小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

Dogwood 咲く頃

皆さん、ちょっとご無沙汰でした。 久しぶりに朝から雨である。 サル的なヒトは元気に雪用シューズを履いて通勤してますよ。 完全防水過ぎて靴の中は蒸れ蒸れである。 これなら水漏れでガッポンガッポンの方がむしろマシかもしれん。

ハナミズキが咲いている。

実は、くだらない文章を書く気がまったく起きないのだ。 だいたい想像がついていると思うが、要は、元気がないのである。 そんな時に無理やり書いたブログなんぞほんとは誰も読む必要はないのだ。 サービス精神が皆無で、面白くないからね。 読んでくれてありがとね。

例の韓国の大変な事故のニュースのせいである。 毎日暗鬱たる気持ちで見ているが、どうも気分がすぐれない。 子供たちが気の毒すぎて、気が付くと涙がホロホロとこぼれ落ちてかなわぬ。 春のひばりのように楽しい人生をさえずっていたはずなのに。 ただただ冥福を祈るしかない。

なんと情けない船長、船員たち。 役人、政治家。 普段大人のような顔をしているくせに、中身はサル並(つまりワタシ並)。 

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大人やプロと呼ばれる人たちの劣化が著しいのは、どの国でも、どの領域でも同じだ。 我らがニポンだって情けなさでは昔から負けていない。

あなたの乗っている船の船長は、無能ではありませんか? あなたの会社のリーダーは、お役所のリーダーは、無能ではありませんか? 国際シンポジウムで日本代表としてひな壇に上がっているおエラいさんは、本当にこの領域のプロですか? 船長やリーダーの実力を、実は誰も本気で信じちゃいない情けない現状は、むろん、陸軍の牟田口、海軍の南雲という両無能リーダーを擁した歴史からもわかるとおり、ニポンの伝統だ。 「王様は裸だ」 と勇気をもって誰も指摘しないのだから、それは私たち自身に責がある伝統だ。 

それ以前に、あなたの乗っている船にそもそも船長がいるのだろうか?と問うべきなんだろうなぁ。 株式会社○○丸? 日本製薬産業丸? 日本新薬開発丸? あなたが船長やリーダーと思っているそのヒトたちは、たいていは船長ではないよ。 何かが起きたら、「私は船長ではない。 この領域はシロウトなんで ・・」 などと口ごもって、きっと一番最初に船から逃げ去る人たちだよ(実際、人事異動と称していつの間にか業界から消え去ってしまうでしょ?)。 その人たちは、船と運命を共にはしないよ。 沈む船と運命を共にさせられるのは、大抵、あなたや私や彼や彼女のような人たち、rank and file (使い捨てのきく兵隊) だ。

韓国の大事故と同じ日に長々と記者会見をやっていた理研のあのおじさんがわかりやすい例である。 部下の手柄と名誉は限りなく自分のもの。 部下の失態は部下のせい、自分が負うのは有限責任、らしい。

下っ端の兵隊は、どこまで船と運命を共にしなければならないのだろう。 いざという時、どうすれば船から脱出できるのだろう。 いくら考えても無駄なのだ。 泥舟、沈む船と分かっていても、逃げられないのがあなたや私や彼や彼女。 ホントのところはクスリや医薬品業界にさしたる思い入れもない船長さん・リーダーさんたちは、次の業界を渡り歩く。 沈没船から軽々と脱出してね。 

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気晴らしに何冊か本を読んだりはしているのだが、さっぱり面白い本に出会わない。 評判がやたら良かったはずの 「教場」 (長岡弘樹. 小学館) なんてのも読んだが、調子の悪いときの (最近の粗製乱造気味の) 東野圭吾みたいで、まったく面白くない。 登場する教官と称するおっさん連中に嫌悪感しか持てないし、今どき塩素系漂白剤でネタフリって、そんなものに感心する読者がどこにいるというのだ?

あえて一冊挙げるとすれば、これか。 「オール・イン」(天野 貴元. 宝島社)。

オール・イン ~実録・奨励会三段リーグ

オール・イン ~実録・奨励会三段リーグ

著者は夢破れた元奨励会員。 プロ棋士を目指した天才児だったが、将棋界は天才の上にもう一つ上のレベルの天才がいるから、思うようにはならないのだ。 その上、おそらくは長年の不摂生がたたって、奨励会退会後に stage 4 の舌癌の手術を受けるという大変な目に遭っている。 鬱屈した心中の吐露がなんとも辛い。 そういう本。 しかし読後感は悪くない。 お勧めします。

同時代の本があまりにつまらないので、漱石先生、論語なんてものに手を出している今日この頃。

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今、テレビ番組で一番気に入っているのが、NHK月曜日 夜10:55−の「サラメシ」である。 亡くなった俳優や芸人さんが生前好きだった昼飯を紹介するコーナーが素晴らしくて、毎回泣けてしまう。 死んでしまった人たちは、どうしてみんなこんなに心やさしいのだろうね。

そういえば、大瀧詠一さんも亡くなってしまった。 最近は YouTube で彼の曲を聴きながら仕事をしているのである。 今日のブログ、最後くらいは生きているおじさん(笑)の声で陽気に締めくくろうか。 中西保志さんの声は良いなぁ。 色恋、情の世界は良いなぁ。