小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

オスに生まれた悲劇

今日 11月18日(月)は東大医薬品評価科学レギュラーコース第9期 (RC9)の修了式でした。 受講生の皆さん、半年間本当にお疲れさまでした。 嫁さん、旦那さん、お子さん、彼氏、彼女へのサービスを犠牲にして、日曜深夜にレポート書きをする毎日から無事卒業である。 おめでとうございます。

「研修頑張りました!」 と伝えたい上司・家族がいたら、研修事務局から 「よく頑張りました」 というメッセージ入りのお手紙を送りますから、遠慮なくご連絡ください。 なんならおまけに僕のサル的マークも付けてあげよう。 (注 1)

(注 1) いや、ちゃんとまじめに「財団法人 薬学振興会」からのお手紙で送りますのでご安心ください。

K隊長率いるグループ7の皆さん、後半ディスカッションではリベンジ (2位) おめでとうございます。 ディスカッション前半で隊長の暴走を皆が必死で食いとめようとした話は美談として語り継がれることでしょう。 また、隊長が生み出した伝説 (最初の頃のレポートで肩に力が入り過ぎて、2枚書けばよいのに10枚も書いて、「もっとフォーカスを絞ってください」 とのコメントとともに 70点に終わってしまった話) は、次の世代への貴重な教訓となることでしょう。

「レポートの最後に 『産官学の連携が求められる』 と書いておくと点数が上がる」 とのテクニックもグループ7のK氏(リーダーとは別の方)が編み出したらしいが、次回の RC10ではそんなヌルい採点しないように各講師に釘をさしておく予定であるので、良い子は真似しないように。

一方、グループ6の皆さんはリベンジならずだった模様。 申し訳ないが、しかし、採点したのは受講生自身であるので私を恨まぬように。 リスクベネフィットという概念は深いのですよ。 でも、皆に配慮するグループリーダーF氏の下、チームワークは最高だったと思います。 お疲れさまでした。

これからも、日々の仕事に関する勉強はどんどん重ねていきましょう。 日進月歩の世界に皆さんはいるわけだから。 そうした勉強は、いわば「より良く」働くための勉強。 一方、ギリシア以来の文明に支えられた古典的学問の勉強も必要です。 倫理、数学、統計学、経済学、そして今はやりの意志決定諸科学 ・・・ 勉強することは山ほどありますよ。 これらはね、いわば 「より善い仕事をして、より善い人間になる」 ための勉強です。

さらに深く「薬とともに存在するこの世界の構造」 を学びたい方は、いつでも遠慮なくコンタクトしてください。 私が出向いて教えます。 無料出張講義の件、近々 update した内容をブログに書きます。 こうご期待。

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話は変わる。

なんと、カブトムシのオスが一匹、まだ頑張って生きているのである。 6月初旬生まれだから、もう5か月も生きている。 自然界では絶対にこんなには長生きできないのだが、(1) エサが良い (ドーピング剤入りゼリーとバナナを毎日交換)、(2) 単独飼い (一匹だけのケースで飼育)、(3) 優れたケース内環境 (クヌギの新鮮な葉っぱを毎週交換)、(4) ヒトが構わない (触ったり、覗いたりする人が私以外いない) などが良いのだろうと思う。

ここに挙げた (1)−(4) はすべて人間の長生きの教訓にもなりそうな気がするが、特に私が強調したいのは、(2) である。 カブトムシさんの世界では、オスとメスをつがいにして飼うと、それはもう早々にオスもメスも死んでしまうのである。 「交尾をして卵を産むのは命をかけた大仕事なのから、当然だろう」 と思っている方は甘い。 交尾後、卵を産む状態のメスも、オスから離して別のケースで一匹だけで飼うと、かなり長生きするんですよ。 男女が一緒に住むストレスは相当のものらしい。 わからんでもない。

複数のオスを一つのケースに入れておくと最悪。 エサをたくさん入れていても、別のオスが接近するたびに「・・・ん? 何じゃお前? やるんか、ワレ?」 と互いにガン飛ばしあって、長いツノとツノを突き合わせて (正確には挟み合って)、大喧嘩である。 で、たいがいは身体のサイズの小さいやつが負けて逃げ出すのだが、敗走する小さなオスを、でかいオスが、しつこくいつまでも追っかけまわすんだよね。 で、最後には小さなオスは殺されてしまう。 ストレス性のショックで死ぬヤツもいれば (本当)、身体が文字どおりバラバラ殺人されてしまう可哀そうなヤツもいる。

では、複数のメス同士を一緒に飼うとどうなるかというと、エサの近くで喧嘩はするのだが (グリグリと頭を押し付けあったりして、結構気合が入っているぞ)、相手を殺したりはしない。 慣れてくると、数匹のメスが仲良くエサ場近くで、ボーっとくっ付いてたむろしてたりする。 ばあさんたちが茶を飲みながら、ゴニョゴニョと会話をしている姿をほうふつとさせたりして、見ているこっちは 「フーム」 と感心する。

以上をまとめるとこうなる。

「オス(男)という生き物は、凶暴で、粗雑で、威張りん坊で、最悪である」

これまでで最大のフォントで断定させてもらったが、これが結論ですね。 この結論、人間界にも適用可能であると私は思う。 いや、たとえば 「彼の奥さんは無茶苦茶凶暴だ」 「私の旦那は虫も殺せない優男よ」 といった例外があることは百も承知だが(笑。注 2)、一般論としての私の人生の中間結論である。 自分自身もそうだという自覚がある。 無駄に凶暴で、粗雑で、威張りん坊。 職場でのエラさを自分のエラさと勘違いする。 トイレ出るときに手を洗うのを忘れたりするから不潔(笑)。 おまけに顔とか枕カバーがなんか臭い (自分でも臭うもん)。(注 3) 家人や周囲の女性を散々不愉快にしてきたよなぁ、スマンスマンと反省するのに、その翌日には反省を忘れて、むやみに大声をあげたり。

(注 2) そういう例外については 「この奥さん・旦那さんに付けられている生物学的な性別は本当に正しいのか?」 というそっちの方を疑ってみるべきかもしれない。 ただし、そっちを疑って何が起きてもサル的なヒトの責任ではない。

(注 3) なんと偶然にも昨日、あのマンダム社が 「30代から40代の男性の頭や顔の特有の臭いの原因はジアセチルという物質である」 との研究結果を発表。 それだよ、自分。 ちなみに50代以上の男性の加齢臭の原因物質は 2-ノネナール。 もうすぐそっちだなぁ、自分。 臭い消しの新製品開発、頑張れよ、マンダム!

こういうオスの粗暴性、年齢とともに治まるのかというと、人間の場合むしろ逆だったりする。 オスのワガママ度は年々上がっていく。 特に日本人のじいさん連中って、伝統的にちょっとダメなんだよね。 街中で、歩くのが遅かったり、お店で注文に手間取ったりしているおばあさんを怒鳴りつけているじいさん連中が日本にはゴロゴロいるんだよなぁ、悲しいことに。 スタバなんかでも最近見かけるようになったぞ、そういうじいさん。 このままでは自分もそうなるかもしれんという恐怖がある。 いや、このままでは絶対にそうなってしまう。 どうする、サル的な自分? 将来は孤独死か、自分? うーむ。

・・・ なんてことを考えた妄想的週末であった。 皆さんのまわりにいるオスはどんな感じですか?