小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

超能力よ 永遠に

いや、何に驚いたって、ウチの娘が 「念写なんて言葉、今日初めて聞いたよ」 と映画を見終えた後で言ったことである。 そうなのか、念写ってもう過去の言葉なのか。 つまり ・・・ インチキ証明ずみなのか?

TSUTAYA でずっと貸出し中が続いていた Red Lights をやっと借りることができたので、ワクワクしながら鑑賞したのであった。 ロバート・デニーロ演じる Simon Silver なる盲目の超能力者は、単なるインチキマジシャンか、それとも ・・・ というストーリーである。 そう、あの黄金の 70年代を生きた昭和中期型ロボの我々には涙が出るほど嬉しいネタである。 超能力。 スプーン曲げ。 サイコキネシス。 テレパシー。 そして念写。 漫画 「バビル二世」 には心底しびれたもんである。 

昭和中期型ロボは、ユリ・ゲラーがテレビから 「ミナサン、家にある壊れた時計をテレビの前に持ってきてクダサイ。 ワタシが念を送って直してアゲマス」 なんて呼びかける番組をドキドキしながら見たものだ。 スプーン曲げにもトライしたなぁ。 サル的なヒトは、何時間もスプーンに念を送り続けているうちに疲れて眠り込んでしまい、翌朝、身体の下の重みでスプーンが歪んでいた、なんてことがあった。 実は今でも時々トライしてるのだが、一度も曲がったことがない。 スプーン曲げの見果てぬ夢を未だに追い続けている48歳男って、どんなもんかとは思うが。

UFO、宇宙人モノはまた別の意味でワクワクするよね。 最近は、その手のテレビ特番がほとんど無くなった。 目にするのは、作り物を作り物として楽しむ番組 (「ホントにあった怖い話」とか) ばかり。 そんなものではないのだ、我々が求めているのは。 「宇宙人がネバダ州のエリア51にいたことをついに突き止めた!」 といった類の本気を見せてもらいたいのである。 マジでやってくれよ。 真剣に頑張れ、テレビ局のヒト! 作り物のグレイ型宇宙人の解剖ビデオはもう通用しないぞ。

子供の頃、トタン屋根の貧乏長屋のゴミ置き場の横に、公開中の映画のポスターが貼ってあった。 37年前、貼ってあった 「ゾンビ」 のポスターは実に恐ろしかったのだが、それと同時に、妙な風格のようなものがあった。 ポスターが貼ってあるのはなんと通学路。 良い子であった自分は、怖くて怖くて、夕方はその前を通れず、遠回りして帰った記憶がある。

今、怪しげで怖いモノ、不可思議なモノがどんどん無くなっていくのはなんだか淋しい。 世の中から、そういった独特の味がある、哀愁漂う影や闇が消えていく。 現在の影は、スマートフォンに収まるサイズの、人工の機械油のような味わい (実際に味わったことはないが) の影だったり、YouTube で見られる闇だったり。 灯りのせいで、妖怪の住処が世の中から消えたと悲しんだ水木しげるファンの気持ちがよくわかる。 うーむ、懐古趣味のじいさん的な感慨ではあるなぁ。

しかし、これだけデジカメが普及しているのである。 みんな、念写、もっと頑張ろうよ。 カメラに向かって気合を入れて、東京タワー(注 1)とかのイメージを思い浮かべて、シャッターを押すだけで良いのです。 毎日念じていたら、一枚くらいはこの世のモノとは思えない何かが写り込むかもしれない。 ・・・ あ、いや、それは正確に言うと別のカテゴリーの写真だ(笑) 心霊写真は今の若い連中にも人気がありますね。

(注 1) なぜか東京タワーの念写が多かったのは、ご時世である。 今ならスカイツリー

話を映画 Red Lights に戻す。

シガニー・ウィーバーがおばあさんになってしまったことにちょとショック。 引き締まったナイスボディをさらけ出し、あの凶悪エイリアンとパンツ一丁で闘ったノストロモ号リプリー航海士の面影は、今はもう無い。 というか、シザーハンズ(1990)あるいはチャーリーとチョコレート工場(2005)の色白メイクのジョニー・デップに見えたぞ。 ジョディ・フォスターも最近同じような年齢のとり方をしてるよね。 美人女優は美人女優で、いろいろと大変だ。

デニーロは、時々この手の気持ち悪い系の役をやるよね。 高湿度のじっとりとした気分の悪さ満点の怪作、エンジェル・ハートAngel Heart、1987) での○○役(一応ネタバレは避けておく)、ケイプ・フィアー (Cape Fear、1991)のマックス役など。 どの映画でもさすがの安定感。

ということで、今日は久しぶりにスプーンを胸に抱いて寝ることにしよう。 皆さん、一週間お疲れ様。 おやすみなさい。