小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

膝は人間の要なり

ちうちう、ずずずっ、ちうちう ・・・ ぷはー。 うまー。

今私が何を吸っているのかというと、あの Juice Bar のミックスジュース (Mサイズ、240円) である。 私は新大阪駅発の新幹線に乗って東京への帰途にある。 
いつも思うのだが、大阪のミックスジュースは安くてうまい。 顔文字だとこうなる →
 (*´ω`*)

本日は、関西の製薬企業のメディカルライター (医療用着火装置ではない。 「書く人」の方である) の交流会 (K-MW) で講義を一コマ、その後意見交換会に参加したのでした。 皆様お疲れ様でした。 出席されている方々、皆とても真面目である。 会社の仕事をどうしたら良くできるかを懸命に考えています。 

一方私の講義は、仕事を題材にはしているが、会社のことを第一に考えているわけではない。 皆さん自身の技量・ノウハウ・能力アップが狙いです。 でもね、会社が強くなるためには、会社のコンクリート壁を耐震強化するといった方向 (注 1) と、社員である皆さん自身が強くなる方向の二つが必要なのは自明。 もしあなたが会社を愛しているのなら、あなたが勉強しなくてはいけないのですよ。 

(注 1) 渋谷の S 野義さんのビルがあるあたりの地盤は相当固く、地震に強いそうですね。 これ、マメ知識ね。

「皆さん勉強不足ですよ。 もっと勉強しましょうね」 と私があまりにしつこく言うものだから、講義の最後の方では皆さんちょっと憤懣やるかたないといった顔をしていたが、それは正常な業界人の反応です。 数年前に、ある会社で同じように 「皆さん、勉強足りないよ」 とはっぱをかけたときには、

「あんたねぇ、『勉強しろ、勉強しろ』 って俺たちに言うが、俺たちは仕事をしてるんだよ。 あんたみたいに勉強なんかしてる暇はないんだっ!」 

と怒ったオジサンがいましたよ (実話)。 私も今よりも数歳は若く、血気盛んだったから(笑)、

「どうぞご自由に。 この会社がこれからどうなろうが私の知ったことじゃない。 私は私の見立てで貴社の生き残りに役立つと思うことを話しているだけ。 私の講義は無料であなたの会社からは一銭も頂いてませんから、あなたたちにすり寄ってくるどこかのコンサルみたいにあなたたちのご機嫌をうかがったり、あなたたちを気持ち良くする必要はないのでね」

なんて答えたものだった。 会社のお偉いさん、凍り付いていたっけ。 あのおじさん、その後勉強なんてせずに(笑)幸せに暮らしているのかなぁ。 

*****

さほど人生経験を重ねているとは思わないが、50年近く生きていると、他人に語っても恥ずかしくない人生の真実のようなものがいくつか見つかる。 本来これらは一子相伝、秘伝に属する類のものであって、私の教え子のみに口伝してきたのであるが、このビッグデータのご時世、そんな料簡の狭いことではいかんと思い、ここに公開することにした。

(定理1) 中華にハズレなし

世界を股にかけて活躍するすべてのビジネスマンに有益な、非常に役に立つ公理だと確信している。 アメリカの地方都市に出張すると、 「さて、夕飯なにを食べようか? お客さんが一緒だからレストラン予約しなきゃいけないけど、こっちのお肉料理やお魚料理って味が微妙だからなぁ ・・・」 ということが多い。 そういうときは迷わず中華屋さんを目指せば良いのである。 

しかし、定理1に付随するこの準定理を覚えておかないと、ひどい目に遭う。 生兵法は怪我のもとである。

(準定理 1) Lo mein (ロメイン) はラーメンにあらず

アメリカの中華屋さんのメニューを眺めて、「日本を離れてはや10日。 もう米国料理はコリゴリだよ。 やっぱり中華料理は安心だよなぁ、だってメニューを見て料理のイメージがわかるもん。 えーっと、今日はさ ・・・ これこれ、ラーメン食べようよ、ラーメン! 汁のあるもの食おうよ!」 と思って、「そこの給仕のおねいさん、Lo mein, please !」 と力強く注文したとしよう。 ワクワクしながら待つこと10分。 おねいさんがニコニコしながら運んできてくれた料理を目にしてあなたは愕然とするはずだ。 

「 ・・・ こっ、これは ・・・ 焼きそば だ ・・・ (ガクッ(と心の中で大切な何かが崩れ落ちる音))」

この定理の発見に至るまでに、私自身何十回のミスを重ねたことだろう。 悲劇は我々の世代だけでもう十分だ。 若い人たちにはこうした痛恨のミスを犯してもらいたくはないと心から願う。

(定理2) 人間は年齢を重ねると、動かないもの・固いものが好きになる

この定理は私ではなく、私の叔父によって証明されたものである。 若い頃は盆栽の良さなんて分からなかったよなぁ。 でもこの頃は少し分かるぞ。 その辺に落ちている石に風情を感じるようになる人もいる。 若いヒトって柔らかくて動くものが好きでしょ? ほら、そこの若い読者のお兄さんが、今、頭に思い浮かべたようなものですよ (笑)

(定理3) 階段では、上る時よりも下る時の方が、膝が痛い

まさか49歳の若さでこの定理を証明してしまう光栄にあずかるとは思わなんだ。 先週の土曜日、大学の中のすごい雪道を無理な恰好(爪先立ち)で長いこと歩いていたら、両膝をやられてしまった。 月曜日の朝、立ち上がったら膝小僧がグラグラするような違和感があったのだが、学校は休めないのでそのまま通勤したら、次第に膝がズキズキと痛くなってきて、午後にはほぼ曲がらない状態になってしまった。 いやー、まいった。

膝が痛いのに、電車に乗っても座れないのである。 席に座ると、足を曲げなければならないので、激痛が・・・(涙)。 お風呂場のわずか15センチくらいの段差で躓き、あやうく死にそうになった。 靴も、靴下も、人の助けがないと履けないし、脱げない。 家人と最近喧嘩してなくてよかったと心から思ったよ。 自力で浴槽に入れない。 痛いわ、転落しそうで怖いわで、駅の階段を降りられない。 はい、定理3の証明終。

じいさんばあさんが 「家はバリアフリーにしてもらわなきゃね」 だの 「家に階段があると生活できないのよ」 だのと言うのを聞いて、サル的なヒト、実はこれまで心の中で 「お年寄って大げさなんだよ」 と思っていたのだが、ごめんなさい。 深く反省します。 心を入れ換えます。 年寄りは大げさじゃない。 膝が悪いと、生死にかかわるのよ、マジで。

冒頭に書いた今日の大阪の K-MW でも、司会のTさん (お世話になりました) に 「小野先生、座って講義しますか?」 と尋ねられたのだが、とてもじゃないが長時間座ってはいられないので、「いや、膝が悪いので、立って講義します」 と答えて怪訝な顔をされてしまったのだった。

・・・ ということで、今日の記事の結論は 「膝は人間の要なり」 ということにさせて頂こう。 なんだかよくわからんが、説得力はあろう。