小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

のんびりすりゃいいのよ、クリスマスだもん

うーむ、今日の TOKYO FM の 「あ、安部礼司NISSAN あ、安部礼司 〜 BEYOND THE AVERAGE 〜 はクリスマスバージョンだが、妙に説教臭いぞ。 年をとると、クリスマスについてもやたらと薀蓄を語りたくなるんだよね。 子供の頃の何とも言えない純粋な幸せ感はどこにいっちゃったんだろうなぁ。 皆さんの三連休はいかがでしょうか。 のんびりしてますか?

今日は無粋な仕事がらみの話は書く気なし。 クリスマスにサル的な人が読んでいる本を何冊か紹介してお茶を濁しますぜ。

まずは 「アメリ不法行為法 American Law of Torts (樋口範雄) 弘文堂」。 ・・・ あ、読者が38人くらい逃げた(笑)。 こういう本を商売道具として読んでいる薬学部の教員はそうはいないだろうなぁ。 でもね、米国の医療・製薬業界について語るには、こういう領域の知識が必須なんですよ。 あと、製造物責任法もね。

冗談はさておき、楽しい本の紹介だ。 まずはこいつ、「銃の科学」。

ゴルゴ13が、飛行機のコックピットにいる凶悪なハイジャック犯を 2km 先から見事に狙撃したことは皆さんご存知だと思う。 ご存知無い方は GyaO! でそのエピソード(第一話)が今なら無料で見られるので、その超人的な腕とシブさを堪能するように。
http://streaming.yahoo.co.jp/p/y/00066/v12610/?sc_i=stm523

これまでこのブログでも何度か1km、2km とかいう遠距離狙撃がどれほど難しいかを説明してきたのだが、この本では難しさが数字で説明されている。 わかりやすいぞ。 例えば、7.62mm 弾 (AK-47(カラシニコフ。 ゲリラが好んで使う丈夫な銃)などがこのサイズ)で 2km 先の的に届かせようとする(実戦ではありえない状況)。 銃弾は山なりの軌道をとるのだが、軌道の山の頂上は高さ 70m(!)にも達し、銃弾の回転による力により、無風であっても右に 8m も流されるらしい。 おまけに銃弾が標的に届くまでに7秒ほどかかる。 ゴルゴ13以外では標的に当てられないのは十分に理解できますね。

・・・ いいですか、このあたりは次の試験に出ますから、学生さんはしっかり記憶するように。

恥ずかしい話だが、映画のタイトルにもなった 「フルメタルジャケット (注 1)」 という意味も、技術用語としてやっと正確に理解した。 「フルメタルジャケット」好きのH先生、そういう意味だったんですね。

(注 1) 軍用に使われる銃弾は、当たった時のダメージが少なくなるように(笑)先端が金属(合金など)で包まれている。 これがフルメタルジャケット弾。 一方、狩猟用に使われるソフトポイント弾 (いわゆるダムダム弾など) は先端が包まれておらず、当たった時にグシャっと潰れて広がるため、与えるダメージが大きい。 戦争でのダムダム弾の使用は国際法で禁じられいます。

夜寝る前にしんみりしながら読んでいるのが 「坂道のアポロン(全9巻)」。 遅ればせながら。

坂道のアポロン (1) (フラワーコミックス)

坂道のアポロン (1) (フラワーコミックス)

1960 年代の高校生の物語。 じーんとくるなぁ、青春モノは。 登場人物がみんな可愛らしくて、抱きしめたくなる(笑)。 年を取ると、感想にも自然と「親」の目線が入り込むのが不思議。 とはいえ、自分自身の高校時代のことも思い出すよね。 気になっている女の子に突然年賀状を出してみたりするのが精一杯だったけど。

ついでに GyaO! で 2013年1月16日 まで無料で見られるこの映画も紹介しておこう。
「必死剣 鳥刺し」 
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00908/v12197/v1000000000000000416/?list_id=312066&sc_i=gym069

私はこの映画、映画館で見ました。 言わずと知れた藤沢周平原作 「必殺剣」 シリーズの一話である。 原作も素晴らしいので、読んでない人はお正月に読もう。

舞台は江戸時代、東北の小藩・海坂藩。 お殿様が無能で乱心気味で、側室の悪い女にダマされて藩政が無茶苦茶になっている。 そこで、腹を切る覚悟でその悪女の側室を殺害したのが、豊川悦司演じる剣の達人 兼見(かねみ)三左エ門。 しかし、なぜか兼見はクビをはねられることも、切腹を命じられることもなく、お殿様の近習(身辺警護)を命じられて ・・・ という話。 

もう一人の主役、こちらも剣の達人の帯屋隼人正 (お殿様の従弟、通称「御別家様」)を演じるのが吉川晃司。 いやはや、2人とも惚れ惚れするほど格好いいおっさんだ。 御別家様がバカ殿を斬りにきたのを、兼見が止めようとして、二人が対決するシーンの緊張感はもうたまらん。

御別家様: 「右京太夫(バカ殿)に用がある」 
兼見: 「お通しすることはできませぬ」
御別家様: 「ぜひとも談合したいことがある。 通せ」
兼見: 「いや、なりませぬ」
御別家様: 「わしと斬り合うてもか」 (・・・と鯉口を切る (注 2))
兼見: 「お手向かい ・・・ いたしますぞ」

(注 2) 刀の差し込み口(笑)のようなところをカチンと外すことね。 最近の若いもんは知らんだろうなぁ。

この年末年始、時間があったらパソコンの前に座って、おいしいコーヒーでも飲みながら、ぜひご覧ください。 無料ですから。 無能な上役や上司を抱えているあなた、会社・役所・病院という組織の中で理不尽な行動を強いられているあなた、この映画は必見です。 心が痛くなります。 「お手向かい」する相手を間違えずに闘って、そして生き延びましょう。

ということで、皆さんが、それぞれにのんびりとした休暇を過ごせますように。