Broken heart 最後のジェラシー 彼のベッドの下に片方捨てた Ah 真珠のピアス ♪
松任谷由美. 真珠のピアス)

・・・ はい、このブログを読んでいるバブル世代のおぢさんの中で、この歌詞と同じことをやられてひどい目に遭ったヒト、手を挙げるように ・・・ 36名の方の手が挙がってますね。 手を下して結構です。 え、先生自身ですか? 先生は貧乏で部屋にベッドがなかったから、まったく心配ありませんでしたよぉ。 ・・・ いや、ここは笑うところで、しみじみするところじゃないですよぉ。 あと、あくまで一般論ですが、部屋に残っていて危険なのは、真珠のピアスとかじゃなくて、長い髪の毛ですよぉ。

今、冷静にこの歌詞を聴くと 「お前は、なんちゅう容赦ないことしとるんじゃ! ムキーー!」 と怒りたい気もするが、高度成長期及びバブル期の恋愛は、概ねこんなもんだったかもしれん。 もうだいぶ前のことで、よくわからん(笑) このあたり、ひとこと語りたい方はコメント欄にどうぞ。 匿名ですからご安心を。

小田さんが横浜のお気に入りのレストランを、ユーミンが 「海を見ていた午後」 で先に曲にしてしまい、悔しくて 「秋の気配」 でその近くの「港の見える丘公園」を歌った話は、我々世代では常識なのだが、若い方々にはなんのこっちゃよくわからんのだろうな。 語り継がねばならぬ日本の歴史だ。

というような週末でしたよ。 実は、山田ズーニーの 「おかんの昼ごはん」 という衝撃的な本に出会って、かなりしんどい気分にもなっているのだが、このあたりは次回に。