あいやー、ヤバいよ。 大変な失態である。 今年も5月19日(月)に開講する、半年間の、熱血の講義とディスカッションが繰り広げられる東京大学の医薬品評価科学レギュラーコース (通称RC) をブログで宣伝するのをすっかり忘れていたよ。 なんと、宣伝する前にもう申し込みの締切日が過ぎてしまったあるよ。 本来ならば、靴に水が入ってガッポンガッポン・・ なんていうバカな記事を書いている先月あたりに宣伝しなければならなかったのであった。 すっかり忘れてた。 ヤバいぞ、これは。
このままでは、RC事務局 (兼うちの教室の秘書) の怖いおばちゃんたちしっかりもののおねえさまたちからお仕置きされちゃう。 またコーヒーに雑巾の絞り汁を入れられちゃうよぅ。 また近江屋のケーキ買わされるよぅ。 う、う、う ・・・
という危険なゴールデンウィークのサル的なヒトである。 皆さんお元気ですか。
もう手遅れなのであるが、念のため、今年度のRCのプログラムのリンクを貼っておきます。 これね → http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~regsci/files/10rc%20program.pdf
新薬開発・承認審査のプロの育成を目指す研修コースRCも今年度で10年目である。 新薬開発の世界の基本的なルール、お作法・慣習、法律・ガイドラインなどを丁寧に教えます。 基本知識は大事です。 ちゃんと勉強しましょう。
その上での話だが、業界の他の研修コース (例: D○Aとか) とこのRCが違うのは、「そうした現行のルール、お作法・慣習、法律・ガイドラインは、盲目的に受け入れるべきモノ、従うべきモノ、広めるべきモノではないのですよ。 これからの業界を担う皆さんは、ルールや慣習への従い方(笑)を覚えるのではなくて、自分たちがそれらを新たに創造していかないといけないのよ」 と様々な領域を専門とするベテラン講師が熱く語ってくれるところである。 多くの業界人や当局のヒトがもてはやす今流行りのビジネス・プラクティスのコピーを、思考停止して覚えさせたり、従わせたりすることは目的にはしていません。
だから、グループディスカッションでは、例えばこんな課題が出ます (過去の実例)。
例 1: 薬食審で議論されたエポジン注の効能追加申請 (治癒切除不能な固形がん患者におけるがん化学療法に伴う貧血) を例に、医薬品の 「リスクベネフィット」 と称するものが現在の新薬開発・承認審査でどのように評価されているかを簡単に説明してください。 そのような 「リスクベネフィット」 の議論・評価のあり方の特徴 (問題点・欠陥、長所) を挙げ、エポジン注の効能追加に係る 「リスクベネフィット」 評価及び承認の可否について、皆さんならばどのような判断を下すかを提案してください。
例 2: 医薬品が関係する将来の 「薬害」 のシナリオ (発生から一応の解決 (解決不能を含む) まで)を2パターン想像し、具体的に挙げてください。 (過去の 「薬害」 の例との相違点を明確にすること。) あなたの役割を明確にした上で (例:企業の担当者、当局の審査担当者等)、あなたがこれらの 「薬害」 にどう対応するかを説明してください。
どうですか。 業界のエラい人の言うことを黙って聴いているだけでは答えは出なさそうでしょ? 「産官学のさらなる協力が必要である」 なんていう無意味な常套句 cliche では解決しそうにないでしょ? でも、こうした世界こそがあなたたちの現実。
自分たちで、これからの新薬開発と承認審査の規範とプラクティス(現実)を創り出す。 そのための基盤となる知識と知恵 (方法) を身に着ける。 これがRCの掲げる大きな目標であり、基本姿勢です。
かっこ良過ぎかもしれない。 でもね、せっかく半年間も会社の仕事を終わった後で3時間も講義を受けて、そして宿題のレポートまで書かないといけないのだから、志は高く持ちましょうよ。 だって、受講生の皆さんは、これからの日本の企業・当局を背負っていくのですよ。 お世辞ではなく、年齢順に必然的に。
受講生の皆さん、がんばりましょう。 講師の先生方、今年も熱い講義をなにとぞよろしくお願いいたします。
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なんか最近ちょっとヘロヘロ気味で、ろくに映画も見ていない。 「これではいかん。 ダメ人間になる」 と思い、おもむろに気持ち悪い系の映画なんぞを借りてみる。 「悪の法則 Counsellor」
マイケル・ファスベンダー、ブラッド・ピット、キャメロン・ディアス、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデムが出演。 目がクラクラするほど豪華だ。 そして監督があのリドリー・スコット。 こりゃたまらんわい。
内容は ・・・ 体調及び気分の良い時を選んでご鑑賞ください。 無茶苦茶に悪趣味で、おもしろい。 でも良い子は絶対に見てはいかん類の映画だぞ。 いいか、絶対に、だぞ (竜兵ちゃん風)。