小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

三つどもえ

う、う、うわぁーーん ・・・ ゜(゜´Д`゜)゜

ト、トシ子も、死んでもうた ・・・

・・ と先々週と同じ始まり方をするのも気が引けるのだが、いいのだ、これで。 ほとんどの読者にとっては、ブログなんて読み捨ての消費財。 こっちがいくら心血注いで表現を工夫しても意味ないんだよね。 そのうち私が嫌になってブログ書くのやめるかもしれんが、その時になって 「平成の時代に一世を風靡したサル的日記、あれは実に良いブログでした ・・」 などと遠い目で過去を振り返っても遅いのだからな。 今日は妙に高飛車なサル的なヒトである。

見ていてあまりに涙があふれてしまい、ちょっとしんどいことになった日曜夜9時、TBS「天皇の料理番」。 小林薫などの脇役が素晴らしいから、見ていて安心感があるんだよね。 自分のためではなく、他人のために生きよ。 真心があるかどうかで行為の是非は判断せよ。 劇中でたびたび語られる言葉である。 素晴らしいじゃないか。

来週が最終回。 みんな、見ようね。

*****

少し前に学生に 「うちの研究室のファッションの方針として、今後、シャツはズボンにイン(in) する方向でいくことにする。 むしろその方が今はナウいのだ。 昔はだな、あのダブル浅野だって、TシャツをGパンにインしてたんだぞ」 と宣言したら、「センセ、インかどうかの前に、ズボン ってところでもうダメな感じがしますよ」 と逆にたしなめられてしまったサル的なヒトである。 うーむ。

そう言えば、最近とんと使わなくなったモノ・言葉がたくさんあるなぁ。 ちょっと書き出してみる。

まずは ちり紙。 昭和中期型ロボ (私を含む) は 「ちりがみ」、昭和前期型ロボ (昭和ヒトケタ世代など) は 「ちりし」 と読む。 ちり紙交換車というのは今でも生きているが、ここでいうちり紙は、四角いやつである。 書道の半紙のように白くてすべすべの高価なヤツと、しわしわした安いヤツがあった。 前者は、良い子が鼻紙 (これも死語か。 鼻をチーンとかむ紙。 現在はティッシュと呼ばれる) としてポケットに四つ折りにして入れて、学校に持っていく。 学校の持ち物検査で、ちゃんと鼻紙とハンカチを持っていないと先生に叱られたもんだ。 後者のしわしわのちり紙は、ほれ、昔は汲み取り式のトイレの片隅に、四角い台、あるいは箱の上に置かれていたよね。 うちは貧乏だったので、時々、そのしわしわのちり紙を鼻紙として持っていかされた。 子供心にちょっと恥ずかしかったぞ。

ニッポンの夏の必需品だったのが 天花粉 (てんかふん)。 なに? シッカロールだ? ベビーパウダーだ? てやんでぇ、オトトイきやがれ。 日本人なら天花粉さね。 赤ちゃんがいる家庭では必需品。 赤ちゃんがいると、そのお兄ちゃん・お姉ちゃんも赤ちゃん返りして、「ねぇねぇ、おかあさん、僕にもしてよ! パフパフしてよぉ!」 なんてママリンに甘えて、首筋にパフパフしてもらったりして。 きゃっ、ちょっとくすぐったいよぉ。 サル的なヒト5歳の夏。

帳面 (ちょうめん)。 ノートのこと。 僕らの少し前の世代まで、運動会の景品で 「帳面」 が出ることがあった。 「先生が言ったことをちゃんと帳面に付けとかんから、覚えられんのよ、あんたは」 という感じで親に叱られるのである。 この言葉が死語化したのは、ジャポニカ学習帳が出回るようになってからではなかろうか。

寒い冬の朝。 出勤前に 「おーい、襟巻 (えりまき) 取ってくれ」 と言うと、家人がいつも僕をバカにするのだ。 エリマキのどこが古い? あれをエリマキ以外にどう呼べというのだ? あに? マフラーだ? けっ、それは自動車の排気ガスが出るところだろうが。

チョッキ。 シャツの上に着るベストのこと。 「おー、そこのあんちゃん、かっこいいチョッキ着てるねぇ。 デートかい?」 ってなもんだ。 実はこの言葉は 『防弾チョッキ』 としてしっかり生き延びている。 類似語の チッキ は、国鉄で荷物を送るときの呼び方なので間違えないように。 ここ、よく試験に出るよ。

これは分からんだろうなぁ。 パンス。 下着のパンツのこと。 明治生まれの祖父は、下着のパンツのことを 「ぱんす」 と呼んでいた。 単に個人的表現かもしれん。 なぜかこの言葉の響きがとても気に入って、白いブリーフのことを 「ぱんす」 と呼んでいたら、いつの間にか我が家ではこれが標準語になってしまった。 ついでに、サルマタ という言葉も聞かなくなって久しい。 松本零士先生はさぞやお嘆きのことだろう。

女のヒト (おばさん) が服の下に着るのが シミーズ。 そういえば、女性の肌着全般を 襦袢 (じゅばん)あるいは じばん って呼んでいたっけ。 風呂上がりのおばあさんが孫に、「そこのじばんとってくれるかい?」 なんていう感じ。 おじさんがズボンの下に履くのが ステテコ股引(ももひき)、あるいは パッチ。 なぜか股引は ラクダのももひき と称したりする。 洋服かけるハンガーは えもんかけ ね。

飴玉は ドロップス。 ♪ 昔、泣き虫神様がー である。 「節子、それドロップやない! おはじきや!」 ・・・ う、う、う。 これからの季節、また涙が出てくる。

*****

懐かしい響きの、しんみりと優しい言葉が昔はいろいろあったよねぇ、と家人に話したら、

家人 「そうそう。 特にサラリーマンの言葉は時代とともに変わったわね。 『背広』 なんて言葉も若い子はあまり使わないでしょ。 あとは 『三つどもえ』 とかもそうね。 最近誰も言わないよね」。
サル 「そうね、三つどもえ ・・・ みつどもえ? それ何?」
家人 「ほら、三つどもえよ、みつどもえ。 あんた、サラリーマンのくせにそんなことも知らないの?」
サル 「 ・・・ ???」

家人が言いたかったのは 三つ揃え(みつぞろえ) のことだと分かったのは、それから数分経ってからである。

*****

ふたがしら」。 絵が個性的すぎて、最初は登場人物の区別がつかず、誰が誰だか分からなくてイライラするが、そこを乗り越えたら、なかなかに素晴らしい。 しっかりと、時代物ならではの味があります。 おすすめなり。

ふたがしら 第1集 (IKKI COMIX)

ふたがしら 第1集 (IKKI COMIX)