小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

100回目には そっと出し

「居候 三杯目にはそっと出し」。 居候の負い目はわかりやすいのだが、自分の場合は、一体何が負い目になっているのかがよくわからない。 だから、ちょっと小さな声で言うことにする。

・・・ あのー、このブログ記事の連載、ついに100回超えたんですけど ・・・

いや、いいのである。 めでたくもなんともない。 駄文を書き連ねてきた回数が 100 回になったからといって、それが世の中にどういう意味があるのか。 137 億年の宇宙の歴史からすれば、たかが 100 回なんて塵芥にすぎぬ。 ラジオ番組の 「小沢昭一的ココロ」 なんて 10,414 話も続いたんだぞ。 それに比べて、何だい 100 話ってのは。 よもやあんた、100 回ごときで偉業を成し遂げた感に浸ってるんじゃないだろうな。

・・・ は、はい、ちょっと浸ってます ・・・

まぁそんなこんなで、100 話なのである。 前の 50 回目 (祝 50回! - 小野俊介 サル的日記) のときには、「実はこれって 52 話目なんだけどさ」 というオチがあったが、今回はそんなオチはない。 正々堂々102話目である。 でもね、今回はそれが正々堂々なのよ。 第1話は「これからブログ始めます」 しか書いてないし、第 97 話は単なる告知だったから、その2話を除くと今回が実質上第 100 話というわけ。 なんと良心的なブロガーなんだろう、自分。 表示のこの真正性には食品衛生法における表示義務も真っ青になるに違いない。

何度も書くが、一銭にもならんことをよくもまぁ続けているもんだと思う。 「売名行為だろ?」 と喧嘩を売ってくる方々もいるのだが、売名目的ならばもっと伝統的で、費用対効果の高い方法がたくさんあるさ。 ほら、皆さんが日々やっていること。 例えば、産官学の影響力のあるおエライさんにゴマをするとか、大手メディアに媚びて自身を売り込むとか、所属する組織(大企業、規制当局)の影響力や持っている場(シンポジウムなど)をフル活用して、仕事のような顔をして自分個人を売り込むとか。 あのね、ブログの読者数なんて、たかが知れているのよ。 喧嘩を売ってくる方々は、一度、実名でブログを書いてみればよい。

ブログを書くのは夜である。 たいてい深夜。 ジェットストリームなんて番組を聴きながら。 素晴らしすぎる学生の原稿を添削した疲労で、意識が 1,600光年先のオリオン大星雲あたりに飛んでいる夜、胃がシクシク痛くて泣きそうな夜、渋谷駅で寝ていたホームレスのおじさんが横柄な駅員に強制起立させられているのを見て涙が出た夜。 そんな夜に 「なんで俺はこんなことを書いているんだろうなぁ」 と呟きながら、頭をひねって、キーボードを叩く。

しかし、そうしているとディスプレイの背景に 1,000 人ほどの読者の姿がボーっと見えてくるわけです。 ホントに。

昼休みに弁当食べながら、帰宅後に茶を飲みながら、通勤電車の中でスマホを片手に、ブログにアクセスしてくれる読者がいる。 私のブログ読むくらいだから、そう幸せな状態じゃないんだろうなぁ(笑)。 高齢の親の介護で疲れ果てている方もおられよう。 会社や役所で人間としての誇りをボロボロにされて、悔し涙を流している人もいる。 辛い病気で悩んでいる方。 高級なスーツを着ている割には中身がない業界の先輩の情けない姿に絶望している若手も。 そこの君は単なる暇つぶしか。 それも結構である。 (注 1)

(注 1) そして恒例だが、気に食わんサルがまた妙なことを書いていないかを監視するために、読みたくもないブログに目を通している方々もおられよう。 御苦労なことである。 人生の貴重な時間をそんな無駄なことに費やさない方がよいと思うぞ。

だから、私はブログ書きますよ、これからも。 皆さんの人生にほんの少しでもかかわりを持てるのなら、頑張ろうじゃないか。 80歳までは書くから、覚悟しておくように。 読者とどっちが先にくたばるかの競争だ(笑) 楽しいなぁ。

いつもコメントを頂いている皆さん、本当にありがとう。 頂いたコメント、嬉しくて反芻動物のように何度も読み返していますよ。

これからもお暇なとき、怒りがフツフツと湧きあがったとき、寂しいときに、コメント書きこんでください。 薬や医療という領域に興味を抱いている、同時代に生きている同じホモサピエンスの一員と思えば、多少の見解の食い違いなんぞ気にすることはありませんよ。 映画プロメテウスに出ていた白いおっさんと人間の関係と比べれば、あなたと私は確実に仲良しだ。 ・・・ なんだかよくわからん喩えで恐縮だが。 

ということで、小さな声で、祝100回。 誰も言ってくれないから、祝100回。 おめでとう、自分。 負けるな、自分。