小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

付着させない

長生きすると、自分の無知が次々と明らかになる。 あるいは、知らなくてもいいことを知らされたり。 喜ぶべきか、悲しむべきかは、分からない。

後頭部をバットで殴られたような衝撃を受けたニュース、その1。

江戸時代の農民もしっかり名字があったという件。 そして、それは歴史学の常識というか、小学校の教科書にもそう書いてあるよという件。

週刊ポスト 2017年 8月 4日号)
 
小学校の社会の時間に、「江戸時代には武士だけが名字を持っていた」と習った人は少なくない。これが名字に関する誤解の最たるものだ。

実は社会の教科書には 「武士以外は名字を名乗ることができなかった」 と書いてある。 しかし、この表現から 「名字はあったけれど、公的に名乗ることを禁止されていた」 ということを、社会が専門でもない小学校の先生に理解させるのは無理だろう。 庶民の名字について誤解したまま子供に教えてきた先生たちも多かったのである。

実際には、室町時代にはすでに農民は名字を持っていた。 最も古い記録は、和歌山県紀の川市粉河王子神社に伝わる名つけ帳である。 新生男児の名前を記録したこの帳簿は室町時代の文明10年(1478年)以来一度も途切れることなく現在まで続いている。 そこには名前の上に農民たちの名字が記入されている。 同地が特別な地域であったと推測する事情はなく、当時から農民が名字を持っていたことを示す証拠といえる。

ガ━━(゚д゚;)━━ン!! 

し、知らなんだ。 というか、完全に勘違いしていた。 52歳にもなって、こんなことすら知らない自分。 情けない。

うちは代々、田舎の農民の家系である。 「○○家の先祖は、200年前は ××藩の家老で、 ・・・」 などとエラソーに語るお武家出身者に向かって、心の中で、「てやんでぇ、名字持ってりゃえらいのかよ。 お武家だのなんだのと言ってみたところで、200万年前にはみんな猿人じゃねーか」 などと盛大に毒づいていたのだが、今後はもう毒づけなくなるじゃないか、このヤロー。 どうしてくれるんだ。

「お百姓さんってさ、明治維新のときに、慌ててそのあたりのかっこいい名字をテキトーに名乗ったんだよね。 ( ´,_ゝ`)プッ 」 ってなことを多くの人たち (自分自身を含む) が言ってたわけだが、そんなことはなかったのだ。 うちの先祖は単なる 「田吾作」 じゃなくて、室町時代くらいから 「小野 田吾作」 だったのね。 ごめんなさい、ご先祖様。

これってニポンの歴史教育の分かりやすい歪みである。 鎌倉幕府ができたとされる年号が1192年になったり、1185年になったり、またもや別の年号になったりしている例からも分かるように、僕らの受けた歴史教育は結構テキトーである。

衝撃的ニュース、その2。

Wall Street Journal (2017.7.27) が、水泳のプールについてこんな記事を載せていた。

そのプールの水、本当にきれい?

プールの水を調べると、4000種類以上の食品や飲料、医薬品に使われているある人工甘味料が異常な高濃度で検出される。 興味深いと思うかもしれないが、その理由を知れば気分が悪くなるだろう。

「これは利用者がプールの中でおしっこをしている証拠」アルバータ大学(カナダ)で毒物分析や環境毒性学を専攻する博士課程の大学院生リンジー・ブラックストック氏はそう話す。

あいやー、おまえら、やっぱりやってたのか! いつもプールにいくたびに、「世間の人たちって、おしっこに行く間隔が長いんだなぁ」 と感心してたのだが、実は、やらかしてたってわけかい。 サル的なやつらじゃのぅ。

記事の中の分析結果に基づいて計算すると、ふつうの6レーンくらいの50メートルプールには、50−100人分くらいの尿が入っている ことになる。 尿量は1回200−400mL で計算。

実は、その記事にはもう一つ衝撃的なデータがあったのだ。

プールや温水浴槽における病原菌の主要発生源は尿ではなく、体に付着している便だ。 フラフサ氏によると、大人には通常、約0.14グラムの便がおしりに付着しており、子どもの場合は10グラム にもなるという。

 「1日に1000人の子どもが遊ぶ比較的規模が大きいウォーターパークなら、約10キロということになる」(フラフサ氏)。

・・・

・・・

・・・ クンクン (こっそり自分のお尻の匂いを嗅ぐ音) ・・・ むっ? こ、これは ・・・ 

ま、まぁ、とにかくだ。 パブリックヘルスを大学で教えている専門家としては、次のアドバイスをしておこう。

その1。 あんたが仮に気の短い江戸っ子だったとしてもだ、プールに入る前にはよーーくケツを洗ってくれよな。 

その2。 おい、よい子の諸君。 付き過ぎだ。 ちゃんと拭け、な。 夏休みでドラクエに夢中になってるのは分かるが、まずはケツを拭け。

その3。 プールの中でブルブル ・・・ ってするなよ。 絶対にすんなよ。 いや、これはダチョウ倶楽部のやつじゃないぞ。 マジでだぞ。

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暑くて暑くて体力が落ちているので、今日はこれくらいで勘弁してもらおう。 読者の皆さんも身体に気を付けてね。 

真夏に見る真剣なおバカSF映画。 なかなかに素晴らしかったのである。 「ライフ」 おすすめです。

何年か前に 「ジュラシックワールド」 を見た時の感想を久しぶりに思い出した。

「登場人物、全員 バカ」(笑)

でもそれでいいのである。 そういうふうに作ってある映画だから。 100点満点で評価するならば、5億点は無理でも、2億点くらいは付けるよ。 5億点は、この秋に公開される2作、リドリー・スコットの例のアレと、「お客さん、2つで十分ですよ」 の続編 BR2049 のためにとっておこう。 BR2049には、たぶん、10億点つける気がするよ。 仕事休んででも初日に行きます。