小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

明日はどっちだ?

前回の記事は長かった。 長い記事をちゃんと読んでくれる読者は実は少ないのだろうな、と思う。 仕方ない。 家人があの記事を読んでいるところをこっそり横から見ていたのだが、読み始めてからわずか5秒くらいで画面をスクロールするではないか。 家人が速読術を身に着けているとは思えない。 「・・・ あんた、俺のブログ本当にちゃんと読んでるのか?」 と尋ねたら、「うん、読んでる。 読んでるよ ・・・ 読んでるってば!」 と逆切れ風の答えが。 これ以上の追及は危険だ。

前回記事を要約しておこう。 10秒でわかる要約。 だったら最初からそうしろよ、という批判は正しいのだが、頭に来るので却下する。

(前回の記事の要約)
薬の輸出よりも、薬の輸入を喜ぶのが医薬品貿易の基本である。 薬の価値は、製薬企業や研究者の人たちの喜びや稼ぎよりも、まずは患者・お客さんがどれだけ喜んでくれるかで測るのがスジというもの。

当然すぎて書くのが恥ずかしいくらいだが、その当然すぎることを忘れてしまうのが私たちだ。

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週末は 「永遠のゼロ」 を読む。 今、公開されている映画の原作である。

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

もう涙ボロボロ。 途中から号泣。 電車で読まなくて良かった。 

書評で指摘されているとおり、戦争の史実の部分と小説としてのストーリー部分 (姉弟と祖父の話)の温度差がありすぎの感はある。 ストーリー部分があまりに見事にお涙頂戴的に作りこまれ過ぎているとも思う。 でもね、これでいいのよ。 これはおとぎ話なんだから。 おとぎ話にはウソもマコトもない。 振り返ると僕らの人生だって似たようなもの。 人間の記憶なんて半分は作り物。 

「特攻(体当たり自爆攻撃)への志願者は一歩前に出よ!」 と上官に脅されたときに、主人公の宮部久蔵だけが志願を拒否したシーンが印象的である。 作者から読者へのわかりやすいメッセージである。 「皆と同調せよ」 という圧力が理不尽だと思ったら、勇気をもって抗(あらが)おう。 味方が誰一人いなくても、 「それは違う」 と思うのなら、「違うと思います」 と言おうよ。 それって、死ぬほど勇気がいるけどね。 実際のところ、皆と同調して皆と一緒に死ぬ方が、一人で抗って生き延びるよりもむしろ楽だったのがあの時代の日本だったわけだ。

時代は変わった。 が、今の日本でも同調圧力は相変わらず高い。 多数派・権力を持ったヒトと違うことを言うヤツは徹底的に叩かれる。 「国策として」 「オールジャパンで」 なんて言葉が大好きな国民性も変わっていないし(笑)。 しんどいし、泣きたくもなるが、各人が抗うべきは抗おうね。 私たち一人一人の責任として。

あなたも私も、どうせ死ぬ時は (正確に言うと、年をとってじいさん・ばあさんになったら) 一人ぼっちなのだ。 仕事や地位や友人を(家族ですら)あなたの道連れにはできないのよ。 その覚悟があれば、職場や仕事でいじめられて一人ぼっちになることなんぞ、何でもない。

ほら、あなたも勇気を出して、あなたの上司・同僚に 「サル的日記、大好きです!」 と大きな声で告白しよう。 たったそれだけで、あなたも 「永遠のゼロ」 の宮部久蔵になれる(笑)

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というわけで、このブログもついに150回を突破したのであった。 例によって誰も褒めてくれないから、自分が褒めることにする。 えらいぞ、自分。 一銭にもならんことをよくもまぁ続けてるなぁ、自分。

実は、「一銭にもならない」というのはウソである。 推薦した本などを、amazon.com を通じて読者が買ってくれると、私にはお金 (として使えるポイント) が入る仕組みなのだ。 アフィリエイトというヤツですね。 えへへ、今まで黙っていてすみませんね。 「おぬしも悪よのぉ」 「何をおっしゃいます、お代官様の方こそ ・・・ ゲヘヘ」 というヤツである。

150回もブログを書いてきたのだから、実は相当な額が私に入ってきているのよ。 聴いて驚くように。 

1,653円 ・・・

なに、声が小さいって? もっと大きな声で? よしゃ、わかった。

1年半の収益のトータル 1,653円。

・・・

・・・ おい。 あんたら本当に勉強しとるんか? もっとじゃんじゃん本買わんかい、ワレ!! (注 1)

(注 1) 本当はね、「小野さんに勧められた本を読んで勉強してますよ」 という声を時々耳にしますよ。 とても嬉しいです。 別にアマゾンで買うことはありません。 借りても良いし。

1回分の記事を書くのにだいたい1時間かかるとして、時給10円ってとこだ。 一時間うんうん頭をひねって、うまい棒1本。 せめて博多めんたい味を選ばせてほしい。

毎回のネタを考えるのも大変なんですよ、これが。 読者の多くは知的好奇心あふれる方々である。 記事は適度に教育的で、かつ、時事問題を含んでいないといけない。 高度に論理的なひねりと諧謔(かいぎゃく)の味も加えねばならない。 むろん学者として、正統な学問を踏まえた議論を提供することも欠かせない。 フンガー!(と鼻の穴を広げつつ。)

「それってマジ? カブトムシだの、おさるのジョージだのの記事からは、そんな高尚な匂いはまったく感じられませんけど ・・・」 と不審に思う読者も中にはおられよう。 そのような読者には、「白鳥は一見優雅に見えても、水面下では必死に水を掻いている」 という金言を捧げたい ・・・ いや、これ以上私を追い詰めないで頂きたい。

「ブツブツ ・・・ 読者さんはこっちの苦労も知らないで、ただ読むだけ。 お気楽でいいよね、ブツブツ」 ・・・ といじけながら呟いていたら、同じ部屋で仕事をしていた研究室の秘書さんが 「それなら、この写真を使ってください。 今朝、気合を入れて作ったダンナの弁当です。 すごいでしょ?」 とこれを送ってくれた。 ・・・ こ、これは、素晴らしいぞっ! いろんな意味で。 

これからサル的日記はいったいどっち方面に向かっていくのだろうか。 このまま、新薬開発専門ブログから、「秘書さんのダンナのお弁当日記」 路線へと大きく舵を切る可能性も否定できないのだ。 実を言うと、すでに 「ひこにゃん弁当」の写真も次回アップ用にスタンバイしているのである。 書いている本人にも今後のブログの行く末がまったくわからん。 

ねぇくまモン、サル的日記の明日はどっちだ??