小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

金華山沖で・・・とくれば

金華山沖で」 の後に続く言葉は何か? と一般の方々に尋ねたところ、100人中 99人が 「消息を絶った」 と答えたそうである (民明書房刊 『金華山の黎明史』 より)。 すさまじい認知度だ。 とともに、金華山沖への人々の畏れがひしひしと伝わってくる。

例の辛坊さんのヨットによる太平洋横断チャレンジで、出航後早々にトラブルが発生して海上保安庁が救助に向かった、というニュースの中で、久しぶりに聴いた 「金華山沖で」。 

恥ずかしながら、サル的なヒトは金華山ってヤツがどこにあるのかを実は知らなかったのであった。 太平洋の絶海のど真ん中の沖ノ鳥島あたりか? などと思っていたら、なんと宮城県牡鹿半島の先っぽにある、その辺の楽しい日帰り観光スポットなんですね。 それを知って 「金華山沖で」 って聴くと、なんか妙な、オモシロい気分になってくる。 この感覚でいくと、カリフォルニアもハワイも、銚子市ヒゲタ醤油工場沖だよな。 中国はハウステンボス沖。 南極は糸満市平和祈念公園沖ってことになるぞ。 そうか、横浜は、千葉の稲毛海岸沖なんだ。 へへへ ・・・ なんかサル的な感じで愉快だなぁ。 

いやしかし、「金華山沖」 は別格なのだ。 1992年、琵琶湖畔から想定外に 「行ってきまーす」 とファンタジー号で飛び立ったあの風船おじさんが消息を絶ったのが 「金華山沖」。 準備もなしにいきなり飛び立ってしまった風船おじさんだが、2日後に金華山沖で海保の捜索機が風船の飛行と風船おじさんの生存を確認している。 が、そこから先は消息不明。 あな恐ろしや、金華山沖。 何かが蠢(うごめ)く、金華山沖。

昔、僕ら昭和中期世代の子供たちは、世界の七不思議とかいうミステリー本を読みましたね。 ノストラダムスの大予言とか、ヒマラヤの雪男とか。 その中に必ず書かれていたのが、バミューダ・トライアングル、すなわち魔の三角地帯である。 フロリダの先っぽのあたりで、船や飛行機が突然消息を絶ってしまう事件が相次ぎ、そういう呼ばれ方をするようになったのだが、子供のころはドキドキしてそういう話を聞いたもんである。 乗組員がすべて消えてしまった無人の漂流船の話とか、おしっこをちびりそうになるくらい怖かった。

でもそれも昭和の話。 最近の子供たちに 「ネッシーがさ、・・・」 とか言ってみても、「は? なんすか、それ? バルサのメッシっすか?」 ってなもんだろうなぁ。

さて話を戻す。 戻すといっても、何をどう戻そうとしてるのか書いている本人もわからないのだが、「金華山沖」 である。 いや、そこではなく、決まり文句の話だった。 他にも僕らがほとんど無意識のレベルで受け容れている決まり文句がたくさんある。 外人さんにはわからんだろうな、と思うとちょっと優越感に浸れる。 

バールのようなもので」 とくれば、次に来る表現は? はい、そうですね、「自販機がこじ開けられた」。 「金庫がこじ開けられており、・・」 でも正解ですね。

じゃ、次の問題。 「ムシャクシャして」 に続く言葉は? そう、「やった」 が正解だね。 「髪をかきあげた」 とか 「紙を丸めた」 とかと間違えないように。 ちなみにこの問題は昨年の早稲田の入試に出てますから。(注 1)

では、「鈍器のようなもので」 に続く言葉はどうだろう? はい、最初に手が挙がった田中君 ・・・ そう、そのとおり。 「後頭部を殴られた跡があり、・・」 ですね。 この調子で頑張ればワンランク上の志望校にも手が届くかもしれないぞ。 頑張れよ、田中!

(注 1) ウソである。

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カブトムシ、今季初のぷりぷり・つやつやした成虫がついに外に出てきましたよ。 まだ出てこないだろうと油断していたので、飼育容器から室内に逃亡してしまい、家人と二人で大捜索をする羽目になってしまった。 ニャンコやワンコと違って声をかけても出てこないので、懐中電灯片手に、ほこりまみれのタンスや本棚の裏側を探したのだが、見つからない。 「このままだと部屋の隅でカサカサに干からびてしまうぞ ・・・」 と心配になったのだが、見つかりましたよ。 カブトムシ飼育道具一式を入れた段ボール箱の中に隠れてた。 大笑い。 箱の中にあるマット(発酵したおがくず)か何かの匂いに惹かれたんだろうけど、すごいなぁ、本能って、と改めて思った次第である。 これを称して 「本能じゃの変」 という ・・・ あ、はずしたかもしれん。 

逃亡したカブトムシ、部屋の中をブンブンと飛び回ったらしく、今この記事をタイプしている机の上のパソコンにも盛大におしっこがかけられていた。

・・・ということで、読者はお気づきだと思うが、本日のブログでは、業界の辛気臭いおっさん・おばさんたち(含自分)好みの理屈っぽい話題、例えば承認審査の真空・ブラックホール状態が完全に露呈している子宮頸がんワクチンの話なんかは、一切避けましたよ。 「国は推奨はしない」 などとまるで意味不明な妄言が出回っていて、コメントしたくてうずうずしてるのだが、次回以降に。 週末の飲み屋ですら仕事がらみの自慢話しかできない日本流バカおやじには決してなるまい、というささやかな抵抗である。 バカおやじはバカおやじでも、楽しいバカおやじの方がいいからな。

では皆さん、楽しい週末を。