小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

四国の田舎より愛をこめて

さて年末である。 皆さん年賀状は書き終わりましたか? 今年の年末、私が受け取った喪中の挨拶の葉書の数は、間違いなく人生最多であった。 40代から 50代にかけてしばらくはそういう時期が続くのだろうなぁと思うと、なんとも言えぬやるせなさを覚える。

今、帰省して四国の田舎にいる。 イーモバの電波が時々切れるから、この記事はワープロで書いている。 書き終わったら電波の届く地点まで外にパソコンを持ち出して、インターネットに接続して、ブログに文章をコピペして送信、ということになる。 これぞモバイル新時代(笑)。 田舎は星空が美しい。

都会に生まれ育ったヒトにとっては、現在の日本の地方の状況なんて全く他人事ですよね。 地方はね、一言でいうと 「大変」 なんです。 仕事が無い。 最近失業した私の中学時代の友人の一人は、地元(岩手)で再就職活動中だが、苦戦を強いられている。 別の同級生は、仕事が無い地元に見切りをつけて、東京でタクシーの運転手をしている。 昔、子供が溢れていた新興団地が、今では高齢者(とそれを支える開業医)しかいない黄昏(たそがれ)団地化。 近所の商店街のほとんどの店はシャッターが下りている。 

郊外には、自動車が使える人たちが集まる大規模店がある。 イ○ングループだとかのね。 言うまでもなく、前回のブログで書いたグローバル化の象徴「マクド○ルド」はどこにでもある。 地方の若者は、そういう薄っぺらい消費文化とともに青春を謳歌するわけだ。 ワンダホー! まるで日本中が渋谷の道玄坂や文化村前通りになったようなものだ。

しかし、そういう一面的な地方の捉え方も、皮相的過ぎるんだと思う。 「地方は大変だ、大変だ」 って騒ぐ都会人ってどうよ、と心の中で思っていたりする。 薄っぺらい消費文化になんぞ価値を置かずに、地に足つけて生きている地方人からすると、

  • 「ドス黒い顔色で、独特の臭気を放つサラリーマンのおっさん集団が、不機嫌な顔をして朝晩の満員電車に詰め込まれている様」 や、
  • 「電車の中でこぎれいなネーちゃんが鼻の穴おっぴろげてマスカラ塗ってる様」 や、
  • 「2011年 3月 11日の震災の深夜、やっと運転再開した銀座線に上機嫌に酔っぱらって乗り込んできて、酒臭い息を吐きながら、下品な大声をあげて大笑いしている東京のサラリーマンおやじども」 (注 1)

とかの方がよっぽど気持悪いだろうね。 都会は何かが狂ってることは疑いない。

(注 1) やたらと電車内のエピソードばかりだな。 自分の行動半径の狭さがよくわかる。

結局、マイナス面だけでなく、プラス面を含めた総合評価で比較しようぜ、というのが冷静な大人なんだろうね。 そうするとやっぱり 「田舎の豪族、都会の乞食」 という図式の方が当たっているのかもしれません。

・・・ などということを四国の田舎にある実家で考えている夜9時のサル的なヒト。 田舎の静寂は人を思索的にするものだ。 「考えるサル」と「考えないヒト」ではどちらがエラいんだろうなぁ。 ・・・ と、突如静寂を切り裂いて、その耳に、戸外の有線放送のスピーカーから、ご近所一帯に大音量で 「火の用心」 の掛け声が響き渡るのが聞こえてきた。 うーむ、今の日本の田舎にもかなり問題があるぞ、やはり。

では皆さん、良い年末年始をお過ごしください。 風邪ひかないようにね。