小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

後悔が残るくらいがちょうどいい

 

後悔が残るくらいがちょうどいい春あわゆきのほかほかきえる (東直子

 

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テレビをつけたら、日本と韓国のカーリングのおねえさんたちが氷上で頑張っておる。 おっ、ワシも知っとるおねえさんがいるぞ。 あの人は確か 「メガネ先輩」 だ! 今回のオリンピックにも出てるんだ。 相変わらずキリッとして、ちょっと怖そうだなぁ ・・・ などと思ってたら、同じ韓国のチームにもう一人、メガネのおねいさんがいることに気付いた。 こっちのメガネおねいさんは雰囲気がなんだかほんわかしてて、あまり、というか全く怖そうではないぞ(笑)。 そうか、韓国チームには 「ちょっと怖い感じのメガネ先輩」 と 「怖くない方のメガネ先輩」 がいるのね。 二人をそう呼び分けて、カーリングの試合を堪能したのである。

 

・・・ といった日々である。 皆さんお元気?  あれやこれやと雑用ばかりこなしている毎日だが、時々気合を入れて新年度の講義向けの資料を作ったりしてます。 たとえばこんなやつ。 

 

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「うわぁー、グルグルと目が回りそうなスライドだぞ。 あんた、こんなけったいなスライドでいったい何が言いたいんだ?」 と不安になる読者が続出しそうな気もするが、これでいいのである。 来年度の講義では、薬効評価の根っこにある大穴・ブラックホールを、論理学と倫理学をフル活用して、ますますどデカく開けてやろうと思ってるのだ。 薬効評価の大穴をふさぐのではない。 盛大にデカく広げます(笑)。

たとえばね、このスライド1枚だけからも、古典論理、様相論理、非古典論理(種々の含意)、言語行為論、法哲学行政学、法学、そして科学哲学(実在論 vs. 非実在論など) などの魅惑の学問世界とお薬の有効性の世界をリンクさせて、楽しく解説できますよ。 そしてお薬の世界の大穴がどれくらい深遠なのかも。 どうです、旦那、そんな講義を無性に聴きたくなりませんか? え、ならない? そんな悪い子は廊下に立ってなさい。 

れぎゅらとりーさいえんすなどという意味不明気味の言葉が好きな方々の多くは、自分たちが取り組んでいる学問的課題(大穴)の本当の大きさを理解できていないように思います(杞憂だったらごめんね)。 その手の人たちって、「科学の力でこうした大穴をふさぎ、埋めることこそが我々の使命である!」 などと陽気に宣言したりするのだが、人類の歴史とともに数千年開いたままになっている哲学的な大穴が、医学や薬学の専門家がちょっと手を付けたくらいでそう簡単に埋まるわけはないのである。 残念ながら。 まずは私たちの多くがその厳然たる事実に気付くべきなのではないかといつも思う・・・のだけれど、みんなメシを食うのに忙しくて、人類の知恵になんぞ興味がないんだよな。 ははは。

 

スライドのきちんとした説明は、これから実施する寺子屋講義、レギュラーコース(RC)などできちんと披露するから少々お待ちください。 あ、寺子屋講義ももうすぐ開始します。 手を挙げて頂いている方々、申し訳ありませんがちょっと待っててね。

 

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生協でお買い物。 今さらながら有線マウスを買いに行ったのである。びよーんとケーブルがつながったやつね。

三年くらい前から無線マウスを使っているのだが、パソコン本体にUSBメモリを刺すと電波が干渉するらしく、マウス動作がおかしくなってしまうのだ。 画面上のカーソルが突然どこかに飛んだり、点滅したり。 貧乏人なので我慢してきたが、数日前、USBメモリ使用時に突然マウスが使用不能に陥った。 画面からカーソルが完全に消滅。 キーボードも反応せず、パソコンが操作不能に。 そういう時に限って作成したばかりの大切な資料が未保存だったりする。 久しぶりに頭が沸騰しましたね。 

もう我慢ならん! と即座に生協に駆け込んだのである。 が、有線マウスはもはや過去の遺物扱いらしく、ほとんど店頭に無い。 見つかったのはおもちゃのようなサイズの小さなマウスだけだが、背に腹は代えられぬ。 それを買って帰ってパソコンにつないでみる。

・・・ なんか動きがトロいし、クリック感が悪い。 ケーブルがあちこちに引っかかって気持ち悪い。

 

ムッキー ヾ(*`Д´*)ノ

 

結局どっちにしても腹が立つのだ。 進化してるのか退化してるのかわからんのが IT 世界。

 

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発売日に本屋さんに駆け込む漫画はそうはないのだけど、一年ぶりに本屋さんに駆け込む。 吉田秋生さんの 「詩歌川百景」の最新刊。 「海街ダイアリー」 の外伝である。

 

 

山の中の小さな温泉街のお話。 登場する若いおにいちゃん、おねえちゃんたち、そしてじいさん、ばあさんたちが皆素晴らしく魅力的である。 浮ついた都会の成金サラリーマンのような人種は一人も登場しない。 つまり、きちんと地に足のついた生活をしてる人たちのお話。 皆、それぞれに辛い思いをしながら凛と生きている姿がとても心地よい。

オトナの身勝手な事情にただ黙って従うしかなかったすずちゃん(「海街」の主役ね)と血のつながりのない弟たち (今回のお話の主役) の絆があまりに切なくて、またも涙がとまらなかったサル的なヒトであった。 会社のくだらん仕事など後回しにして、直ちに読むべし。

 

養老先生の最新刊も一冊紹介。 養老先生の本というよりも、まるちゃんの本ですね。 先生の秘書さんが 「『エサ代くらいは自分で稼いでもらおう』 と、まるの写真集やらを出版したのだが、お釣りがくるほど稼いでくれた」 と語っていて大笑い。 

 

 

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というわけで、今回の記事もあまり内容がないが、みんなまぁあまり気にするな。 もはや誰が誰に何を語っているのかも曖昧だが、いいのよ、これで。 これがサル的日記である。

皆さんが冒頭の短歌をもう一度呟いてみてくれれば、そして、それをきっかけにして心の奥底で眠っていた記憶が一つや二つよみがえったならば、今日はそれで目的達成だ。

じゃまたね。

小さく真ん丸なお月様が頭のてっぺんから僕らを見ていた夜。